まとめてホットソースレビュー

音楽には全く関係がないが、ホットソースについての記事になります。

 

何度も書いているが、この日本語ウェブサイトは、僕は雑記帳として使っている。
そこにはいろいろな理由がある。
本当は、もっといろいろな話題をもっと頻繁に書きたいのだ。昔のウェブサイト、いわゆる「ホームページ」には、日記帳という昨日があったものである。それは日本人的な習慣とも言える。現に、昔流行った日本初のSNSであるmixiには「日記」という機能があった。英語でいうとジャーナル、とかダイヤリー、みたいになるのだろうけれど、日本語で言うところの「日記」の方がエモーショナルな感じがする。

僕は比較的に、言葉で生きているところのある人間なので、日々の雑感を日記のように書き記す事は結構意味がある。書き記すことで脳味噌を回転させないと仕事が進まない。次へと進めない。

そういった意味で、このバンドの日本語ウェブサイトは中途半端な使い方になっているだろう。

 

過去に、そのような雑記の一環として、ホットソースの話題を何度か書いた事がある。
振り返ると何種類もレビューしているので、このタグを辿って見て頂けたらと思う。
https://imaritones.tokyo/tag/%e3%83%9b%e3%83%83%e3%83%88%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%82%b9/

 

日本にあって海外に無いものもたくさんあるが、その逆に海外にあって、日本であまり手に入らないものもある。

ホットソースはそのひとつで、アメリカに行くと、スーパーマーケットでも地域によって豊富な種類のホットソースが売られているが、日本ではそれが極端に少ない。
食生活の違いといえばそれまでで、たとえばメイプルシロップやピーナッツバターのようなものは日本ではあまり需要はないが、アメリカだと必需品だろう。日本では味噌や醤油の売り場は充実しているが、海外でそんな品揃えは望むべくもない。

だがそういった状況は時代と共に変わる事もある。
いわゆるクラフトビール、地ビールといったものも、10年前には日本ではあまり日常的に飲む機会がなかったが、この5、6年余りで随分普及し、日本でも豊富な種類のクラフトビールが飲めるようになってきた。

ホットソースに関しても、将来的にそうなったらいいなと思っているが、マイルドな味を好む日本人の食生活を考えると、やっぱり難しいかもしれない。

 

うちのバンドは、Shinryu師範が加入して、(ついこの間、今年の9月/10月で脱退してしまったんだけど)、それから3年半の活動の間に、2度アメリカ遠征をする機会に恵まれた。

で、その時に、やっぱりそのチャンスに、向こうのスーパーで適当に良さげなホットソースを購入し、持ち帰って楽しんでいたものである。

で、ずっとレビューを書きたいと思っていた。
なかなか書く時間が取れなかったけど。

で、それをやっと今日、書こうと思う。

試したホットソースを一個一個、丁寧に個別の記事にしていくと、たぶん時間が足りないので、一気にまとめて書いてしまいたい。

 

 

試してみた記録。レビュー。感想。
書きたいのは以下のホットソースについてである。

Arizona Pepper’s Organic Harvest – Habanero Pepper Sauce

Arizona Pepper’s Organic Harvest – Chipotle Habanero Pepper Sauce

Four Sixes – Salt Creek Hot Sauce

Louisiana – The Perfect “Hotter”

ついでに Arizona Pepper’sの看板商品であるArizona Gunslingerについても書く。

他にも買って試したような気がしないでもないが、忘れてるかもしれない。

 

でも、一番書きたかったのは、Arizona Pepper’s の Organic Habanero Pepper Sauceについてである。

これは安かったんだけど、僕の短い人生の中では、たぶん今まで試した中で一番美味しいホットソースだったからだ。(なにぶん、試した絶対数が少ないので、これが海外に住んでいて、様々なソースを試した人だったら、もっと良いものをたくさん知っているのかもしれない。)

 

