Loudparkの感想を忘れないうちに。
行こう、と言ってくれた嫁さんに感謝。
充実した素晴らしい体験でした。
知り合いの皆さん多数行っていたと思うけれど、
会場で会えた方はごく少数。
それぞれ感想あると思いますが、
個人的な感想ゆえいろいろ見当はずれなことも書いてると思いますご容赦。
総合の感想
・やっぱ僕はメタル好きじゃない(笑)
・オヤジバンド、オヤジ世代のパワー炸裂。
近年、普通にそのへんのライヴハウスに行っても、オヤジバンドのパワーに圧倒されることが多い。今回のラウドパークでも、オヤジバンドや、オヤジ世代のパワーが炸裂していたように思う。出演者を見ても、ベテラン多いしね。
Steel Pantherはある意味、世界最強のオヤジバンドだし、話題のAnvilなんかもそうだよね。果たして、オヤジバンドの世代がいなくなったら、10年後、20年後に、こういったロックのフェスは、どういうものになっているだろうか。
・ヘヴィメタルと一言でいっても、そのスタイルはさまざまだし、なにがヘヴィメタルなのかわからない。
同様に、ロックと一言でいっても、スタイルはさまざまで、どういうのをもってロックと呼ぶのかはわからない。
ステージングひとつとっても、そうで、バンドが10あったら10通りのステージングがある。ステージの上での、立ち居振る舞いはもちろん、表情や、姿勢、MCのしゃべり方、間の取り方、指先ひとつの動きにいたるまで、それぞれのバンドならではの必然性があり、理由があり、スタイルがある。ひとつとして同じものはない。もちろんルールもない。
Steel PantherやBBABHが飛び回って演奏するのだって、Dave Mustainが不動で歌いながらリフを刻むのだって、それぞれに理由や必然性があっての表現でありスタイルだ。
Anthraxがニューヨークのバンドらしい立ち居振る舞いで雑食性のメタルをやっているからこそ、ああいうステージでの動きになる。
どれひとつとして、同じメタルはない。
ものすごい当たり前のことだけど。
ギターアンプは、目で見て確認できたのでいうと、
Blessed By A Broken Heartのリードギターの人が、5150Ⅱを使っていた他、AnthraxのScott Ianが最新のエディモデルである5150Ⅲを使用して、特有の分厚いサウンドを出していた。
Outrageと、CrossfaithさんがKrankを使用していた。Krankは重低音というのか、殴るようなパワーがあるけれど、アンサンブルの中での抜けということでいうと、重すぎて、ちょっとケースを選ぶなと思った。
Lazarus A.D.はMesa Boogieのレクチと思われるアンプだったと思う。
Arch EnemyはRandallだったみたい。
あとはガルネリアスのShuさんがケトナーだったかな。
あとは写真見ると、Dead By AprilさんはENGL使ってるね。
高崎晃さんのマーシャルはたぶん改造だろうし、アレキシ君はLee Jacksonだかのプリアンプでしょ?
それ以外はたぶんほとんどマーシャルだったと思われます。
見てないバンドはわかりません。
1日目。
Blessed By A Broken Heart
カナダのクリスチャン・メタルバンド。
まさかクリスチャンメタルが出ると思わなかったのでちょっとびっくりするとともに、個人的に楽しみにしていた。
クリスチャンメタルとはいっても、説教くさい感じは全然なく、
ジャンル的にも、いまどきのレイヴメタルというのか、イケイケミクスチャーメタルの、ただの大騒ぎバカパーティーバンドだった。
しかしヴォーカルの彼がシャツをめくると、わき腹にさりげなく、十字架と魚のタトゥーが!
