副都心線が便利だ。
今日は新宿JAMさんにアイ・ドント・ノウを見にいってきました。
新宿JAMは、
僕は大好きなライヴハウス、Venueですが、
駅から遠いとたまに言われるんですが、
おかしなもので僕は新宿JAM、駅から遠いと思ったことは無いんですね。
それは単純に好きな場所だからなんだろうけど、
なんだっけ靖国通りのとこから四季の道を通るルートとかでいくと、
ぜんぜん近いわけよ実際。
でも、初めてで道知らないとちょっと間違えただけで
すごく遠く感じてしまうわけ。
なんですが、
副都心線の開通により、
その問題も解消、これで駅すぐ近く!
と思ったんですが、
副都心線は運行ミスが相次ぎ、
新宿JAMをあざわらうかのように、
最寄り駅である東新宿駅をすっとばしたりする
トラブルを起こしていたんですが(笑)
でも今日帰りに使ったけれどやっぱりこれは楽チンだ。
新宿JAMからの家路が格段にラクだ。
素晴らしい!
初めて新宿JAMに来たのはいつの頃だっただろうか。
もともと、2004年に、みねっち&はらっちとライヴをやっていたときに、
もうちょうど4年も前か。
あれから、早いものだね。
ちょうど向かいの新宿Red Clothでいっぺん演奏した。
で、紅布(RedCloth)もかなりアンダーグラウンドな匂いのするハコで、
中華で木の床の鳴りも好きだったので、印象悪くなかったんだけれど、
そしてその日清の近くの新宿という街の磁場もすごく良いものを感じて、
そんで、その向かいにJAMっていう名前のなんだか老舗らしいハコがあるのは認識していた。
そして外から見ただけで、これは相当汚いというか古いハコだなという想像はついていた。
でもいっぺん中に入ってライヴを見てしまえばね。
ここが、東京中というか日本中でいちばんの自分たちにとっての理想のライヴハウスなんだと
気付くのにそんなに時間はかからなかったわけだ。
さてそんなわけで
今日見たアイ・ドント・ノウのレコ発ライヴについての感想を、
なるべく冷静かつ辛口に書いてみるとしよう。
まずは僕はこの日は仕事が遅いので遅れていった。
この日はヤギくんのおすすめのバンドがいくつも出るので
早く行って全部見たかったのだが仕方が無い。
ひとつだけ見れたのはRebel Blueさんだ。
このバンドを見るのは実は二回目で、
前回も確か4月頃に、やはりアイ・ドント・ノウの対バンで見た。
そのときは、派手なペイントの施されたファイヤーバードを持ったギタリストがいて、
ステージングを見れば、それがかなり年季の入ったベテランロックバンドであることは
一目瞭然だった、
今ではすごく見かけなくなって貴重な、
80年代から飛び出てきたような本物のギタリスト、
そして、足元のブースターだけで、あとはJAMの古いタイプのマーシャルを
腕だけでドライヴして本物の太いギターサウンドを鳴らしてみせる、
そしてやはり80年代から飛び出てきたような本物のパンク、ロックンロール。
すごく印象的なステージが記憶に残っていた。
そして今日、ライヴハウスに入ると、
すごく趣味のいい美しく骨太な年季の入ったストラトが置かれていて、
うわーすごいいいギターだなと思ったら
そのRebel Blueさんだったというわけだ。
部分的に、Rage Agains The Machineっぽかったりもするのだけれど、
やはり、うおおこれがきっと、80年代にブルーハーツとか見たり、
そういうシーンはきっとこんなふうだったに違いないと思わせる、
本物の日本のロックの醍醐味。
そしてやはり素晴らしいギターのチャーリーさんのプレイとサウンド。
そしてステージアクション。
テクニックじゃない、たたずまいと男気。
これぞロックギタリスト。
うわ、これって、次回のAbove Da World/Straight Edgeに出演依頼しなきゃ、
と思ったら、
今日で活動休止、って、
そりゃないよお、って本気で思った。
こちら(%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88)
こちら
こちら(%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89)
調べてみたらやっぱり立派なキャリアのある人、バンドでしたね。
本物だ。
やっぱ本物のパンクだ。
そしてあれが本物のロックギタリストというものだ。
そしてアイ・ドント・ノウ。
要するにあれなんだよね。
結論から逆の順番で書いちゃうんだけれど、
新宿JAMって、
アンダーグラウンドな色だと思っていたけれど、
そのカオスとアンダーグラウンドは、
本来の昔ながらの日本のロック、
70年代や80年代の本来の日本のロックが唯一残っているという意味での、
アンダーグラウンドだったのだね。
そして、アイ・ドント・ノウは、
ずっと、00年代的な要素のバンドだと思っていたけれど、
