3月26日にmixiとfacebookに書いて、こっちにアップしていなかったもの。
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本当にこんな日が、本当に来るとは、
夢には思っていたけれど、
本当に来るとは思っていなかった、
わけじゃないけれど、
夢みたいなわけです。
ああそうだね、
あのバンドも、このアーティストも、
嫁さんと二人で、
一緒に見たね、って言っていて、
でも、熊谷幸子さんだけは、
一緒に見たことがないね、
二人にとってとても大事なアーティストなのにね、
って言っていて。
(当時、学生だったし、二人とも。僕は、何度か見れたけれど、
嫁さんは、当時、見ることができなかった)
あの1990年代の後半、
そうね半ばから後半にかけてといっていいのか、
僕らが熊谷幸子を知ってから、
Bahia、You&I、そしてS.K.、
そうこうするうちに、最後のシングル、
あれらの時代は、
たとえばさ、
これも、ここ最近、復活コンサートを何度かやっている
Suedeなんかにもいえることだけれど、
(ネットで映像見てるだけで十分泣けたり)
これらの熊谷幸子さんの音楽を聴くということは、
二人の人生を、ふつうに、振り返るということなのね、
それも、どちらかというと、苦しかった時期を。
それは、なんというか、二人がどうして一緒に生きることにしたか、とか、
そういう、人生の原点の、自分たちのいちばん大事なものをあらためて確認する作業であって。
そう思うと、音楽ってすごいな、と思うんだけれどね。
数年前に、バート・バカラックの来日のコンサートのとき、
会場は、年齢層は、もちろん、高めだったんだけれど、
皆さん、そうね、いろいろな、人生の思い出があるのだろうね、
会場は、どこもかしこも、すすりなく声でいっぱいでね。
それと同じでさ。
そういうことだろうと思うんだな、音楽って。人生って。
最後のコンサート、最後のシングル
(テレビ版スペシャルの「タッチ」の主題歌と挿入歌であった曲)
から、13年、なのかな。
アルバムでいうと14年ぶり。
こうして、ついに二人で見ることができたんだよね。
熊谷さんのコンサートを。
幸福なファンの一人として。
会場の目黒Blues Alley Tokyoは、
立ち見も出る満員だったけれど、
今回の復帰コンサートに、行きたくても行けないファンの方も、
全国にたくさん居られたと思う。
そう思うと、僕らは、かなり幸せな方ではないかと、素直にそう思い感謝する。
繰り返しになるけどね、
僕は、あれね、熊谷幸子さんのファンサイトってやつを、
インターネットでやっていてね、以前。
そのホームページの管理人として、
いろんなこともあったわけだ。
そこでも、書いていたんだけれど、個人的な話を。
1995年ね。
僕らは、高校生だった。
僕は、ロック少年だったけれど、
ユーミン、荒井由実の大ファンでね。
Led Zeppelin以上に、荒井由実に衝撃を受けていた。
そこに、うちの嫁さんが、
「熊谷幸子いいよ」
って来たわけだ。
で、聴いてみたら、荒井由実と、とても世界観が似ていて、
これがすごく良かった。
もちろん、そのときは、
ユーミンと熊谷幸子さんが、
いわゆる「師弟関係」みたいな立ち位置にあることや、
プロデュースも松任谷正隆氏だしね、
そういうことは、知らずに、
後からわかっていったわけね。
自分のようなファンからしてみれば、
熊谷幸子さんは、
ユーミン、特に初期の荒井由実の感性をアップデートして引き継ぐ、
正統な後継者のように思われたし、
もっと言うと、ポップになりすぎない、音楽性の濃さを持った、
ユーミンのコアなバージョン、くらいに思っていた。
そして、なにより、
その音楽性の高度さに魅せられて、
聞き込んでいくうちに、
熊谷幸子さんの音楽は、
僕たちの未来を、指し示しているかのように、