これは非常に見せ方が上手かった。
思わずハレルヤ!とコールしてしまった。
ステージセットやギターなど、黄色の黒のストライプがあしらわれていて、そのへん、Stryperを意識しているのだとわかる。
そして、かなり80年代メタル的な要素が、ヴィジュアル、音ともにあり、それをいまどきのなんでもありの感覚によるレイヴメタルで、若者らしい感性でパーティーに仕上げている点は見事。
今回の大当たりのひとつ。
これはCD買おうと思う。
こちら
Steel Panther
近年、普通にそのへんのライヴハウスに行っても、オヤジバンドのパワーに圧倒されることが多い。
そういう時代というか世代なんだと思うけれど、今回のラウドパークでも、オヤジバンドや、オヤジ世代のパワーが炸裂していたように思う。出演者を見ても、ベテラン多いしね。
話題のAnvilなんかもそうだよね。
そんで、オヤジバンドは、演奏も上手いし、ステージングや人間性も成熟してるし、やっぱ強いのよね。
Steel Pantherは、その年齢も笑いのネタにしつつ、ベタベタに80sなステージで、最高でした。
演奏もギタープレイも最高、おなかいっぱい。
Death To All But Metal!!!!!
こちら
Outrage
ちょっとしか見てませんが良い感じで日本人らしいメタルだったと思う。
メタルというよりもロックとしてのダイナミズムと醍醐味を感じた。
個人的にはフライングV+Krankの音が組み合わせ的に気に入らなかった。
Firebird
Carcassの人らしいですが、ちっともCarcassとつながりません。堂々たる、なんというのか、サザンロックみたいな、古臭いスリーピースのロック、んで、ブルースハープというのかハーモニカのプレイが凄かった。ちょっと日本で聞くと似合わない。
Loudness
途中でHiroaki Tagawaさんを見るために一度抜けましたが、主要な曲はだいたい聞けました。
音が抜群に良かった。高崎晃のギターも、今更だけれどものすごいサウンドが良かった。そして、バンド全体のサウンドも良かった。ベースもすごい筋肉質に締まっているし、ドラムも全体を邪魔しないけれどパワフル。ほぼ飛び入りの参加でなぜここまで音がいいのかびっくり。全体として二日間のバンドの中でサウンドがいちばん良かったのはLoudnessだと僕は思いました。
最初の曲とか、最後の曲とか、最近の曲は、なんかもうほとんどメタルコアですか、っていう感じで、オールドファンの人は、苦手みたいで、最初の曲で離脱してしまう人もいたけれど、僕は素晴らしいと思った。見事なサウンドだった。
おなじみの曲はどれも素晴らしかった。”M.Z.A.”とか、”S.D.I.”とか、一緒に叫んできた。
やはりあらゆる意味でヘヴィメタル日本代表というようなステージング。
見れて良かった、というか、急遽参加だし、まさか皆、いきなりラウドネス見れると思っていなかったでしょう。嬉しいボーナス。
Tagawa Hiroaki
なんでも盲目のギタリストで、しかも左手を逆手に持って演奏するという独特のスタイル。ギターという楽器の違う可能性が見れそうで、楽しみにして行った。サウンドは普通だったし、ものすごい迫力があったわけではないけれど、やはり、逆手のスタイルで、スウィープなどを軽々と決めているのを見ると、すごく不思議な感じだった。そして、ソロのスタイルも、やはりちょっと独特の音使いがあった。
見れてよかったと思う。
あと、ドラマーさんが凄かった。
Dokken
ドッケンは、なんといっても、ドン・ドッケンの美声を楽しみにしていた。力まずにきれいな声で歌うタイプのシンガーは、自分としても勉強になるし、本当に楽しみにしていた。
が、ドン・ドッケンは、果たして、コンディションが悪かったのか、あるいは、不摂生により出なくなってしまったのか(たぶんそう)、まったく声が出ていなかった。往年の名曲たちも、一切、ちっとも、メロディをなぞることなく、下のラインで歌ってごまかしていた。
