深刻な国内ホットソース問題

> 2020年3月18日追記。
コメントで情報いただきました。こんなお店があるそうです〜。海外のホットソースが買えます。素晴らしい。どんどん選択肢が増えて欲しい!!
https://www.hotsauce-bar.com/

> 2021年5月3日追記。
神奈川県内でスコッチボネットのホットソースを作っているところがあるそうです
https://www.scotchbonnet-japan.com/

> 2021年7月1日追記。
なんと100円ショップでハバネロソースが再び買えるようになっていました!!
こちらの記事にDipitt Habanero Pepper Sauceのレビューを書きました。

 

 

この忙しい師走に、くだらない些細な話題で申し訳ないのだけれど、
我が家ではここ2、3年くらい、ずっと「ホットソース問題」というものに向き合っていた。

それはつまり、長らくインディのバンドマンを続け、こういう生活をしているので、我が家では食生活はいつも豊かとは限らない。非常に質素かつ簡素な食事をすることも多い。

そんな時に、ホットソースというものは、最低限それらを「美味しいもの」に変えてくれる、文字通りの生活のスパイスであったのだ。

 

ずっと昔にも過去日記に書いたことがあったかもしれない。
また、この事は知っている人は知っていることであるが、
今となっては昔、何年、あるいは5年、10年以上も前。
100円ショップでハバネロのホットソースが売られていたことを覚えている人はいるだろうか。

今となっては、あれは Too Good To Be True、あまりにも「美味い話」であったのだ。

これかな。
http://www.louisiana-brand.com/

“LOUISIANA”というベタベタなブランド名で売られていたそのハバネロのホットソースは、
辛さも丁度いい、
原料もシンプルにハバネロ、ビネガー、食塩のみでストレートに味わえる、
ビネガーの酸味もちょうどいい、どんな料理にも合う、等、
あまりにも良い商品であった。

そして、そんなものが100円プラス消費税で買えたのであるから、これは美味い、と愛用することになったのは当然のことであった。

 

だが、ある時期からその商品は100円ショップの棚から姿を消した。
それ以降、ネットショップを探すと、さすがに100円ではないものの、数百円で売られていて、それが買えるうちはまだ良かった。

一時期、資本の関係なのか何なのか、”Casafiesta”ブランドで同じものが売られていたこともあったように記憶している。

だが、おそらくは輸入が止まってしまったのか、そのうちネットショップでも見かけなくなり、
また、そのLOUISIANAブランドのウェブサイトを見る限り、日本まで発送してくれそうには見えない。

なので、他のホットソースを探す必要があった。

そのための試行錯誤をゆっくりとしていたのが、この2、3年であり、この文章はそのささやかな記録である。

(国内のネットショップで「ルイジアナ」を見かけなくなったのは、もうちょっと前のことだったと思うが、それは、つまり、何本も買って備蓄があったのである、笑)

 

 

基本的な前提として、「普通のタバスコ」の話をしておかねばならない。

つまり、僕は「普通のタバスコ」は非常に好きなのである。
タバスコは、古くからある定番の商品だけあって、味が完成されており、非常に美味しい。
だが、辛いのが好きな人からすれば、まったくもって辛さが足りない。
よって、多量にかけざるを得ず、あっという間になくなってしまう。
それでは効率が悪く、また満足感も得られないので、もうちょっと辛いものが必要になってくるという訳だ。

 

また、「ハバネロ」ということについて言えば、
僕は別段にホットソースのマニアというわけではなく、普通の消費者に過ぎないので、様々な唐辛子を試したわけではない。
だけれども、経験上、ハバネロのソースというのは、だいたい自分にとってちょうどいい辛さを持っているように思える。
そして、なんというか、ハバネロの爽やかな風味、香り、うま味が、とても良いのである。
結果として美味しければ、別にハバネロでなくても、別の唐辛子を使ったホットソースでも良いのだけれど、確率論の問題で、ハバネロのものを試している。ハバネロは割と有名な品種のせいか、比較的に商品の数も多い、ということも大きな理由だ。

 

というわけで、「100円ショップで売られていたルイジアナハバネロのソース」に替わる定番を求めて、ここ何年か「ホットソースジプシー」をやっていたのだけれど、

そこでいくつかの問題にぶちあたった。

それはつまり。
日本国内で販売されているホットソースの種類は、格段に少ない
という点。

そしてまた、
純粋に唐辛子と酢と塩だけ、というシンプルなソースは、これまた非常に少ない
という点である。

 

