さてThe Extreme Tour Japanについて言えば。
もうこの一年間、ずっとそれにかかりきりでやってきたわけですが。
結局のところ、最初からこれは自分の手には余るなというのはわかっていたので、
当初から、誰かもっと他にこの企画をやってくれる人はいないものか、
他にもっとこの企画をやってくれる組織や教会はいないものか、
そうやって模索していたわけですが
結局、日本で実績もないこの企画を
そうそうこの環境と状況で簡単にやってくれる人を見つけることも難しいので
そしてやはり自分自身のコミュニケーション力の不足とか力不足もあり
誰に話しても「ふーん。大変そうだね。がんばってね。」で終わってしまい
なかなか簡単に人にパスすることもできず
けれども自分なりに形にするところまでは
どうやらできてきました
というよりも自分にはそれしかできない
自分のやりかたで自分が納得するような形にすることしか
結局のところ
普段自分がやっているような
草の根でobscureな、
アンダーグラウンドというのか、
ぱっとしない場所でのぱっとしないライヴ。
そういったことしか自分にはできない。
教会べったりというわけでもなく
かといってまったくセキュラーというわけでもなく
ちょっと不思議な立ち位置の、
そういうギグしか計画できない
けれども自分なりに、
体を使って人に会って話してブッキングして、
自分が見てきたこの国とこの街とこの世界の
リアルを見据えたライヴ計画、ツアー計画にすることはできたと思う。
でも、それは本来望ましいものではなくて、
やはり本当は、もうちょっとうまく、
もうちょっとまともに計画できる人たちに、
このThe Extreme Tourをパスして任せなければいけない。
結局のところ、
計画のほぼすべての部分が、
自分一人の肩にかかってきてしまって
それは本当はよくないことで
僕一人の限界が、ツアーの限界になってしまい、
たとえば僕がコミュニケーション能力に乏しいことで
そればツアー全体にも影響してしまうし
僕がぐーたらでこうして考えを言葉で伝えることも
効率よくできない
そして年々その症状は進行していく
とにもかくにもやはり僕一人の肩では
限界があり
たとえば、
いろんな人たちに協力を求めるとか
きちんと告知して
ポスター作ってとか、
チラシ作ってとか
メディアにコンタクトしてPR活動したりとか
ほとんどできていない
でも、はっきりいって、僕はいっぱいいっぱいなので
こうして、ツアー計画を最低限の形にするだけで
すでにいっぱいいっぱいだったので
はっきりいって無理無理だったので
これは仕方ないと思う。
とにもかくにも
もう遅きに失しているかもしれないが
可能であればこれから
幾人の人たちにメッセージを投げようかと
メールを投げようかと
思っているところだ
こんな日程だ
10月1日 バンド到着(成田着)
10/4(金) 音小屋 (横浜関内)にてライブ
共演: B.D.Badge(栄光号)
(The Lacks, The Burn Ins, C.J. Lassiter, Imari Tones, B.D.Badge)
10/6(日) El Puente (西横浜)にてライブ
共演: 儀太郎
(The Lacks, The Burn Ins, C.J. Lassiter, Imari Tones, 儀太郎)
10/8(火) 中原平和公園 (川崎市中原区)にてアコースティックライブ
(The Lacks, The Burn Ins, C.J. Lassiter)
10/9(水) 横浜公園 (横浜スタジアム隣)にてライブ
(The Lacks, The Burn Ins, C.J. Lassiter, Imari Tones)
10/12(土) YUC (Yokohama Union Church)にてライブ
共演: 萩原ゆたか
(The Lacks, The Burn Ins, Imari Tones, 萩原ゆたか)
10/14(月) 伊勢佐木町クロスストリートにてライブ
共演: Yao Amoabeng (予定)
(The Lacks, The Burn Ins, Imari Tones, Yao Amoabeng)
10/18(金) Paradise Blue (福島県いわき市)にてライブ
(The Lacks, The Burn Ins, Imari Tones, その他いわき市のバンドも参加予定)
10/20(日) 石巻復興マルシェ (宮城県石巻市)にてライブ