ショウの間にもJack Daniel’s(あるいはそれに見せかけたコーラかも)を飲んでいたし、ステージングにしても、ゆるく、自虐的なもので、誉められたものではなかった。
ネット上ではドッケンがWorst Actであるという批判がたくさん書かれているようだ。
しかし、たとえドンが声が出ていなくても、やはり往年の名曲たちは素晴らしく、とても楽しめるショウだった。
そして、Jon Levinのギタープレイはかっこよかった。
メタルギタリスト然とした姿といい、テクニック的には他にももっと良いギタリストはいたにしろ、Jon Levinはすごく光っていた。
そしてTooth And NailのときにGeorge Lynchが(予定どおり)飛び入りして盛り上がりまくったのでした。
Anthrax
こういう良い意味での雑食性のメタルは、結構好きなはずなんだけれど、あんまり楽しめなかったかな。疲れていたのもあったしね。
しかし、Bring The Noiseの演奏が始まると、さすがに、Public Enemyの大ファンの僕としては、はりきってモッシュピットに飛び込んでいってしまった。
音響はあまりよくなかったと思う。
それ以外はあまり詳しくは覚えていない。
しょせん興味の対象の外だったかも。
しかしこの日の中では、ダイヴにモッシュ、という意味では、いちばん盛り上がっていたかも。
Lynch Mob
ちょこっとしか見てません。
でも、意外と地味というか、普通にまっとうなロックバンドという印象。
Mr.Scaryもやっていたけれど、そんなに弾きまくっていない印象。
まったり楽しみました。
ARCH ENEMY
ちょっとしか見てません。
そんな感じ。
MEGADETH
素晴らしい貫禄。
比較的、他のバンドは、重低音系のギターサウンドが多い中、メガデスは特有のガキガキとしたハイ上がりのギターサウンドで、まさにそのマシナリーな音は、殺人機械のようだった。殺人ギター。
恥ずかしながらメガデスは昔それなりに聞いて、曲もすぐに忘れちゃってそれっきりだけれど、有名どころの曲もいくつか聴けたし、ムステイン様のたたずまいはひたすらかっこよかった。
JUDAS PRIEST
この日も、いくつかのバンドは、かなり前の方で見たんだけれど、プリーストはかなり最前列グループで見ることができた。押し合いへしあいだったけれど盛り上がってたらだんだん前に来ちゃって。
まさかプリーストをこんな間近で見れようとは。フェスならでは。
British Steelの完全再現ライヴ、大感激でした。
思えばBritish Steelって、当時は斬新過ぎて、ちゃんと評価されていない、今ならちゃんと皆、このアルバムの価値がわかる、だから、今このタイミングで、再現ツアーは、とても意義のあることだと、13歳のときからファンやってる僕は思う。
プリーストを見るのは個人的には二回目。2001年のリッパーの時に見て以来。
初恋のバンドなのに、それしか見てない、というのが、僕がメタルというカテゴリに興味を失っていたことを物語っている。
でもそのプリースト、しかもこのBritish Steelの再現ツアーをこんな間近で見れるなんてほんと感激。
どのバンドもそうだけれど、ステージすぐ前で見ると、アンプの生音のせいか、DVDなどで聞ける最近のへんに重い音ではなく、ちゃんとマーシャルのナチュラルな歪みのPriestサウンドが聞けた。
もう、この感激は言い表せないので書きません。
ロブもかなり声出てた。
グレンもK.K.もかっこよすぎ。
でもグレン、かなりおじいちゃん。
ヘヴィメタル、とひとことで言っても、いろんなのがある。
ていうか、ヘヴィメタルってなんだ。
British Steel、僕にとっては、ヘヴィメタルはJudas Priestだけだ。
Priest以外に、それ以降に、本当にヘヴィメタルと呼べるバンドが、いくつ、あったのか?
