デスソースとENCONA

 

さて、海外のレーベルから大事な作品がリリースされようとしている時に、またぜんぜん音楽とは関係のない話題を、この日本語ページ(実質、好き勝手に書いている個人ブログ)に書きなぐってしまう次第である。

とはいえ、恥ずかしながら世間的な認知があるとは言い難いうちのバンドのことである。
またウェブサイトなんていう媒体も、ソーシャルメディア全盛の今の時代にあってはあまり見る人もいないであろうということも言える。

そんな中で、過去に気まぐれで書いた「ホットソース」の話題は、なんだかコメントが付いたり、それなりに人の目に留まっているように思われる。
そいうこともあり、またホットソースのレビューを書いてみたいと思う。

 

今回取り上げるのは、
ENCONA West Indian Original Hot Pepper Sauce
Blair’s Original Death Sauce
のふたつである。

 

ENCONAに関しては、某コーヒー店(まあ、カルディさんです)で投げ売りされていたものであり、
デスソースに関しては、定番中の定番と言えるものである。

そしてENCONAに関しては、低価格で投げ売りされていたから気軽にトライしたが、これが非常に良いものだった、ということ。

そしてオリジナルデスソースに関しては、定番商品でありながら、これまでちゃんと試していなかったので、きちっと使ってレビューしたいみたいと思った次第である。

 

あらためて、前置きを書いておこう。

ホットソースの味の好みとして、僕はどちらかといえば、お酢、つまりビネガーの味わいが効いているものが好きだ。
つまり、定番の「タバスコ」についてよく言われることとして、「お酢の味が強過ぎて料理の味を邪魔してしまう」という評価があるかと思う。しかし僕は決してそうは思わず、ビネガーの酸味がホットソースの味わいの重要な部分だと感じている。

これは、そのように思う人と、そうでない人がいると思う。人によってはあまりビネガーの主張が強すぎない、純粋に唐辛子の味がするホットソースの方が好きだ、という人がいて、そういう人もかなり多いだろうと思う。

 

また、唐辛子の特有のクセや、臭みというのか匂い。そういったエスニックな味や香りは、日本人の中には苦手な人が多いと思う。たとえば僕もインド料理とか、中華料理の中でも本格的なやつとかは、結構ダメなものがある。

けれども僕はこの唐辛子の特有の香りというものは、わりと好きな方だ。これは、わかりやすく言うと、「ピーマンが好き」という言葉で言い表すことが出来るように感じている。唐辛子もピーマンも、たぶん似たようなものなので、ピーマンっぽい風味を伴った、唐辛子の癖のある香りが、僕は結構好きだ。

これについても、好きという人と、嫌いという人がいると思う。
なので、ホットソースの味の評価をする前に、僕の味の好みはそういう方向性である、ということを前提として理解してもらった上で、読み進めていただきたい。

 

また、ホットソースというものをめぐる、世の中の状況、世の中の矛盾、また日本国内でなかなか色々なホットソースが手に入りにくい現状に関しては、以前書いたブログの中で、意見を述べているので、そちらを参照していただきたい。これですね。

あとは、「ボブ・ディランの名盤で弾いていたギタリスト、ミスター・タンバリンマンのソース」についても、前にレビューを書いたので、参考にして頂きたい。これですね。

 

さらに、「ビネガー」ということについて言えば、僕はホットソースにビネガーの味わいがあって欲しい、と書いたが、かといって過去にホットソースとお酢を混合したら、あまり美味しくなかったということも書いた。

しかし、最近いろいろ試してみたところ、「いい感じのお酢」と「ホットソース」を、普通に別々に振りかけたら、結構いけることが判明した。
ということは、別にホットソースはホットソースで、唐辛子の辛さだけを求めて、ビネガーの味わいに関しては、普通に単体のお酢で良いものを見つければ、それで解決かもしれない。

「いい感じのお酢」を見つけるのも決して簡単なことではないが、
やはりお酢は体に良い、ということで、ホットソースとはまた別に、追及する価値のあるものだと思っている。

 

 

ではさっそくレビューに入ろう。

まずは
ENCONA West Indian Original Hot Pepper Sauce
である。
日本語表記すると、
エンコナ ウェストインディアン オリジナルホットペッパーソース
となるだろうか。

 

本筋には関係のないことであるが、名称に違和感を覚える。これは僕が無学であることも理由であろう。
West Indianって何やねん、ということである。
日本語のラベルには「ウェストインディーズ」とも書かれている。

