熱が冷めないうちにというわけではないけれど、
今ちょっと、いろいろ長い文章を書いているので、
その書く勢いがあるうちに、ついでに書いてしまいたい。
日本中盛り上がっていると思うけれど、
なでしこJapan、
日本女子サッカーがワールドカップで優勝しちゃいましたね。
またちょっと憎たらしい個人的な思考を書き留めておこうと思います。
サッカーっていうのは、ちょっと特別なスポーツで、
世界中の国がいちばんに熱狂して競っているスポーツで、
よく言われるように、
集団でプレイする要素と個人でプレイする要素が両面あるし、
プレイの中で、ピッチの上で、
その国のお国柄や、国民性、社会性、そして精神性といったものが、
すごく強く表れるスポーツだと思うんですね。
で、だからこそ、世界中の国の人たちが、夢中になるし、
自分の国のチームを本気になって感情移入し応援するんだろうと思うわけです。
もうひとついうならば、
なんかこのサッカーというスポーツは、
その国の経済とか、豊かな国か、そうでないかは、
あんまり関係ない気がする。
ヨーロッパとかの先進国は、やっぱり強いけれど、
かといって、南米とか、アフリカとかもやっぱり強い。
あんまり経済格差が関係ないというか、
かえって第三世界というのかあまり豊かでない国の方が強かったり。
だからこそ、世界中の国が、豊かな国も、そうでない国も、
ひとしく対等に、夢中になって熱狂するのだろうし。
その勝敗の結果は、それこそ、ただのスポーツ以上の意味を持って、世界中にインパクトを与えるだろうと思うわけです。
経済力や、軍事力で認められるよりも、
サッカーで、ロックで、文化で、
認められたい、みたいな気がします。
ただ、女子サッカーの場合は、
少なくとも現時点では、
またちょっと違った意味があるように思います。
今回、女子サッカーは、
なんと、ワールドカップで優勝してしまったわけで。
え?
ていうか、ワールドカップで優勝?!
ワールドカップが、日本にもたらされてしまうなんて、
えええ!?
これは、あらためて、いうまでもなく、
キャプテン翼もびっくりの、
とんでもない大事件なわけですが。
それこそ、もしこれが、男子サッカーで日本が優勝とかだったら、
世界がひっくりかえってると思うわけですが。
アメリカの人たちの負け惜しみをネットで見ると、
It’s girls soccer. Who cares?
みたいな反応もありますが。
僕もまったく事情は知らないですが、
素人の意見に過ぎないことを断っておいて、
女子サッカーの場合は、
少し意味合いが違うと思うんです。
つまり、女子サッカー、
女子のスポーツに全般的に言えることかもしれませんが、
女子の世界大会というのは、
ひとつには、
社会の中でどれだけ女性が自由で元気か、
を競う大会であるという側面がある気がします。
社会の中で、女性がどれだけ自立しているか。
社会の中で、女性がどれだけ社会進出しているか。
ある意味では、その国の社会が、どれだけ成熟した社会であるか、
を競っている気がします。
男子とは状況が違うのか、
その意味では、
女子サッカーには、
それぞれの国の、経済格差が、
結構影響があるように思います。
だってきっと、貧しい国だったら、
女性はスポーツとか、あまりできないだろうから。
また、考え方が、保守的な国であれば、
女性がスポーツとかサッカーとか、するなんて、
とんでもない、
と考える人が多いだろうから。
だから、女子スポーツというか、
女子サッカーの結果は、
その国の社会が、
どれだけ自由で、
どれだけ進歩的で、
どれだけ成熟した社会であるか。
それを競っている側面があるように思うんです。
そういった場で、日本の女子代表が優勝した。
これは、すごい意味のある、
ものすごい、日本社会にとって、
すごい大きなインパクトなのだと、
なんだか今回、気づかされました。
日本の女子サッカーが、順風満帆かというと、
今回もいろいろ、言われていたように、
ぜんぜんそうではないんですよね。
国内プロリーグも、盛り上がっているとはいいがたいし、
選手たちの待遇も、あまりよくなく、
日本代表に入るような選手たちでも、
年俸は少なくて、
アルバイトをして食べているとか、
聞きましたし。
(twitter情報だから定かではないけれど)
また、決勝の相手であったアメリカと比較しても、
競技人口もはるかに少ないということでしたし、
なんかアメリカとか国をあげて社会をあげて、
今サッカーに熱を上げてるみたいだし、
アメリカの選手たち、やたらポジティヴで運動量すごいし。
だいたいが、この狭い日本で、
女子スポーツにとっては練習場の確保とかも大変そうで、
そのへん、諸外国とかと比べて、
環境や条件が、いいとは、まったく言えないだろうと、
思うんですよね、きっと。
それに、そもそもの体格差という話も、日本にはあるし。
それでも優勝した。
それも、堂々たる内容の試合で。
これは、どういうことかというと、
それだけ、日本の女性が、素晴らしいんだ、
ということだと、僕は思うんですね。
前述したように、
サッカーは、集団としての、お国柄、社会性、精神性、
が、とても強く表れるスポーツだと思うんですが、
このへんに、単純な男性と女性の性差も感じるんです。
日本の堅苦しくて生真面目な、
いわゆる村社会を基本とする精神性は、
特に男性の場合、
男性は、より群れの中での集団の中での
社会性のプレッシャーを強く受ける生き物だから、
群れの中の犬みたいにね、