Panteraはヘヴィメタルと呼んでも、いいと思うけれど。
そして、Y氏と、M氏と、S氏と合流し、飲みました。
楽しかった。
二日目
DEAD BY APRIL
遅れていってちょこっとだけ見た。
シャウト担当のヴォーカル氏の他に、ギターのモヒカンの兄ちゃんが、メロディ担当で歌ってたんだけれど、見た目に反して、あまりにもきれいなすきとおった少年のような声で、笑ってしまいました。
H.E.A.T
若いからこんなことできるんだろうなと思った。90年代を自分で体験している僕らの世代だと、こんなことはもう恥ずかしくてできない。昔のTOTOみたいな、明るくてちょっとおしゃれでメロディ全開のクラシックなハードロック。
メンバーも全員、エンターテイナー精神にあふれているし、ヴォーカルは素晴らしく上手い(ちょっと太ってるけど。でも太ってるほうが歌って有利だし)。
そういった、臆面もなく、素直にやりたいことができる、けがれを知らない新しい世代の若者たちがまぶしい、と、近年いつも思うけれど、なにはともあれ楽しかった。深みが無い、とか、個性がない、とか言わないように(笑)
CROSSFAITH
話題になっていたので、気になっていた関西?の、日本のバンド。
若い世代では世界標準といえるニューレイヴ系というかレイヴメタルを、やっぱりなんか世界共通の若い世代の世界標準スタイルで演奏するバンド。
その、やはりやりたいことを素直にできてしまう若い世代、その国境にボーダーもない世界感覚に嫉妬しつつも、頼もしく思う。
が、それだけ。
若い世代の国際感覚としては、あたりまえの平均点でしかない。
世代特有の、甘えた共感以上の何かを打ち出せてるとは思わない。
良い意味で若い、悪い意味で若い、という両方があるけれど、どちらかというと悪い意味で若い、というのが目に付いてしまった。
5年後にまだ存続してたら見てみようと思う。
ていうかバンド名がどう見てもクリスチャンなんですけど、違うんですよね、たぶん。見る限りは。どうなの?
LAZARUS A.D.
事前にネットで見て、良いじゃん、と楽しみにしていたバンドのひとつ。
正統派スラッシュメタルというのか、やはりステージもストレートに激しく、速かった。モッシュピットも相当盛り上がっていた、というか暴れていた。
しかし、いまいち刺さるものが無かった。もうちょっとギターサウンドが、いろんな意味で、良いといいんだけれど。アンサンブルも少しまとまりが甘い気がした。大きいステージの経験があまり無いような感じもした。
まあ疲れていたし、あまり覚えていなかったりします。
HIBRIA
ブラジルのバンドで、PriestやMaidenのような、正統派メタルと書いてあったので、楽しみにしていたんだけれど、その宣伝文句にそもそも気をつけるべきだった。ていうかブラジルのバンドという時点ですでに予想すべきだった。
つまりは僕の苦手なジャーマンメタル系の、なんというのか、いわゆる正統派だった。
ジャーマンメタルにしろ、Brind Gardianにしろ、ストラトヴァリウスとか、なんでもいいけれど、そういうの、全部苦手なもので。ていうかそもそも僕はMaidenすらもあまり好きじゃない。だからメタル好きじゃないって言ったじゃん。
Judas Priestから影響を受けました、っていうのはいいんだけれど、Priestの、表面だけとか、一部だけを抜き出して、形式化したようなそれらを、僕自身は正統派とは呼びたくありません。ケーキからイチゴと生クリームだけ持ってくるようなもん。僕はスポンジ部分も食べたいわけ。
あえていうなら、僕はメタルじゃなくて、ロックが好きなのだし、ロックじゃなくて、スピリットが好きなのだ。泥臭い部分、苦い部分、汚い部分、そこを抜いてくれるなと思う。
ヴォーカルさんが、ものすごく良いヴォーカリストで、ものすごくきれいなハイトーンが、ものすごく伸びまくっていた。
しかし、ここまでこれみよがしにハイトーンヴォイスを強調されると、もはや暴力、ていうか、くどい。