で、Arizona Pepper’sといえば、結構大手のブランドだと思うけれども、なんといってもArizona Gunslingerというソースが有名だと思う。たぶん結構昔からあると思われる(公式ウェブサイトを見ると1985年??)人気のソースだと思うんだけど、これは、日本で居酒屋の「天狗」さんが代理店をやっていて国内販売を手掛けていたからだ。このウェブサイトのホットソースの記事にも、「天狗」の社員の方がコメントをくれた事がある。(ありがとうございます)

だが、今検索してみると、天狗さんが作っていた「アリゾナガンスリンガー」の日本語のウェブサイトもなくなっており、もしかすると輸入販売はすでに止めてしまったのかもしれない。

僕はこの”Organic Habanero Sauce”が非常に素晴らしく美味しいものだったので、天狗さんにお願いして「ガンスリンガー」だけじゃなくて「オーガニックハバネロ」も輸入販売してくださいよ〜、と言いたいところであった。

しかし、ウェブサイトがなくなっているところを見ると、どうやらそれは夢に終わってしまったようだ。

 

過去に書いた記事でも述べたが、日本においてホットソースを販売するというのはかなり困難な事だ。だから難しいだろうけれど、誰か、このArizona Pepper’sの商品、”Organic Habanero”を、輸入代理店/販売を手掛けてくれないものだろうか。

 

僕は自分のホットソースの用途、そして好みの問題で、唐辛子に「ハバネロ」を使用したもの。(スコッチボネットもたぶんオッケー)。「唐辛子、ビネガー、食塩」以外の復原料がなるべく入っていないもの。辛さの基準としては、非常に曖昧な表現で、決して正確な数値では無いのだが、「スコヴィル値が、目安として一万から二万あたり」のものがストライクゾーンである、という前提がある。(海外のホットソースの販売サイトとかに掲載されているスコヴィル値の基準も、すごく曖昧だと思う!)

 

その他、僕の好みの前提としては、「普通のタバスコの味はとても好きだが、辛さが足りない」というものや、「唐辛子そのものの風味、香りは好き。つまり英語でペパーとなるところのピーマン、パプリカ系は全部好き」という味覚の好みがある。そしてまた、僕は基本的に「お酢」も好きなので、ホットソースの味わいにはビネガーも大切な要素だということも言える。ビネガーの酸味も好きだという事だ。僕の好みはそんな感じだ。

 

また、現在日本において手に入りやすいブランドの製品は、だいたい試した、という事も前提になる。手に入りやすいものとしては、Tabascoブランドのもの、Marie Sharp’s、Blair’s Death Sauceなどが代表的なものになる。それらのものに僕は満足していないが、あえてその中から選ぶのであれば、僕はMarie Sharp’sのハバネロソースが一番好きだが、かといってあまり使い勝手の良いソースではないし、やはり100パーセント満足がいくわけではないのだ。

 

なぜ辛さの目安がスコヴィル値10,000〜20,000付近と言っているのか、その理由は、僕は決して激辛マニアではないので、決してとんでもなく辛いものを求めているわけではない。そして辛すぎると胃腸に負担がかかる。かといって、辛さが物足りないものでは満足できない。それだけでなく、辛さが足りないと、量をかけすぎてかえって胃腸に負担がかかる、という状況に陥ることもあるからだ。その自分にとってのちょうどいい辛さのスウィートスポットが、そのあたりの数値だと思われる、そういう事情だ。(辛いホットソースにスウィートスポットっていうの変だけど)

 

 

そういったわけで、本来であれば、「アリゾナガンスリンガー」は、僕にとっては上記の基準に当てはまらないソースである。しかし、Arizona Pepper’sの製品が非常に素晴らしいものであるということ、また日本で国内販売を手掛けていた業者さんが存在した、という事も鑑みて、いっぺん試して、感想を書き記しておかなければ、と思っていた。

しかし、試したのはもう結構前のことなので、(2年くらい前かな)、細かいことはもうあまり覚えていない。

しかし、覚えている部分もあるので、適当に書き記しておこう。

 

 