ググってみると、これはつまり「西インド諸島」のことらしい。
西インド諸島とは、つまり「カリブ海」のあたりの島々ということらしい。

インドじゃないのにインディアンとはこれいかに、という感じがするが、ネイティブアメリカンの例と同様、これは昔、コロンブスとか、ヨーロッパの人たちが、アメリカ大陸とかカリブ界の島々を「インド」だと勘違いしたり、「インド」だと言い張った結果だと思われる。

なんか微妙な気分になるが、それは置いておくとして、つまりこのホットソースは、そういったカリブ海の島々、その地域の食文化にインスパイアされたものだということだろう。

 

ちなみにこのENCONAブランドは、イギリスのメーカーであり、かなり歴史も長く、ウェブサイトによれば1975年に初めてホットソースを発売したというようなことが書かれている。

日本語のラベルにも、イギリスでは40年以上にわたり定番となっている、みたいに書かれているし、またウェブサイトにも、”UK’s No.1 Hot Pepper Sauce brand”って書かれている。

だから、イギリスではタバスコみたいに人気のある定番の商品なのだろう。

 

さて、このENCONAソース、某コーヒー店(カルディさん)で投げ売りされていたのである。
なぜかというと、それは「消費期限が近いから」という在庫処分的な理由であった。
どういう事情か知らないが、どっちにしても、安価であったから、試してみようと思った。

そして、見た目とか、成分を見るにつけ、過去に何度か消費してとても美味しかったところの「FYNBOS」(南アフリカ産)のソースに似ているように思われたので、きっと似たような感じで美味しいのだろう、と予想出来たのだ。

 

このENCONAも、ウェブサイトを見ると、いくつものソースの種類があるようであるが、今回僕が入手したのは、Originalという青っぽいラベルのやつ。ウェブサイトの表記では、辛さは4つの炎のマークのうちの3つということになっている。結構辛いよ、ということだと思う。

使われている唐辛子は、ハバネロペッパー、およびスコッチボネット。

僕は全然詳しくないので、スコッチボネットって何ぞや、と思ったが、
ぐぐって見ると、どうやら、
ハバネロと似たような品種の唐辛子
ハバネロと辛さは同じくらいだが、フルーティーな甘みがある
ジャマイカなど、カリブ海で人気
というものらしい。

僕は「ハバネロの風味は美味しい」と感じているが、
それにさらにフルーティーな甘みが加わるというのだから、これはきっと美味しいに違いない。

 

ちなみにスコッチボネットで検索すると、こんなサイトが出てきた。
https://www.scotchbonnet-japan.com/

これはつまり、神奈川県でスコッチボネット唐辛子を使ってホットソースを作っている人々がいるということである。
お値段もそんなにべらぼうに高くないし、ホットソースの選択肢が少ない日本国内のマーケットを考えると、こういったメーカーはぜひ応援したい。
またきっと試してみよう。

 

話を戻してENCONAソースであるが、
ラベルに書かれた原材料を見ると、それらの唐辛子の他に、使われている野菜は玉ねぎとマスタードくらいである。この手のソースに使われることの多いにんにくが入っていないのは意外な気がする。しかし、あんまり余計な野菜を使わずに唐辛子の味で勝負している感じがして好印象だ。

また、原材料の欄には、唐辛子は「ペッパーマッシュ」として表記されており、これは実際にどういう作り方をしているのか、僕はわからないが、これは先述のFynbosのソースも同じように表記されていたので、たぶん似た系統の作り方をしているソースなのだろう、という推測をすることが出来る。

原材料の表記でひとつ気になったのは、「酢酸」というやつである。つまり、本来ならvinegarと表記されるべきところに、酢酸、acetic acidと書かれている。これが、いわゆる一般的な「酢」とどのように違うのか、あるいは同じなのか、僕はぜんぜんわからない。

しかし原材料がどのようなものであろうとも、最終的にはやはり味そのもので判断せざるを得ないだろう。

 

ということで使用してみた。

 

実際の使用感だが、粘度はそれなりにある。
だが、めちゃくちゃ粘度があるという感じではなく、ちょっと粘るけど、わりとサラサラ、という感じだ。

Fynbos (Habanero)のソースもかなり粘度のあるタイプだったが、それとよく似ているけれども、でもFynbosよりもENCONAの方がもっとサラサラしている。

 

そして、実際の味わいもFynbos Habaneroと似ていた。
ただ、粘度がFynbosよりも薄いからか、パンチの強さではFynbosに劣るように思えた。
これはFynbosが粘度が高い上に、原材料に砂糖が含まれているため、余計にパンチがあるせいだと思う。

しかし、逆に言えば、ビネガー感はFynbosよりもある。
たぶん、このENCONAは、お酢の風味、ビネガーの風味は、かなり効いていると言っていいタイプだと思う。
僕は好きだ。かなり好きだ。