僕と嫁さんが、生きるべき人生の目標を、
奏でているように、
そんなふうに思えた。
僕にとっては、熊谷幸子さんの音楽は、
うちの嫁さんが、運んできてくれたものなわけだしね。
出会いを象徴しているんだよね。
それが、真実だったにせよ、錯覚だったにせよ、
事実としては、
それから16年以上が経過した今でも、
僕は、今では嫁さんである、その子と、
いまだに一緒にいるわけだ。
で、それでいろいろと人生の計画が狂って、
僕はもちっとまともな大人になるはずが、
音楽しか手元に残らず、
結果いまだにバンドやってたり、曲作ってたりする、
それは、オマケだけれど。
でも、音楽をやってたからこそ、
クリスチャンになれたしね。
そんなだから、
熊谷幸子さんのコンサートを、
こうして二人で見ることは、
二人の愛情や、幸せを、
二人の旅路とか人生とか、
確かめることに他ならず。
結局、僕が、現代日本に生まれて、
90年代に青春やって、
その中で、出会い、触れた、
最高の音楽であるわけね、
熊谷幸子というアーティストは。
日本酒が飲めることと、
熊谷幸子が聴けたこと、
これだな、日本に生まれてよかった事は。
個人的にはね。
もう、見れるとは思っていなかった熊谷幸子さんのコンサート。
個人的には、
嫁さんが待望していた、
昨年の、Stryperの22年ぶりの来日から、
そして、今年に入り、
これも奇しくも1998年のアルバム以来、
1999年の活動停止以来、13年ぶりとなる、
Van Halenの復活アルバム、そしてツアー、
など、奇跡かと思うような事が続く中で、
さらに熊谷幸子さんの復活という、
なんという奇跡の連続のシンクロニシティかと、
だから、この一連の流れは、
とても偶然とは思えず、
ここまで歩いてきた僕らの道のりとともに、
信じていたものは、
必ず続いていくのだという、
なんかある種、一種のそういう確信のような、
ひとつの歩いてきた人生の答えのような。
それもひとつの信仰かもしれないけれど。
で、今日のコンサート。
13年前も、十分に貫禄を放っていた熊谷さん、
予想以上に、堂々たるお母ちゃんの貫禄を伴って。
でも、それは、やっぱり、熊谷幸子を知るファンにとっては、
こうでなくっちゃ、と、なんだか頼もしく、
ていうかもうぶっちゃけいうと冷静に感想なんて書いてられないわけだけれど、
前半のピアノ弾き語り、
ピアノ一台によるシンプルな弾き語りにもかかわらず、
CDのアレンジをすべて違和感なく再現できてしまう
そのオーケストレーションというのかなんというのか、
そして、親しみやすいメロディの後ろ側で、
絶え間なく宙返りを繰り返しているような
複雑なコードチェンジの連続、
鍵盤の上で音を紡ぐ作曲家としての、
熊谷幸子さんの凄さが、
よく表れていたと思います。
歌声は、特に前半は固かったし、
年齢も感じたけれど、
でも、やっぱり熊谷さんは熊谷さんだった。
そして、作曲家として、
「鍵盤が難しく、弾き語りができないような曲」
そして、
「自分のヴォーカル力を越えた楽曲をついつい作ってしまう」
これは、ほんとに、他人事と思えず。
「でも、今日のライヴで、その難しい2曲を演奏することを自らに課した」
という、
なんか、自分のことのような(笑)
そして、CODAMA through、
そう、この2012年になって、
熊谷幸子さんの、新曲が、聴けるなんて。
このCODAMA through名義の、新曲が、2曲、披露され、
音源も販売された、
まだちゃんと聞き込んでないけれど、
後期熊谷幸子の、ちょっとルーツっぽい民族っぽい民謡っぽいところから、
きれいにその延長線上のサウンドとして、
非常に興味深く、とってもinspiringだ。
セットリストは、こんな感じだったか
1. Rhapsody In Love
2. 恋の色
3. サーカス サーカス
4. love….