Arizona Gunslingerであるが、要するにハラペーニョのソースである。

ハラペーニョというと、とても切ない気持ちになる。

つまり、メキシカン料理とかだと、切っても切れない定番の食材であると思う。そして、アメリカに行っても、たぶんそこらじゅうでしょっちゅう食わされるものだ。

身近な例でいうとファーストフードのサンドイッチであるSubwayだ。
アメリカでSubwayを食べると、とりあえず何も考えなくてもハラペーニョが普通に入ってくる。日本人にはちょっと慣れない味なので、面食らう事もあると思うのだ。だが、日本のSubwayで注文した場合には、こちらから言わない限りは、ハラペーニョは入ってこない。つまり、それが地域差という事なのだ。

当然ながら、僕はハラペーニョそのものは、とても好きだ。
讃岐うどんの食べ方に、青唐辛子を添えて食べるというものがあったと思うが、同じ発想で、一度ハラペーニョを添えてうどんを食べてみたいと思うくらいだ。だから、サブウェイのサンドイッチでも、やはり入っていないと寂しいと思うのだ。

ハラペーニョは、要するに青唐辛子であって、そんなに辛いってわけではないが、それなりに辛く、酸味があって酸っぱい、しかも青臭い独特の風味がある。それゆえに、慣れないと、日本人にはあまり好まれない傾向があるのだろう。

 

だが、実はそこに意外な盲点があった。

そして、ハラペーニョを使ったホットソースであるArizona Gunslingerを食べれば、驚きと共にその事実に気づくのである。

「これは・・・梅干しだっ!」

辛くて酸味のあるハラペーニョをホットソースにした時、なんか、そこに梅干しに似たテイストがあるのである。

梅干しホットソース。アリゾナガンスリンガーなどと言う、いかにも荒野でウエスタンでガンマンみたいな、コテコテのアメリカみたいなネーミングしておきながら、その実態は梅干しに通ずるものなのである。

このハラペーニョソースの意外な梅干し的な要素こそが、日本の居酒屋チェーンをして、これなら日本人に受け入れられるに違いないと思わせ、輸入販売を決断させた理由ではないだろうか!!(しらんけど)

 

味の詳細は、あんまり覚えてないんだけど。(そのうちまた試そうかな)
基本的には、僕にとってはやはり、辛さが物足りないものであったように思う。かといって、胃腸に負担がかかるという感じでもなかった。たぶん美味しかったし、好感の持てる製品であった。非常に濃厚なソースだったという記憶があるし、ハラペーニョの風味はしっかりと楽しめるものだっただろう。

でもやっぱり僕には辛さが物足りなかったし、あとはやっぱ、梅干しだしなぁ、みたいなところがあった。
だったら梅干し食べるよ、みたいな気分になり、実際に梅干しが食べたくなった。
そんな記憶がある。

そういえばなんとなく柚子胡椒にもニュアンスが近いものがあるかもしれない。

 

Arizona Pepper’sの製品、ふたつみっつ、試して、とても好感が持てるのは、原材料に「唐辛子、酢、塩」みたいなシンプルなものが多く、品質勝負でごまかしが少ない点。そして実際にそれらの材料の品質の良さが感じられる、シンプルに美味しいものであるということ。過去にも書いたが、実際に市場に売られているホットソースは、差別化のためか、色々な副原料によって味付けに変化を付けてあるものが多く、シンプルに唐辛子(および酢)が味わえるものは意外と少ない。
それゆえに、シンプルかつ高品質で正直な商品を展開しているArizona Pepper’sに好感を持ちその実力にリスペクトを感じたわけである。

 

 

では、そのArizona Pepper’sの高い実力を感じ取る事が出来る製品、”Organic Harvest Habanero Sauce”についてレビューをしよう。

 

もともと、アメリカに遠征した際に、何か適当なものでいいから、ホットソースをお土産に買って帰ろうと思っていた。

あまり高くないもので、「ありふれたもの」がいいと思った。そして、僕の好みである上記の条件に当てはまるものがいいと思った。

このArizona Pepper’sのホットソースは、たぶん比較的大手メーカーの製品ということもあり、手に入りやすく、また価格もそれほど高くない。パッケージもシンプルで、原材料もシンプル。そういった理由で、ぴんと来てこれを選んで、お土産として買ってきた。