演奏はすごく上手かったし、ネット上の評価も高かったけれど、僕としては1ミリも興味なし、でした。
とはいえものすごいヴォーカリストだった。
GALNERYUS
ちょこっとだけ見てみた。
僕は、いわゆる、メロスピといわれるジャンルであるとか、あるいは、歌謡曲っぽいクサいわざとらしいメタルは、バカにしてるわけじゃないけれど、あまり興味ない、と思っていたけれど、Galneryusをちょっと見たら、思いのほか面白かった。
こうした、歌謡曲をメタルでパワーアップしたような音楽は、日本人、または近辺のアジア人にしかできないものだと思うし、演奏も上手いし、ユニークだ。
Shuさんだっけ、彼は、自分がどんな音で何を弾きたいのかよくわかっている人だと思った。
そう思うと、やはり意義のある音楽だと思った。
HATEBREED
素晴らしかった。
なんでも、ノースウエスト航空が、ギターを全部紛失してしまったらしく、トリのSlayerにギターを借りて演奏したらしい。そんなトラブルに見舞われながらも、素晴らしいサウンドを出していた。
なんという重さ。なんという充実した重低音。満ち足りたパワーとグルーヴ。揺るがない男らしさ。
何系と呼ぶのかわからないけれど、素晴らしいメタルバンドだと思った。
こういう鋼のような信念のこもった音なら、ヘヴィメタル、と呼んでもいい。
しかし、素晴らしかったんだけれど、この後にChildren of Bodomを見たら全部吹っ飛んでしまった。
NAPALM DEATH
意外と真摯なヘヴィメタルだと思った。
疲れていたので、あまりちゃんと聞いてない。
激しすぎてちょっとついていけなかったけれど。
なんかメッセージ性も感じたし。
PAPA ROACH
ファーストアルバムを聞いたり、マイスペースで聞いたり、して、結構いいじゃん、ていうか、案外、まっとうな、良いロックバンドじゃん、と思っていたので、見るのを楽しみにしていた。
しかし、ライヴで見ると、やはり、このバンドは自分の好みではない、ということがはっきりした。
はからずも最前列バトルに巻き込まれてしまったのだけれど、Priestのときの最前列バトルよりも、ちょっとマナーというか、感じが悪く、それもよくない印象の原因。
レコード聴いて、結構いいバンドじゃないかと思っていたんだけれど、結論としては、僕はこういうのをロックとすら呼ばない。僕の人生にとってはノイズでしかない。
まあでも勉強になりました。
FAIR WARNING
嫁さんがファーストを聞いて、良い、と言っていたので、僕も聞いてみたんですが、ジャーマンものだからか、ちょっと堅苦しい感じがして、いまひとつと思ったんですが、ライヴで見ると素晴らしかったです。
いや、好みでは、やっぱり、ないんだけれど、素敵だった。
芸術家然とした風貌、雰囲気、渋いおじさまの魅力、そして渋い、とにかく渋い、そして、でっかい十字架してたり、歌詞も素敵だったり、意外と信仰に厚そうなところとか(ヨーロッパの人だし普通なんだろうけど)。
素敵でした。
CHILDREN OF BODOM
僕は恥ずかしながら、チルボド、アルバムも何も、聞いたことなかったんですが。
ヤングギターのDVDでアレキシ君がしゃべってるのを見たくらいで(笑)
ある意味、二日間でいちばん衝撃を受けました。
そして、二日間で聞いたバンドの中で、いちばん面白かったというか、退屈しなかった。
そして単純に音楽的な意味でいえばいちばん面白かったし優れていたと思う。
数年前に同様にLoudparkで来日したときの演奏は、あまりよくなかったという話だから、凄みが増した、円熟したのは、最近のことなのかも、しれないけれど。
僕は二日目はチルボドを最後に会場を後にしたので、Rob Zombieと、Slayerは見てないんだけれど。(Slayerも凄かったらしいので、ちょっと残念だけれどね)
でも、二日間で見たすべてのバンドの中で、Children Of Bodomだけが、飛びぬけていた、というよりも、まったく異次元だった。