5. みんな雨の中
6. 風と雲と私
ここまでピアノ弾き語り
7. You (Yama-chanさんのシーケンサー、fuuさんのガットギター)
前半終了
休憩
fuuさんゲスト演奏
1.やきいも
2.雨の街を(荒井由実カバー)
3.囚人と小鳥
4.雲の上の街
後半スタート
8. いちばん新しい友達 (fuuさんとデュエット)
デモ曲(ドレミ)の録音
沖田氏登場
9. Sem Voce
10. はつ恋 (CODAMA through)
11. m.a.k.o.t.o. (CODAMA through)
12. 君と約束した場所
13. Song For You
アンコール
14. 月夜
いきなりのRhapsody In Loveも強烈だったんだけれど、
2曲目でいきなり「恋の色」を演奏されたときには、
もうぐぐっときてしまった。
サーカスサーカスも貴重といえるレア演奏だったし、
love….は、思い入れのある曲だからとても嬉しかったし、
みんな雨の中もかなり貴重、
風と雲と私、は、ヒット曲だけれど、やっぱり勇気づけられる、
だって、みんなこの長い年月、ファンの皆さんは、僕もだけど、
この曲を聴いて、歌って、勇気づけられて歩いてきたんだから。
Youも貴重だったよね。
いちばん新しい友達も、非常にレア選曲だったし、泣けるしね、
Sem Voceも、’98年に聴いたのと大差ないアレンジで、嬉しくなったし、
ヴォーカルのレンジが広く難曲だという「君と約束した場所」、
そう、これもファンの間では人気の高い曲なんだよね、見事に歌えていましたし、
最後にSong For Youをやってくれたのも非常に嬉しかった。
あれだ、テレビ版タッチの挿入歌だったやつ。
で、アンコールに、これまた、僕らには非常に思い出深い特別な曲である、「月夜」をやってくれたのも、嬉しいサプライズだった。
とにかく、このくらいになると、
もう、これらの曲を、再びこうして、熊谷幸子さんの演奏で聴けるというだけで、
本当にどれだけ価値があるかわからない。
そして、新曲が、そこにあり、
アーティスト熊谷幸子がそこに現在進行形でいるという、
そのことが、なによりも素晴らしい。
あれだ、
もう、何を感じたとか、書けないんだけれど、
うまく伝わらないから、書かないんだけれど、
ひとつ感じたのは、
音がやってくる、その源泉。
アーティストにとって、ミュージシャンにとって、
音が、どこからやってくるのか。
そのことを、強く感じて、意識させられた。
ミュージシャンであれば、それぞれ、
その音楽が、やってくる、源泉が、
たとえば、その人や、その人たちの、
バックグラウンドであったり、
文化であったり、
人間関係であったり、
信条であったり、
世代もあれば、
影響を受けたものも、
でもそれは、やはり、人間ということであり、
その人の人生ということであって。
今の熊谷幸子でいえば、
それは、お子さんや、ご主人や、家族や、
そういったものなのかも、しれないし、
(そうそう、ファンなら当然知っていることだけど、
熊谷さんのご主人は、EMIの当時の担当ディレクターさんで、
熊谷さんが引退された後、担当したのが宇多田ヒカルで、
つまりは宇多田ヒカルを育て上げたプロデューサーというわけで
結構、それって、すごいというか、不思議というか、素敵なサクセスだよね)
その源泉、音が、やってくるその源みたいなものを、
強く感じ意識させられたコンサートであった。
音楽家のはしくれということでいえば、
僕自身にももちろん、そういった「源泉」を持っているのであって。
つまり、答えというのもは、そこにあらかじめあるのかもしれないし、
そこからどれだけ汲み取り、掘り下げることができるか、
その中から、どんな答えを見つけ出すことができるか、
音楽家とか芸術家とか言われる人々がやっているのは、
そういう作業かもしんない。
というわけで、
ギターにサインもらってきました!(笑)
やったぁ、
熊谷さん、ありがとう!!