 

そして食べてみたその感想は、「非常に美味い」というものである。

原材料は、やはり基本的に「唐辛子、酢、塩」だけである。
瓶の表記を見ると、Ingredients: Organic red ripened jalapeno peppers, organic ripened habanero peppers, organic vinegar, sea salt, organic apple cider vinegar となっている。

やたらとオーガニック言っていて鬱陶しいが。
唐辛子としては、ハラペーニョとハバネロが両方入っているわけである。僕はどちらかと言うと、複数の種類の唐辛子が使われたものに対して、あまり良い経験がなかったが、これは完璧に美味かった。ハラペーニョの旨味とハバネロの爽やかさの組み合わせが良いのだろう。

辛さもちょうどいい。美味さもちょうどいい。ビネガーの風味もちょうどいい。何より、シンプルに唐辛子の旨味が感じられる。しかも濃厚に。
ストレートに強烈なパンチを食らった感じだ。

オーガニックと銘打ってあるが、実際に使用している唐辛子の質が良いのだろう。濃厚な味わいと旨味が感じられて、非常に満足度が高かった。

 

もちろん、これまでに試してきたホットソースの中に、お気に入りはいくつもある。

たまにジュピターさんで入手出来た(まだあるかわからないが)Fynbosなんかも非常に好きだった。一回だけ手に入ったEnconaのスコッチボネットのやつも非常に好きだった。

だが、これぞまさに僕の理想、みたいな意味においては、たぶんこのOrganic Harvestのハバネロソースが一番理想に近い。

あんまし覚えてないんだけど(ストックしてある次の一瓶を開封するまではわかんない)、スコヴィル値(印象。推定。適当)は、推定で一万を少し上回るくらいじゃないか、という感じだったように思う。しかし、とにかく美味いという感じであった。ハバネロの爽やかな辛味と旨味、そしてそこにハラペーニョの風味が足されて、なんか知らんが完璧な唐辛子のフレーバーを醸し出しているように思った。

 

ホットソースって結構、濃度が重要な要素で、液体っぽいサラサラなのか、固体に近い濃厚なものなのか、それによって使い勝手も味わいも変わる。固体っぽいやつの方が濃厚なのでスコヴィルの数値は高くなるが、かける量も自然と少なくなるので、実際に食べて辛いと感じるのは実はサラサラの方である場合もあり、一概に言えない。だがこのArizona Pepper’sのソースは、「いい具合に濃厚」という感じで、なんか、実にいい。

 

 

 


そして、そのArizona Pepper’sの製品で、もうひとつ試したものがある。
それは、Chipotle Habanero Pepper Sauceである。

これは昨年2023年にアメリカ在住の日本人ミュージシャンMeeyanpunchさんにお土産として買ってきたもらったものだ。(ありがとうございます!!)

 

Chipotle、これは、カタカナ的には「チポトレ」となるが、英語の発音でいうと、チポレという方が近いようだ。

チポレというのは、僕もよくわからんが、メキシカン料理において使われる、燻製した唐辛子のことらしい。(これもやはりハラペーニョらしい)
そいでもって、CHIPOTLEというメキシコ料理のチェーン店もアメリカには存在するようだ。立ち寄った事はないが、見かけた事はたぶん何度かあるはずだ。

これはその、スモークした唐辛子を使ったホットソースである。たぶん、アメリカあたりでは定番のフレーバーなのだと思う。立ち位置的にとんかつソースとか中濃ソースのようなものかもしれない。

 

で、味の感想であるが、スモーキーな風味が当然、強烈に効いている。
これは、アメリカで食べるバーベキューソースの感覚にちょっと近いように思う。厳密にいえば違うんだろうけど。