自分の好みは、どちらかといえば、純粋にハバネロ唐辛子の旨味を味わいたいのであって、様々な野菜やフルーツが入っていると、それらの風味は邪魔になってしまうことが多い。結果的に使い勝手も悪く、満足感も得られない。

また、定番のタバスコもそういった味の商品であるが、自分はホットソースに「ビネガーの酸味」も求めており、さわやかな酢の風味も味わいたい。しかしこの点においても、条件を満たすホットソースは、意外と少ない。

 

そして、これは本当に頭を抱えたくなるような問題なのだが、
「本当に辛くて美味しいソース」は、売られていない
という本質的な問題があるように、どうしても感じるのだ。

これは、商売上の問題である。

 

前提として、日本国内のマーケットにおいては、「ホットソース」のニーズというのは一般的ではないのだろうと思われる。

なので「ホットソース」はニッチな商品ということになる。一般の消費者はそれらに興味はなく、一部の愛好家がいるのみ、という、なんか「ヘヴィメタル」や「ハードコア」に通じる世界観である。

そして、本当にシンプルで、辛く、美味いもの、つまり、一滴、二滴、料理にかけるだけで、十分に「効いて」しまう商品を作ったらどうなるか。

それは、長持ちしてしまうのである。
普通に使っても数ヶ月。
たまにしか使わない人なら、1、2年は平気でもってしまうだろう。
つまり、使い切るのに時間がかかる。

当然のことだが、こういう商品は、商売としてはよくない。

販売するメーカーとしては、1年かかって使い切る商品よりも、1ヶ月で使い切ってリピートしてくれる方が儲かるに決まっているではないか。

というよりも、ニッチで小さな国内市場において、そんな効率の悪い商品を売っていたら、たぶん商売にならない。

そして、あの100円ショップで売られていた「ルイジアナハバネロソース」は、まさにそういう商品だった。
奇しくもブランドの”One drop does it”というキャッチフレーズが示すように、本当にちょこっとかけるだけで、十分に効いてしまう製品だったのだ。

そういうことも、きっとあのソースが、姿を消した理由のひとつであったに違いない。

 

なので、当然のこととして、販売するメーカーとしては、「辛くて美味しいが、効率は悪く、早めに使い切るような商品」を設計することになる。

なので世の中には「効率の悪いホットソース」がいっぱいだ。

そしてまた困ったことに、そういった「効率の悪いホットソース」は、味わいに関しても余計なものが入っていて効率が悪いだけでなく、消化器官に対しても効率が悪い。
つまり、「あんまり効かない」にも関わらず、それに反して、翌日のトイレにおいては負担が大きい、という不条理な矛盾を抱えることになる。

つまり自分が求めているのは、少量で効いて、シンプルに唐辛子の味が楽しめて、なおかつ胃腸にやさしい商品である。

それは消費者にとっては「効率の良い」ホットソースであるが、販売する側にとっては「効率の悪い」商品ということになる。

ここに、ホットソースをめぐる世の中の商売上の矛盾があることになる。

 

なお、インターネットで海外、アメリカやオーストラリア等のウェブショップを見ると、ホットソースの専門店がいくつもあり、そこには、数限りない多種多様なホットソースが販売されている。
そして、それは大手のメーカーだけではなく、なんとなく地方のインディーズみたいな商品もたくさんあるように思う。

おそらくはそういったアメリカ等の海外においては、ホットソースの市場はもっと大きいのだろう。
だからこそ、そういった多種多様な製品が販売されているのだ。

けれども、日本国内においては、なんでなのか理由はわからないが、入手できるホットソースは限られている。
どこにいっても、売られているのは「普通のタバスコ」ばかり。
それが国内のホットソース事情の、現状なのだ。

 

だからおそらくは、本当の愛好家は、そういった海外のショップから直接個人輸入をしているのではないかと思う。

僕もそれをやっても良いのだが、日常で食べるものについて、わざわざ海外のショップから取り寄せ、その中から「当たり」を探すのは大変な作業だ。

なので、まずは日本国内で普通に買えるものをひとつずつ試していって、それで満足できるものが見つからなければ、その時は海外のショップからの個人輸入に手を出そう、と決めた。

そして、そう決めてから2年くらい。

現時点で、たぶん自分はまだ、個人輸入には手を出さなくて良さそうだ。
なんとか納得できる商品を、ひとつ、ふたつ、くらいは見つけることが出来たからだ。

 

もともと国内で流通しているホットソースは、それほど多くはなく、またその中でハバネロを使ったものに限定し、「粉末」や「固形」ではなくあくまでソースの形をしているものに限定。