そんで、たった一回、演奏を見ただけだけれど、僕は、地球上でアレキシ君をもっとも理解する人間のうちの一人には入ってしまったんじゃないだろうか。
おかげでさっきからYouTubeやMySpaceや歌詞を見ているよ、チルボドの。
完全に、こっちの領域だった。
これは、パーソナルな感じ方だから、話半分で聞いてもらいたいんだけれど。
最初の一音で、衝撃を受けて、彼らが演奏している間、なぜこんなにも、憎悪に満ちた、爆発するようなギターサウンドを鳴らせるのかずっと考えていた。
アレキシ君の立ち居振る舞いは、若きメタル界の帝王にふさわしいものだった。
会場の音響、サウンド、PAの環境は、あまりよくなかったにもかかわらず、アレキシ君にとってはそんなことは問題ではなかった。
彼がステージ上から放っていた波動の塊に、皆気付いていないのだろうか。
ヘヴィメタルは、昔から、ジャンルとして、たとえば保護者の方々や、真面目なクリスチャン保守派の方々から、悪魔の音楽、として、レッテルを貼られてきたけれど、実際には、ぜんぜんそんなことはないし、一部のブラックメタルの人達がどんなにぞっとするような悪魔崇拝の音楽をやったとしても、しょせんはかわいいもんだと思っている。
ていうか、本当の悪魔ちゃんはそんなんじゃない。
天才とかそういう話ではない。
僕はアレキシ君こそが本当の悪魔だと思う。
異論は受け付けない(笑)
だから彼は自分で歌う必要がある。
だから本当にChildren Of Bodomは面白かった。
楽曲は、実に美しかった。
アレキシ君には才能以上のものがある。
アレキシ君の爆発的な憎悪と破壊のギターサウンドに比べれば、メガデスの殺人ギターサウンドなんてかわいいもんだと僕は思う。
あのギターサウンドの一音一音にこめられているものが皆には見えないのか。
彼はすでにメタル界の若き暴君になりつつあると思うたぶん。
今、たとえばSlayerのが上とか思ったり、しても、
そのうち誰も勝てなくなるんじゃないか。
彼は観客にモッシュピットさえ「させなかった」。
オーディエンスが身動きできなかった理由。
彼がそれを「許可」してようやくモッシュピット、サークルピットが発生した。
神の道がそうであるように、
悪魔ちゃんにとっても、その目的とは、「道」を作り上げることだ。
それはとても時間がかかる作業だ。
しかし、アレキシ君が、その「道」を作り上げたとき、
彼にかなう者が、彼を止められる者が、ヘヴィメタル界に、果たして存在するだろうか。
そして天使ちゃんがそうであるのと同様、悪魔ちゃんも、この世界では、余所者に過ぎない。だから彼も相当がんばってきたはずだ。
その彼の本質的な孤独が、癒される時が、来るだろうか。
みんなきっと気付いていないしわからないと思う。
アレキシ君が、どうしてああいう音を鳴らしているのか、そしてどんな音を鳴らしているのか。
でもそんなアレキシ君が居るってことは、今ヘヴィメタルは、すごく面白い時期なんだよ。
だから彼はここに来たんだろうしね。
個人的には、ヒストリー見ると、チルボドがアメリカ周ったときに、たとえばAs I Lay Dyingみたいなクリスチャンデスメタルと共演したときに、音楽的にどんなぶつかりあいになったのか、とても興味がある。案外仲良かったりするのかもしれないけどさ(笑)
僕は関係ないし、知らないよ。
だって僕、ヘヴィメタルじゃないもん(笑)
この次元で彼と戦える「正義の」ヘヴィメタルバンド募集(笑)
あ、ひょっとしてダイムバッグは・・・・
でも彼に会えてよかった。
そんなアレキシ君を見ることができたことが、たぶん僕にとってこのLoudparkの最大の収穫でした。
それこそ、間近で見たPriestよりも、Loudnessよりも。
ヘヴィメタルから、はみだしてくるやつがいるとは、思わなかった。
孫子いわく、
必死になれば殺され、
生きようとすれば捕虜になり、
気が短ければ侮られ、
潔癖すぎれば辱めを受け、
情愛にとらわれすぎれば本質を見失う。
これらいわゆるサタンの誘惑に、
ひっかからないで
あるがままにまっすぐ歩けるやつ、募集。