アメリカで食わされるバーベキューソースは、独島の香ばしい風味や甘味があるが、同じようなソースを日本で見つける事は難しい。ソース事情という事でいえば、日本ではさっき述べたような「とんかつソース」「中濃ソース」といった独自のソースが発達しており、そこに外国っぽい違う味のソースが食い込んでいくことは難しい。またバーベキューという分野においては、日本では「焼き肉のたれ」というジャンルがあり、これに対してはアメリカのバーベキューソースは日本市場でたぶん絶対対抗できない。そういった理由から、日本で「アメリカっぽい」バーベキューソースを見つける事は結構難しい。(せいぜいA1ソースといったところだが、あれはまた少しジャンルが違う気がする。)

(似たようなことはハニーマスタード等についても言う事ができるが、おそらくハニーマスタードの方がまだ、今後日本に普及する可能性は持っているだろう。)

 

だが、この「チポレ」のホットソースは、ちょっとそのアメリカっぽいバーベキューのニュアンスがある。それはスモークされた唐辛子の香りが、香ばしいニュアンスのバーベキューソースと共通したフレーバーを持っているからだろうか。たぶんバーベキューソースの原料にも、スモークされた何かが使われているのだろう。

 

いずれにしても独特の風味で、美味しいかと言われれば、それは確かに美味しい。

だが、癖のある風味だけに、どんな料理にでも合うというわけにはいかない。特に日本の食生活、日本の食卓においては、これに合う料理というものは結構限られてくると思う。それはまあ、食文化の違いと言ってしまえばそれまでだ。

 

この文章を書いている時点で、僕はこの”Organic Harvest – Organic Chipotle Habanero Pepper Sauce”を、もうそろそろ一瓶使い切ろうとしているところだが、よくあることだが、瓶の最後の方になってくると、固形成分が瓶の上の方に固着し、ソースの成分が少し薄くなってくる。これによってかえって雑味が少なくなって食べやすくなったりする事もあるのだが、このChipotleソースもそんな感じで、最後の方はチポレの独特のスモーキーな癖が薄まり、かえって素直な味になり、合う料理の範囲も増えて使いやすくなってきた。皮肉な事だが、成分が薄まった状態の方が僕にとって理想に近い。

 

原材料を見ると、上記の”Organic Habanero Sauce”とそれほど変わらず、そこに”organic chipotle peppers”が加わっただけのように思えるが、記憶が確かであれば、どういったわけか分量の違いなのか、こちらの”Chipotle”のソースの方が、辛さは少ないような気がしている。少なくとも僕は、この”organic chipotle”に辛さはそれほど感じない。おそらくスコヴィル値は6,000から8,000くらいの範囲ではないか、という印象だ。(またも、あくまで適当な推定であり、正確な数値ではないです)

 

ちなみにこのArizona Pepper’sの”Organic Harvest”ブランドの製品については、原材料の唐辛子はニューメキシコ州で栽培されているようだ。パッケージにそのように書かれている。

 

 

 


さて話を次に進め、もうひとつのホットソース、FOUR SIXESブランドのSalt Creek Hot Sauceの感想を書いてみたい。

これは、今年の7月にアメリカに演奏しに行った際に適当に買ってきたもののひとつである。
何かテキトーなものをぱっと選ぶという趣旨で、ラベルのデザインがシンプルなものをテキトーに手に取った。

使われているのはカイエンペッパーという事で、それほど辛さは望めず、僕のストライクゾーンからは若干外れるのであるが、ひとまず試してみた次第。

 

購入したのもテキサス某所であったが、これはテキサスのブランドで、ラベルにもThe Four Sixes Ranchという事が書かれている。
味の方は、比較的すっきりして薄い。それほど辛くないが、ビネガーが爽やかに効いた、ストレートな辛味が良い感じだ。

テキサスとルイジアナの違いなのかもしれないが、ホットソースの代名詞であるタバスコや、日本でも過去に100円ショップで見かけ、アメリカでもそのへんでガバガバ安価で売られている印象のあるLOUISIANAブランドのソースはルイジアナ州のものであると思うが、独特の癖があるのに対して、このSalt Creekのソースには癖がない。(誤解を生みそうな表現であるが、白っぽいとでも言えばいいか。ファンキーなジャズブルースR&Bではなく、カントリーミュージックが似合う感じだ。)