繰り返すが僕は決してマニアではなく、ただの一般消費者に過ぎないので、日常の中で少しずつ使うだけであり、決してたくさんのものを試したわけではない。

けれども、これはそのささやかな記録である。

 

またも前提を述べると、
そういったホットソースについてネットでぐぐってみると、
とあるドラマーさんのブログの記事が出て来ることが何度かあった。
見てみると、そのドラマーの方は、ホットソースに詳しいご意見番のような立ち位置で、有名な方であってテレビ等にも出演されているらしい。

その方もやはりホットソースを海外から個人輸入されており、数々のソースの味の感想をブログに書かれていたが、
前提として味覚の違いがあり、
そのドラマーの方は、「自分は辛いものが好きだが、実は唐辛子自体の風味はあまり好きではなく、ピーマンも嫌いである。なので、ハバネロ等の唐辛子の癖のある香りは苦手である」という趣旨のことを書かれていた。

これは僕とは真逆であって、僕はピーマンの風味が大好きなのである。
なので、唐辛子やホットソースについても、ピーマン同様の「香り」や「風味」そして独特の「苦み」と「旨味」を求めている。人によっては「くせのある香り」として敬遠するハバネロの風味は、僕にとっては大好きなものである。

なので、そういった味覚の個人差や、求めるものの違いというものがあり、それは食べ物だけでなく、音楽やサウンドの好みについても同様であろう。

 

もうひとつ、さきほど、「シンプルな作りで、純粋に辛く、効いてしまうソース」は、商売上の効率がよろしくない、という仮説を述べたが、
この国内市場において、唯一、それでも流通し、継続的に販売されているのが「デスソース」というやつである。

これは、こういった激辛のソースとして先行してブランドと知名度を築き上げたからこそ、成り立っているのだと思われる。

自分もまだ全種類ためしたわけではないし、そのうち全種類試してみたいとは思うが、なんか経験上、このデスソースも「違う」ような気がしている。
それは、おそらくは風味よりも、インパクト優先で設計されている商品だからではないかと思う。

どっちにしろ、国内のホットソース事情においても、もっと「種類」や「多様性」が欲しい、そう願っているのだ。
こういうものは、そういった多様性があってこそ、その中から自分に合ったものを選ぶことが可能になるからである。

 

 

そんじゃ、忘れているものもあるかもしれないが、覚えている限りで、日常の中で使って、実際に食べてみた感想を記しておく。

 

京はばねろ 篠ソース
京都で取れたハバネロを使用しているというホットソース。
名前が「死のソース」と読めるので、デスソースに引っ掛けているのかもしれない。
原材料を見ると人参ペーストが入っており、これが結構味の方向性を決めているように思う。
なんとなく和風の方向性を感じる味付けであり、そのあたりがハバネロ本来の風味や辛味のシャープさを鈍らせてしまっている印象がある。醤油っぽいと言ってしまうと語弊があるだろうか。辛いには辛いが、丸い味、マイルドな味という印象だ。
またその「和風」っぽい方向性から、すべての料理に合うというわけではないように感じた。
辛さ自体はそれほどでもない上に、辛さの効率も必ずしも良くなく、それなりに量をかけないと効いてくれない。またわりと流動性の高い液状なので、消費も早い。
だが、あらためて見てみると値段も安いし、割り切って使えば付き合っていけそうなので、また注文してみてもいいかな、と思わせる。

 

Blair’s After Death Sauce アフターデスソース
激辛ソースの代名詞であるデスソースは日本国内でも入手しやすいが、その中でもハバネロを使っているもの、ということで試してみた。
スコヴィル値は約50000だと宣伝されているが、自分はこのスコヴィル値というのはあまり信用していない。3万から10万くらいだと、実際は全部おんなじくらいに感じるように思うし、風味とかの設計によって感じ方が違うので、単純に数値で言えないんじゃないかと思う。そもそも数値自体も本当かどうかわからない。
辛さは十分にあり、ハバネロの風味も確かにするのだけれど、わりと濃度が高くて、そこで辛さと説得力を出している印象がある。自分としてはホットソースにビネガーの風味も求めているので、そのあたりのビネガーの風味が楽しめない。原材料もシンプルだし、決して悪いものではないのだが。
試しにお酢を加えてみたりもしたのだが、別々に作られたものを後から合わせても、結局は別の味にしかならないということに気付くだけの結果となった。
また、これはハバネロとブートジョロキアの両方を使っているらしいので、そのへんの味の変化球っぷりも気に食わない理由のひとつのように思う。
でもまた機会を見つけてデスソースの他のやつも試してみようとは思っている。