 

そして、味わいであるが、唐辛子のクセはそれなりにある。
なので、カリブ海なのかもしれないが、そういったエスニック感はそれなりに感じられる。
メキシカンとか、カリビアンとか、いかにもそういった南の国の料理に合いそうな感じだ。
なので、そういった香りが苦手な人、唐辛子のクセが苦手な人には、向かないかもしれない。

しかし僕は前述のとおり、「ビネガー感が好き」であり、また「唐辛子のクセ」も好きな方である。
なので、はっきりいって、このENCONAは、かなりストライクゾーンと言っていい味わいであった。

これは好きだ。
お酢のさわやかな酸味と同時に、唐辛子の風味も、ばっちり楽しめる感じである。

 

で、肝心の辛さであるが、「言うほど辛くない」という感じだろうか。
Fynbos Habaneroよりも、ちょっと薄いぶん、辛さもちょっと下、という感じ。

正確な数値などわからないが、体感的には、スコヴィル値が、「せいぜい一万くらいじゃないかな」という印象。

 

粘度があると言いつつも、結構サラサラなので、消費は思ったより早い。
僕は、投げ売りで安価で手に入れたことと、消費期限もわりと近かったということもあり、遠慮なくどばどばと使ってしまい、あっという間に半分くらい消費してしまった。

だが、早いと言っても、早過ぎるというほどではない。
知らん間にぱっと無くなってしまったMarie Sharp’s Bewareとかと比べれば、コスパは全然良い。

 

結論を言ってしまおう。
このソースで一番気に入ったのは、この「丁度よさ」だ。

辛さがちょうどいい。
味もちょうどいい。
粘度がちょうどいい。
使い勝手もちょうどいい。

なんか、すべてにおいて、ちょうどいい感がある。

十分な辛さと旨味があるが、そのわりに、お腹にもやさしい。
ちょうどいい粘度で、少量でもちゃんと効いてくれる。
さすがにイギリスで40年以上、定番の地位を保っているというだけあって、なんかしらんが、いろいろなものがちょうどいいバランスになっているように思える。

ひたすら辛さを求める人にとっては、物足りないと思うが、かといって、辛さが足りないわけではなく、むしろ日常的に毎日使っても胃腸に負担がかからないちょうどいい塩梅である。(理由はわからないが、かなりドバッとかけても、「翌朝」も含めて、胃腸への負担がそれほど無いように感じる)

 

そして、消費者というか、売り手というか、商売の観点から見て、きっとこのソースの商品設計は、「皆が幸せになれる」というスウィートスポットにあるように思われる。
(ホットソースに対して、「スウィートスポット」という言葉を使うのはなんだかおかしいけれども)

つまり、以前のブログに書いたように、ホットソースというものは、「辛くて美味くて、少量で効く」というものを作ってしまうと、消費者はハッピーだが、売り手は儲からない。儲からないので、商売が継続しない。

しかし、このENCONAの辛さ、濃度の設計は、ちょうどいい味で、ちょうどいい早さで消費されるので、消費者もハッピーだし、売り手としても商売が成り立ち、製品が存続できるという、そのようなハッピーバランスを成し遂げているように思われる。

 

そのような黄金のバランスを、このENCONA ORIGINALには感じることが出来た。

最初に食べた時には、ちょっとパンチが足りないかな、と思ったが、使っていくうちに、その価値に気が付いたのである。

 

かといって、これが日本においても定番になるかと言えば、それは条件がまったく違うので、なんとも言えないであろう。

けれど、これが定番となって、気軽に手に入るようになったら、僕はぜんぜんハッピーである。

さて、カルディさんで、このソースの継続的な販売は行われるであろうか。
投げ売りされてる時点で、たぶん難しいんだろうな、とは思うけれど。

 

ENCONAのレビューはここまで。

 

 

で、次は、Blair’s Original Death Sauceのレビューである。
いわゆる普通の、レギュラーバージョンの「デスソース」である。
ラベルに髑髏が描かれており、「with chipotle」と書かれている。

定番中の定番であるからして、今までこれをレビューしていない方が、どちらかと言えばおかしい。

エフェクターで言えば、海外のブティックメーカーのオーバードライブを持っていても、BOSSやIbanezを試していない、みたいな状況だ(笑)

なので、それはどうかと思い、トライしてみた。

 

以前に、アフターデスソースを試したことがあり、それも過去のブログに感想を書き記していると思う。
で、アフターデスソースは、結構好きだったが、なんか純粋に味が気に食わない部分があり、また使い勝手も良くなかった。
辛さ的にも、確かに辛くて美味しいが、毎日使うにはちょっと胃腸に負担が掛かり過ぎかな、という印象であった。