 

薄味で癖がないところも含めて、大企業の工業製品みたいな印象は受ける。原材料を見ても、ビネガー、カイエンペッパー、ソルトの他に、guar gum、xanthan gum、ascorbic acidと入っていて、いかにも現代的に流通させてる商品のような感じだ。アスコルビン酸というのは要するにビタミンCの事で、保存料として食品に一般的に使用されているものらしい。

味は決して悪くない。多少の添加物は入っているものの、基本的には素直に唐辛子とビネガーなので、ストレートに唐辛子の味が感じられる。しかし、癖がないというか、薄味なので、これといって特徴がないとも言える。

辛さは、タバスコよりはちょっとだけ辛いが、かといって大差は無いといった印象。スコヴィル値(あくまで印象、推定)はおそらく3,000から5,000の範囲ではないだろうか。
このくらいだと、大量にかけたとしてもどうということはなく、胃腸に負担はあまり無いので、心置きなくドバドバと使用できる。それはそれで美味しいのだが、そのぶん、消費のスピードは速い。すぐになくなりそうだ。そのへんも、いかにも大手の商業製品というニュアンスを感じる。

 

だが、こういう素直で使いやすいソースが安価で売られていると、生活には便利であるので、日本でもこういうのが近所で手に入ったらいいなあ、とやはり思ってしまう次第。
(このようなドバドバいけるソースの文脈ということで言えば、ふと思うが、サイゼリヤはパンデミック以降、店内のホットソースをタバスコからオリジナルのものに切り替えたが、あのホットソースを市販してくれんものかな、とちょっと思う。あれ、ユニークかつ素直で、割とちょうどいいものだ。)

 

 

さて、そして最後になるが、LOUISIANAブランドの”The Perfect Hotter”について感想を書いてみたい。

LOUISIANAブランドと言えば、おそらくホットソース市場でも、昔から存在したであろう、大手で、ありふれたものではないかと思う。しらんけど。先ほども書いたが、アメリカ行ってそのへんのスーパーとか言ったら、非常に安価で大量に置いてあった印象がある。公式のウェブサイトを見ると1928年に創業みたいなことが書いてある。そして、我々の記憶では、その昔、2000年代に日本の100円ショップで、普通にこのルイジアナブランドのハバネロソースが売られていたのであった。そして、それは辛さも使い勝手もちょうどよく、非常に美味しいものだった。それによって我々はこの「ありふれた老舗ブランド」のソースの存在を知ったわけである。

 

そして、このLOUISIANAブランドの、いちばん辛くないノーマルのソース(Original)も、100円ショップだが、コンビニだかで、売られていた事があったと思う。記憶では、それは、悪くない味であるが、全然辛くなかったと思う。

そう思って、公式ウェブサイトを見ると、なんとスコヴィル値がFAQに表記されている。それによると、この”Original”のソースのスコヴィル値は1,000-2,000SHUという事である。やはり全然辛くない。

 

そこで私は、7月にアメリカをツアーした際に、これまたスーパーで適当にそのへんにありふれたものを試すという趣旨で、このLOUISIANAブランドに”Hotter”というものがあるのを見つけ、これだと思って買ってきたのであった。

ちなみに、さきほどのLOUISIANAさんのオフィシャルサイトのFAQによれば、このHotterのスコヴィル値は2,000-3,000SHUと書かれている。やっぱり全然辛くないような気がする。ルイジアナブランドは、たぶんそういう、薄めで大量に使えるような位置付けのソースなのかもしれない。だから大量に安く売られているのか。

 

この文章を書いている時点で、まだ二、三度試した段階なので、詳細な感想とは言えないかもしれないが、書いてみたい。

 