 

Marie Sharp’s BEWARE Comatose Hot
マリーシャープス ビーウェア コマトスホット
ベリーズ産の大手ブランドMarie Sharp’sのラインナップの中では一番辛いと思われる製品。
原材料を見ると、人参、玉ねぎ、にんにく、等が入っており、これらの野菜の旨味がかなり効いている。そして華やかな香りが突き抜けるように効いている。
なんというか南国風の、かなり快楽指数の高い辛味と旨味であり、はっきりいって、ソース単体の味としては非常に美味い。ソース単体で考えれば、最強クラスの美味さではないかと思う。さすが大手というか、定番ブランドの実力を感じる。
だが辛さの効率は非常に悪い。結果的に、たくさんかける結果となり、あっという間に消費してしまう。胃腸への負担も結果的に大きくなりがちだ。
「美味く感じる上に消費も早い」という、メーカー側からすれば理想的な商品設計を絵に描いたような一品だ。
ソース自体は非常に美味しいのだが、けれども料理にかけた時に汎用性があるかというと、それはまた別の話である。もうちょっと純粋にハバネロ唐辛子を味わいたい自分としては不満が残る。
「たまにしか使わないし美味しいのがいい」(辛さを純粋に求めているわけではない)みたいな一般消費者(ライトユーザー)には受けると思うが、単純に辛いのが欲しい人にとっては、あまりにもコスパが悪い商品だと思う。
が、非常に美味いソースなのは事実だし、料理の方向性に合えば天国に行けることも確かだ。
なお、BewareとかComatoseとか警告しているわりには、あんまり辛くない。あくまで風味が売りの商品だ。あと、国内向けは海外で売られているものとパッケージが違うようで、ターゲットや売られ方の違いを感じる。

 

Mellow Habanero Extra メローハバネロ エクストラ
兵庫県で「ハバネロマン」なる人物が作っている、インディーズ色を感じるホットソース。
注文すると、どこかのインディーレーベルでCDやグッズを買ったみたいに、手書きのサンキューメッセージが箱に書かれていて、そういう気分を味わえる。
これは昨年、試したのだけれど、たまたまその年は台風の被害でハバネロの収穫が少なかったらしく、一番辛い”Heaven”が買えず、仕方なく2番目に辛い”Extra”を試すこととなった。
色は黄色い。ハバネロにもいろいろ種類があるらしいが、もともとの色はそういう色なのかもしれない。
しかし、その黄色い色と、適度に粘度のあるソースのせいで、なんとなく「からし」のイメージを感じる。
そういった見た目の先入観のせいか、味にも、「からし」に近いニュアンスを感じてしまう。
おそらくは「ハバネロ」の風味はかなりダイレクトに味わうことが出来ているのだけれども、なんか、いまひとつ、どことなく、垢抜けないというか、地味でぱっとしない感が漂う。
しかし、素朴で自然な風味が好きだ、という人には合うかもしれない。
ここのソースは原材料にマンゴーが入っていて、それが味の方向性をかなり決めているように思う。辛いには辛いが、やさしくてフルーティーな味ということだと思う。
“Extra”は、辛さとしても僕としてはちょっと物足りず、味としても素朴に過ぎるということで、「うーん」という感じだったが、その「インディーズ感」は悪くない。(評価しているのかどうか、自分でもわからない)
それに、結構長持ちするので、コスパは良い。
今年になってから、やっと一番辛い”Heaven”を試すことが出来て、そっちの方がやはり良かった。

 

TABASCO Habanero Sauce
タバスコ ハバネロソース
定番の大手タバスコ、マキルヘニー社のハバネロ製品。
パッケージに描かれたHOT K.O. SAUCEというイラストがなんとなく失笑を誘う。
だが、味の完成度はとても高い。
そして、Marie Sharp’sとは逆で、辛さの効率も良い。少量でもちゃんと効いてくれる。
そしてハバネロの風味もちゃんと生きている。
理想的じゃん、と、一瞬思ったのだが、そこには大きな落とし穴があった。
原材料を見ると、マンゴピューレ、バナナピューレ、トマトペースト、パパイヤピューレ等、フルーツがかなり使われている。
そして、そのフルーツの香りがかなり強い。
それによって、味の方向性がかなり作られてしまっており、方向性が限定されてしまっている。
つまり、合う料理が非常に限られる。
合う料理にかければ、理想的なソースになるが、合わない料理には、徹底的に合わない。そして、合わない料理が結構多い。
有名ブランドなんだから、元祖タバスコと同じように、堂々と直球で、余計な野菜やフルーツを入れずに作ってくれればいいのに!!
ノーマルのタバスコでも似たような現象が起きることがあるが、使っていって、最後の方になると、ソースの固形成分が分離して瓶に貼り付き、液体の成分だけが残る。
そうなると、フルーツの成分が抜けたのか、ビネガーと唐辛子の風味だけが残り、皮肉にもかなり理想に近い味となった。
最初からこれで作ってくれたらばっちりなのに!!
惜しい。惜し過ぎる。