それだけでもくくれないと思っていたら、
70年代的、80年代的な、本来自然な日本のロックバンド、
たとえば僕もわかんないけれど、
はっぴいえんどとかRCサクセションとか、
そういう日本の本来のロックにつらなるバンドなんだと認識した。
つまり、カオスなアンダーグラウンドはこそ昔にきっとあった状況そのものなのだろうと思ったんだ。
なんでもありのロックでプログレェだった時代。
アイ・ドント・ノウに関していえば、
今年の1月にやはり新宿JAMでワンマンを見事に成功させて以来、
ノリにのっていると思う。
だが、せいいっぱい厳しいことを言えば、
演奏力などで不足している面、
限界が露呈してきている面もあると思う。
アイ・ドント・ノウのヤギ君といえば、
僕はずいぶんと前から知っている。
僕が彼と初めて会ったのは、
なんと2004年の2月。
まだみねっちとすら出会う前、
うちのバンドが、バンドの形をとる、その形が定まる前の話、
Woiちゃんがベースを弾いて、ヒッチーがバンドから離脱したために、
僕がヴォーカルとギターを両方やりはじめた頃のライヴ。
を、池袋手刀で、
そこで彼の、前のバンドと共演した。
それはCalcanon Electric Solutionsというバンドだったと記憶している。
池袋手刀では、僕らも何度かライヴを行った。
あそこも、よい具合に、アンダーグラウンドなハコだ、が、
新宿JAMとくらべると、
より現代的にアンダーグラウンドだ。
新宿JAMのような奇跡的な居心地のよさはなかったように思う。
僕はそのCalcanonの演奏や音源に触れ、
彼は天才だと思った。
奇しくもその池袋手刀で演奏していた
そこをベースとして大きくなっていったバンドの代表として、
凛として時雨さんがいる、今をときめくバンドだと思うけれど、
僕はそんな凛として時雨さんよりも、ヤギくんのほうがよっぽど才能がある、
と思ったのだ。
そのヤギくんは、Calcanonの活動を終えた後、
きっと自己を見つめる時間があったのだろう、
それに彼にも、いろいろと抱えているものや、
ハンディ、とまではいかないまでも、
やっぱり抱えているものがある。
そういったものと、
きちんと向き合おうとする形で、
アイ・ドント・ノウを始動させ、
そして、急速にやはり、頭角を現してきた。
まちがいなく新宿JAMを代表するバンドであるし、
知名度は上がってきているだろう。
おそらく壁のようなものがあるとしたら、
演奏力としては、
リズム隊は強力な面もあるけれど、
やはり一流たりえはしないし、
ヤギ君のヴォーカルは個性と表現の塊ではあるけれど、
聞かせるにはあまりにも技術に不足している。
バンドとして、あくまでもB級でありアンダーグラウンドの匂いは、
きっと抜けないだろう。
でも、そんなことはたぶんどうでもいいのだ。
歩き続けていけさえ、すれば。
僕がたしか2006年の春頃に、フリマで4000円だか5000円だかで
拾ってきたゴミみたいなストラトは、
フレッシャーという国産メーカーのコピーモデルだった、
それは、結構作りはしっかりしていて良いかったのだが、
先日ヤフオクで写真を見つけて、
パンフレットだか取り扱い説明書だかに、
「若いサウンド」と書かれているのを見てしまった。
若いサウンド、70年代、
どういう意味なのか、それ、
衝撃的。
そう、アイ・ドント・ノウ、
ヤギ君が、彼のテレキャスで鳴らしているのは、
その「若いサウンド」そのものなのだ。
そしてその自由で若くてアンダーグラウンドで、
70年代かなにかのように主張する
そうか今は70年代だったんだ、
ていうかこれが本来の日本のロックの姿だったのか
そんな「若いサウンド」を
支持し応援する若者たちがいる。
僕が思ったのは、
この新宿JAMという不思議な場所、
たぶんこういう場所は全国に、京都とか関西とか、
全国に、そこはかとなく人知れずあるのだと思うが、
たとえばこういうふうに新宿JAMが、
なくなってしまったら、
日本のロックはそこで終わるのだと思う。
東京で、もはやここにしかないのかもしれない。
そして、アイ・ドント・ノウはそんなカオスな70年代であっていいのだ。
そこに属するバンドなのだとわかっただけでも収穫があった。
彼らが属するところは、僕にも関わるものだからだ。
僕らが属するところでもあるからだ。
思っていたとおり、才能は見せてもらった。
今度は、それを貫く強さを見せてもらいたい。
贅沢かな。勝手かな。
ロックの神様は、
ヤギ君たちに、若いサウンドで命を燃やしつくし燃え尽きることを
望んでいるのか。
今までアイ・ドントの音源は、
録音やプロデュースの面でライヴの魅力を伝えられていなかった。
今度の音源はかなり良くなった。
ヤギ君とアイ・ドント・ノウが、
その音楽が、運命づけられているその場所へと、
その答えへと、
たどりつき、つかみとることが
できますように。