この日本人としての精神性は、
どちらかというとみんなの足をしばって、
マイナスに働くことが多いと思うんですね。
でも、女性の方が、
生き物としても、立場としても、
そういった集団の中の社会性のプレッシャーから
ある程度自由に行動できる生き物だから、
どちらかというと猫みたいに、
だから女子の場合の方が、
生真面目で堅実で、和を重んじるという、
日本人特有のメンタリティが、
ピッチの上でちょうどバランスよく、
プラスに働くように思うんです。
ある意味では、
日本の社会というのは、
男性には社会の過剰なプレッシャーがかかっていて、
そのわりに、比較的女性には、
そのプレッシャーが少ないのかな、
と思わなくもありません。
その意味では、
女性の方が自由な社会だとも思うわけです。
もちろん、一概にはいえないでしょうけれど。
ときどき、
日本の女性は元気だ、
日本は、男性はなんだか元気がないけれど、
女性はとても元気だ、
そんなふうに感じることがあるけれど、
必ずしも根拠の無いことではなかったのかも、
と思います。
まあ、草食男子、肉食女子、なんて言われる時代でもありますが、
でも女性が強いのは、女性が元気なのは、
間違いなく良いことではあります。
貧しい社会において、
女性が抑圧されたり、搾取されたり、
するよりは、よほどか、幸せな社会です。
あたりまえですが。
性差や社会構造のことはここで置いておいて、
競技人口や、競技環境など、
必ずしも恵まれているとはいえない環境をはねのけて
見事優勝したなでしこジャパンに話を戻すに、
たとえば日本の社会は、
欧米にくらべたら、
まだまだ、未成熟かもしれない。
日本の女性は、
欧米に比べたら、社会の中で、
まだまだ自由ではないかもしれない。
(しかし、女性たちが、ワールドカップを最低限、戦えるだけの自由は、日本社会にはあるのです)
しかし、その、未成熟でない、必ずしも恵まれていない状況の中でも、
世界のトップと戦って、頂点に立つくらいの力を、彼女たちは持っていた。
それはすなわち、
他のなんでもなく、
日本の女性は、それだけ素晴らしいのだ、
という、
そのことに尽きると、僕は思います。
僕は男性だから、勝手にそう思うのかもしれませんが、
今回、このアメリカとの決勝戦を見ていて、
日本の女性は、なんて強いんだ、と、幾度も思いました。
二度もリードされて、二度とも追いつき、最後には勝ってしまうなんて。
日本の女性の、粘りというのか、底力というのか、
あのメンタルの強さは、
男子には見られないというか、
日本女性は、なんてメンタルが強いんだ、と。
的外れかもしれませんが、
思わずこの国の歴史に思いをはせました。
たとえば、第二次大戦後の焼け野原から、
それにもかかわらず、生き延び、子を育て、
復興していった日本。
たとえば、戦国時代とかだって、そうかもしれませんが、
それを支えたのは、間違いなく、この日本の女性の、
とてつもないメンタルの強さなんだな、と、
なんとなく感じました。
それこそ、男性である僕には、言葉では説明できないくらいに。
しかし、必ずしも恵まれない状況の中で、最高の結果をつかんだ、女子サッカー。
日本の社会の中では、きっと、アウトサイダーであっただろうと思うわけです。
きっと、それなりに豊かな社会とはいっても、きっと日本の場合は、「女がサッカーやるなんて?」というような意見が、まだ多いかもしれません。
僕たちの身の回りの女性たちも、そういった息苦しさの中で、もがいてがんばっているかもしれない。
どうにも、個人的意見として、日本人で、国際的に評価されたり通用する人たちというのは、分野を問わず、アウトサイダーであることが多いような印象があります。抑圧の強い社会で生まれたものは、その抑圧を乗り越えたとき、たぶん普通以上に個人の力を発揮するからでしょう。
そして、逆に、そもそものところをいえば、女性というのは、この男性社会において、いつだって、アウトサイダーであったのかもしれません。
日本女性の、この強さというのは、そのアウトサイダーの強さであったかもしれない。
しかし、そのアウトサイダーであることも含め、日本の女性は、本当に強くてしなやかで、素晴らしい資質を持った人たちなのだ、と、
そのことに変わりはないと、僕は思います。
ひいきめの意見であると思います。
僕自身、社会の中で堂々たるアウトサイダー(笑)であり、また、恵まれないない環境(というほどでもありませんが)で、国際的に挑戦しながら、それだけでは食べられずに苦労している身分ですから(笑)
その彼女たちに自分を重ね合わせての、贔屓目な意見だとは思います。
どうにも、僕は、もともと、愛国心が、ある方かといわれれば、
そうでもないというか、
いや、逆に愛情が強いぶん、
複雑な感情を持って生きてきたのだと思っていますが、
どうにも、なぜだか、
震災以来、なんだか逆にこの国のことを好きになっていく自分がいます。
とにもかくにも、今回のなでしこJapanの勝利で、
僕の中には、
日本の女性というのは、凄いんだ、
という、その事実のみが、焼きつきました。
よくよく考えれば、
ていうか、当然ですが、
今、となりに居る、うちの嫁さんも、
その「凄い」日本女性の、一員であるわけです。
その素晴らしい日本女性である彼女に、
自分も支えてもらっているのだな、と思い、
なんとなく尊敬の目で、ちょっと見る目が変わったり(笑)
この人は、世界最強の、日本女性の一人なんだなあ、と、
ちょっとこれから、そう思って接しようと思います(笑)