 

Mellow Habanero Heaven メローハバネロ ヘブン
兵庫県で作っているらしい、インディーズ感あふれるホットソースの、シリーズ最辛とされているソース。
やはりExtraよりも断然説得力がある。
自分としてはもうちょっとビネガーの風味が欲しいのが本音なんだけれど(ウェブサイトには、酸味は求めていない、という趣旨の記述がある…)、辛さは十分に味わえるし、悪くない、と言える。
だが、「素朴さ」と「なんかぱっとしない」感はやはりつきまとう。
辛いのに、やさしい味というか。良い意味で言えば。
そしてやっぱり「からし」感がある。見た目のせいだろうか。
長持ちしてくれるので、辛さを考えてもコスパはかなり良い方だし、良心的な商品設計だと言える。
自分としては本命とは言えない。でも、たまに使うくらいだったらいいかな、みたいな。
ウェブサイトによればスコヴィル値は19,000とのこと。だが辛さは十分だと感じる。
ここの製品には、他にホップの苦みを加えた”Hop in Heaven”なるものもあるらしいので、機会があれば試してみたい。が、過剰な期待はすまい。
あくまでインディーズ感や、素朴さを味わうのが、ここのソースの趣旨だと思う。
欲を言えば、こんなふうにインディーズで様々なホットソースを作ってくれる生産者さんが、日本国内にもっと増えていってくれたらいいのに、と思う。そうしたら、その中で自分に合うものが出てくるだろう。
ここ10年で「地ビール」「クラフトビール」だって日本国内にずいぶん増えた。だからホットソースだって、そうなるかもしれない。

 

瀬戸内レモン農園 レモスコRED
最近、結構いろんなお店で見かける、瀬戸内産のレモンと奥出雲産のハバネロを使ったホットソース。
小さくてかわいいし、見た目にもポップでキュートな感じがある。
さらさらした液体で、これまで挙げた他のソースにくらべて、いちばん薄い。
そして、辛さ自体もあんまり辛くない。
けれども、味はとても良い。
自分の求める、ハバネロのストレートな風味と、ビネガーの酸味、これが両方ある。
味のポイントはもちろん、商品名を見ればわかるとおり、レモンが使われていることであって、このレモンのさわやかな風味と香りが、ハバネロの「癖」を消して、唐辛子の風味が苦手な人でも抵抗なく味わえる設計になっているのだと思う。
エスニックな香りが苦手な人が多い日本人の味覚にとって、ハバネロソースを一般向けに作るための最適解は、なるほどこの「レモン」かもしれない、と思わせる。おそらくはすでにヒット商品になっているのだろうが、この「飲みやすさ」というのか「食べやすさ」は、そんなヒットを予感させる説得力にあふれている。
「さらさらの液体」で、「あんまり辛くない」、しかも「小さな瓶」なので、あっという間になくなってしまう。下手すると3日でなくなる。というか、普通は3日でなくなると思う。
だが、1本の値段は安いので、コスパが良いのか悪いのか、それは使い方によると思う。
自分は正直、レモンの風味で爽やかになり過ぎてしまっているところは気に食わない。自分はどちらかと言えば唐辛子の「癖」を味わいたい方だからだ。
けれども、あちこちで売られていて入手が容易、ハバネロの風味は確かに味わえる、ビネガーの酸味も味わえる、等、理想に近い味わいなのも確かなので、メインは無理でも「サブ」としてたまに使うなら、十分に楽しめる製品だと感じた。

 