「LOUISIANA Originalをちょっと辛くした程度なんだろうな」と予想していたのだが、実際に食べてみると、想像以上にパンチがあり衝撃を受けた。

美味い。辛い。濃い。そして癖がある。

その昔、100円ショップだか、100円ローソンだかで売られていたルイジアナオリジナルは、薄くて全然辛くなかった(しかしやはり癖のある味わいだった)という記憶があるが、この”Hotter”は、さらり、というよりは、どろり、といった質感で、それよりも幾分濃厚だ。とはいえ、上記のArizona Pepper’sのソースと比べれば液体成分が多いが、いい感じに「どろり」としているのである。

 

そして、結構辛い。
公式ウェブサイトにはスコヴィル値が2,000から3,000SHUと記載されていたが、僕の印象ではそれよりももっと辛い。

僕がこの文章に「あくまで印象、推定、でたらめな数字」として書いている推定スコヴィル値は、実際に測ったものではなく、あくまでテキトーなものであるが。

普通のタバスコのスコヴィル値をぐぐってみると、2,500から5,000程度、という曖昧な数字が出てくる。僕の印象では「3,000くらい」という認識である。

だが、このLOUISIANA Hotterは、僕の印象ではタバスコよりも辛い。一段辛い、という表現になるだろうか。
僕の「印象論のスコヴィル値」では、「5,000から7,000くらい」という言い方になるだろうか。

 

そして、味には癖がある。
上記の、テキサスと書かれたFOUR SIXESのソースがまったく癖がなかったのと対照的に、このルイジアナソースには癖がある。非常にはっきりとしたクセと個性がある印象だ。これが、唐辛子の癖なのか、製法の違いによるものなのか、あるいは熟成に由来するものなのか、そこは僕にはわからないが、どちらにしても、癖のある味と香りだと言える。

このような癖のある味や香りは、おそらく日本人には受け入れられないタイプのものかもしれない。だから嫌いな人もいるだろうと思う。だが逆に言えば、はまる人ははまる、一度好きになると抜け出せない魅力を持った味であると思う。
かく言う僕も、「これは!」という衝撃を受け、一発で好きになった。

 

このくせのある深い味わいは、おそらくはルイジアナの食文化から来ているのではないかと思う。
僕は素人なのでまったくわからないが、ルイジアナ州のケイジャン料理は、フランス料理、スペイン料理、アフリカ料理の要素が合わさって生まれた独特のものであると言う。たくさんのスパイスを使うのが特徴ということも言われている。このLouisianaソースから感じられる、「癖のあるスパイシーな味わい」は、そういったケイジャン料理の奥深い世界の片鱗なのかもしれない。

くせはあるが、味に深みがあるので、どろりとしたちょうどいい濃度と相まって、ホットソースの域に止まらない汎用性のあるソースとして、意外といろんな料理に使っていける。

 

原材料は、唐辛子(ハバネロペッパー、カイエンペッパー)(Aged Red Pepper including Habanero and Cayenneという表記)、醸造酢、塩、というこれ以上ないくらいシンプルなもの。それでこの旨味が出るのは、やはり熟成といった要素によるのだろうか。オフィシャルサイトのAboutのページには、”then left to ferment during the aging process”とあるので、やっぱり熟成や発酵が関係しているのだろう。

たぶん、この手のソースはアメリカではありふれた、そこらじゅうで安価に売られているものだと思うんだけど、まさに日本で言えば味噌や醤油の如く・・・食文化ってすごい。

 

この”Louisiana Hotter”も、もし日本で手に入るのだったら、日常的に使いたいですね。それくらい気に入りました。「ありふれたもの」であることを踏まえても、この製品も僕の中では「今までに体験した忘れられないone of the best」として記憶されると思います。なかなか衝撃でした。

ただ、このLOUISIANA Hotterも、テキサス某所のお店で購入した時も同じ製品にもかかわらずラベルが2バージョンあったり(商品入れ替えか、バージョンアップでもしてるのか)、インターネット上のレビューでも「これは辛い」って言ってるものもあれば、「オリジナルと変わらない」と言っているものもあって、ひょっとするとバージョン違いがあるのかもしれません。あるいはそのへん、製品の分類や管理がいい加減であるという可能性もあると思います。

 

誰か輸入販売してくれ〜。

以上です。

 

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