なので、デスソースというブランドに関して、味わいや実用性よりも、インパクトやマーケティング的な要素を押し出している製品なのではないかという印象を持っていた。

 

で、ノーマルのデスソースである。

使われている唐辛子は、「ハバネロ(赤、オレンジ)」と書かれている。また「カイエンペッパー」「チポトレペッパー」の表記もある。ハバネロを中心として、カイエンペッパーとチポトレペッパーも補助的に使っている、ということになるのだろうか。

そして、その他に野菜果物としては、ニンニク、ライム、コリアンダー、ハーブ、となっている。ハーブって何やねん。

野菜やハーブ等は使われているものの、基本的には唐辛子の味を中心とした直球勝負のソースのように見受けられる。

 

で、実際に食べてみると、「ライムの味と香りが非常に効いている」という印象だ。
すごくライムの主張が強い。これはライムソースじゃないのか、というくらいライムしている。
ここでラッパーだったら「Yo, yo, デスソース」とか言って気の効いた韻(rhyme)を踏むところだが、僕にはそんな真似は出来ないのでやめておくことにしよう。

 

その味わいは、辛さこそあるが、爽やかだ。
爽やかな辛さが、一瞬で突き抜ける。突き抜けていくが・・・
味わい?
味わいって何だっけ、みたいな。唐辛子の深い味わい、みたいなものとは、あまり縁がないソースのような気がする。

が、ソースとしては、はっきりいって美味しい。
はっきりいって、タバスコブランドのハバネロソースよりも上だと思う。
どちらも大手ブランドみたいな立ち位置で、辛いソースをうたいながらも、実際には一般の人たちへの食べやすさを両立させようとしている製品だと思うが、
タバスコのハバネロソースはマンゴーやバナナの味を押し出した結果、用途が限られるのに対して、ライムの風味を押し出したデスソースの方が、一般的な汎用性において優れているように思うからだ。

とにかくライム、とにかく爽やか、って感じだが、美味いことは美味いので、うん、いいね、って感じだ。

 

辛さは、ググってみると、Blairs Original Death Hot Sauceは「30,000 SHU」と書かれたウェブサイトが出て来る。3万ということだと思う。
https://www.scovillescale.org/hot-sauce-scoville-scale/

しかし、実際に食べてみた印象で言えば、決してスコヴィル値が30000というふうには感じない。
そんなに辛くないよね、というのが正直な印象だ。
体感的には、これもせいぜい1万か、あっても2万以下だろう、という印象。

これは、scovillescale.orgの情報が間違っていると言っているわけではなく、時とともにデスソースがモデルチェンジしているという可能性も考えられるし、また、日本市場向けに味や辛さを調整しているという可能性もあるだろうと思う。

 

定番ブランドの看板商品として、十分な美味しさを持っていると思われるこのオリジナルデスソースであるが、僕はやはり、どうしても気に入らない点があり、その意味では僕はこのソースをリピートはしないだろう。

気にいらない点というのか、このオリジナルデスソースの最大の欠点は、エスニックな味わいがほとんど感じられない点にあると思う。唐辛子の味わいの中にあってしかるべき、またホットソースの醍醐味としてあってしかるべき、「非日常感」みたいなものがあまり感じられない。

なんかすごく「日常の中の普通の味」という印象がするのだ。
ライムを効かせた食べやすい味、と言うことも出来るが、
なんか、この「日常的な親しみやすさ」は、
言い方として不適切かもしれないが、「まるでマクドナルドみたいな味」という印象だ。
あとは、ステーキソースみたいな印象、という言い方も出来ると思う。
すごく感覚的に「普通」であるので、食べていてつまらないな、というように、僕は感じる。

 

逆に言えば、その「親しみやすさ」「日常の範囲内の味」こそが、定番商品として広く一般に受け入れられる条件なのかもしれない。

 

そして冷静に分析すれば、「デスソース」という、おどろおどろしい名前、おどろおどろしいパッケージ、そしてインパクトのあるブランド、
それと比較して、実際にはそれほど辛いわけではなく、爽やかで食べやすい商品設計となっている。

これは、ホットソース初心者が、「思い切って挑戦してみよう」って言って食べてみて、
「うん、これなら大丈夫。思ったほど辛くないよ!」って言って、
そこからさらに、さらに次の段階の、もっと辛いソースに挑戦していくという、登竜門的な「ゲートウェイソース」(そんな言葉あるのか)としての役割を、果たしているのだと推測できる。

 

でも、食べやすさ、爽やかさ、辛さ、等のバランスが取れた、良いソースであることに間違いないと思います。

 

今回は以上!
サンキューベリーマッチ。

 

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