Fynbos Habanero sauce フィンボス ハバネロソース
某コーヒー店で売られていた、南アフリカ産のホットソース。
結論から言うと、これが一番良かった。
原材料には、玉ねぎやにんにくは使われているものの、それは唐辛子の風味を邪魔するものではなく、かえってソースの風味を純粋に増している。基本的にはシンプルな作りのソースだ。
海外産のソースらしく、唐辛子の「癖」もそのまま生きているし、辛さも十分。ハバネロの突き抜けるような香りと風味が、しっかりと味わえる。
比較的粘度は高いので、一滴ずつかける、というわけにはいかず、ある程度の消費の早さ、減りの早さは感じるが、辛さの効率は良いので、コスパ的にも優秀な方だと言える。
今の自分にとっては、最大限の「正解」だ。
もしこのソースが、継続して買えるのであれば、僕はわざわざ海外からの個人輸入に手を出さなくても済むだろう。
だが、あっさり輸入が止まってしまうのではないか、という心配は、常につきまとう。
お願いだから、輸入している業者さん、継続して下さい〜。

 

皆さんにもオススメしますよ〜。
フィンボスのホットソース、美味しいよ!!

こうやって感想を書いていて、「気に入らないポイント」というのは、いくらでも具体的に書けるのに、「気に入ったもの」については「美味い」としか書けない自分に気が付きました。
だから説得力のあるオススメの言葉が書けない〜。けど、ぜひこのソースは、販売が継続していて欲しい。
そうでないと、私、困ります!!

今、ぐぐったところでは、Amazonのリンクはこれかな。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%B3-%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%B9-%E3%83%8F%E3%83%90%E3%83%8D%E3%83%AD%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9-130g%C3%972%E5%80%8B/dp/B079PC5CJ5

僕は某コーヒー店で買ったんだけどね!
あれだ、ジュピターさんですよ。
でも、ジュピターさんは、ネット販売はしてないみたいだね!

 

 

と、そんなわけで、ひとまず現時点では、まだ海外からの個人輸入には手を出さなくて良さそうな結果となったのだが、

だが状況は予断を許さない。
ご覧になってわかるとおり、日本国内におけるホットソースの販売流通は、非常に限られており、その中で、自分の好みに合うものは、とても少ない。

もっと種類が増えてほしい。
そう願うばかりだ。

 

こうして書いてきて、冒頭に書いた、かつて100円ショップで売られていた「ルイジアナハバネロソース」が、いかに優秀で、希有な製品であったかが、あらためてわかる。

もし、あれがまた国内で買えるようであれば、僕は多少値段が上がっていたとしても、喜んで買うだろう。

 

そしてお気付きだろうか。
こうしていくつものソースを試して、ここに列挙してみたが、
その中で、原材料が
「ハバネロ、ビネガー、食塩」だけ、というものは、実にひとつも無かったのである。
(アフターデス、と、レモスコREDは、ほぼそれだけと言えるが、ちょっと惜しい感じ)

「ハバネロ、酢、塩」だけのソースを作り、そしてまた、それを販売して商売をする、ということは、それほどにも難しいことなのだろうか?

実際にはそれだけで美味しいもの、ちょうどいいものを作るのは難しいことなのか?

あの100円ショップの「ルイジアナ」だけが、特別だったのか?

僕は詳しくないので、実際のところはわからないのだが、いち消費者としては、大いに疑問なのである。

以上をもって、いったんレポートを終えたいと思う。

 

 

そして、もし、良い感じのホットソースで、国内で買えるものがあったら、ぜひ教えて欲しいです。

 

 

追記:
Brother Bru-Bru’s African Hot Pepper Sauce の感想 (2020年10月26日)

追記:
ENCONA West Indian Original Hot Sauce および オリジナルデスソースの感想 (2021年5月3日)

 

8件のコメント

  1. カヨコ

    こんにちは!
    今ならAmazonで「ルイジアナホットソース」で検索、買えます。
    約10日で無事に到着しました。
    ルイジアナホットソースに勝る物はないですよね!

    • Tone Nakamine

      ありがとうございます〜。検索したら、確かに出て来ました。が、ハバネロのやつではないですね。辛さ的にどうなのかちょっと気になります。もっと気軽に手に入るようになってほしいですね。

  2. 「ホットソース好き」ワードでたどり着いて読ませていただきました!
    手前味噌ですが当社輸入の「アリゾナ ガンスリンガー」は「唐辛子・ビネガー・食塩」のみのホットソースなので、よければお試しください^^
    ハバネロではなくハラペーニョ使用なので辛さが足りないかもしれませんが…唐辛子そのものの味わいは楽しんでいただけるかと思います。

    • Tone Nakamine

      テングさん、ありがとうございます〜。ハラペーニョ、爽やかで旨味があっていいですよね〜。ぜひチェックさせていただきます!

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