(The Lacks, The Burn Ins, Imari Tones)
10/21(月) Onepark (宮城県石巻市)にてミニライブ&スケートボードミニ大会 (変更の可能性あり)
(The Lacks, The Burn Ins, Imari Tones)
10/23 バンド帰国(成田発)
こっから先は愚痴です。
結局のところ
アメリカと日本の環境は全然違います。
アメリカではこのThe Extreme Tour、
どこの街に言っても、バンドやスタッフたち
だいたい総勢30名くらいで移動しますが、
どこの街に行っても
その街の教会が宿泊から、食事、150本の水のペットボトル(そう契約書に書いてある)、
そしてツアーの援助の寄付金まで、
すべて面倒を見てくれます。
コンサート会場は野外の大きな公園や、学校や、広場や、
それらもすでに教会のスタッフたちによってブッキングというかセッティングされています。
でも、
日本では30名が宿泊できるような教会なんて、そうそうありません。
そもそも教会の数がまったくありません。
宿泊できたとしても、日本の教会はだいたい一泊いくらとかお金を取ります。
教会でなくて普通の家庭にホームステイをお願いするとしても
30名はおろか、そのうちの1バンドの4名だけでも
「4名もいるの?多すぎて無理!」
って言われます。
それは住宅事情が違うのと、
感覚や習慣が違うからです。
また日本の教会はアメリカみたいに大きくないので、
バンドの人たちに食事を提供したりする予算や人手の余裕は無いことが多いし、
ましてや1000ドルの寄付金なんて無茶な話です。
日本の感覚では、宿泊場所を提供するだけでも大変なのに、
宿泊の面倒を見た上で、さらに寄付金をよこせというのは、ほとんど強盗みたいなものです(笑)
いつもアメリカのクリスチャンと話すと、
「君のとこの教会は大きいの?」
とか聞くと、
「ノー、ノー。僕の行っている教会はすごく小さいよ。100人くらいしかいないんだ。」
とかそういう答えが返ってきます(笑)
たぶん僕の、日本の感覚だと、100人もいる教会は、すごく大きいというか、ほとんど巨大です。
あと日本の教会は、
特にある程度の規模のところほど、
閉鎖的になってしまうしね。
宿泊とかお願いするにしても
すごく手続きとかプロセスが
今回僕も自分の手の届く範囲でいくつかの教会に
お願いをしてみたんですが
また音楽やバンドをめぐる状況もアメリカと日本では全然違います。
バンドやってる人は知っていると思いますが、
日本ではバンドがライヴハウスで演奏しようとすると、
チケットノルマとかいって、バンドがライヴハウスに対して金銭的な負担を負います。平均して3万くらい。
今回みたいに3、4バンドでライヴを企画すると、ホールレンタル(ハコ貸し)という形になって、だいたい15万から20万くらいの費用がかかることになります。
アメリカの人たちはそれを知りません。
アメリカでは、無名のアマチュアバンドでも、バーで演奏すると、ちゃんとギャラが出たりするからです。
僕はそういう日本の音楽をめぐる状況が、あまりよくないと思うので、
なるべく、小さくても、良心的な、音楽そのものを大事にするような、
街角のライヴバーとか、小さな個人経営のクラブみたいな場所とか、
そういう場所での演奏を好んでするように、
うちのバンドはここ何年もそういう感じでやってきました。
なので、今回のThe Extreme Tourの計画にあたっても
なるべく、そういった、無駄な費用のかからない演奏の場所を選んで、
なるべく、地域に密着したオープンな形でのコンサートができるよう、
そんなブッキングをしたつもりです。
それでも、やっぱり、いくらかの費用はかかってしまいます。
アメリカの人たちにはそれがわかりません。
「なんで演奏するのに金がかかるんだ?」
という言葉が飛んできます。
今回、ずっと苦しんでいるのが、
そして、たぶん実際に彼らが来日してからも苦しむだろうけれど、
ずっと苦しんでいるのが、その板挟みです。
環境の違いからくる板挟み。
日本はアメリカと違うんだよ。
日本はアメリカと違ってすごく狭いし、
いろんなものはぜんぶちっちゃいし、
家も狭いし、
野外の演奏なんてアメリカと違って、
そのへんの公園ですぐにできる、っていうわけじゃないんだよ、って。
日本にはクリスチャンほとんど居ないんだよ、
人口のたった1%なんだよ、
って、
何度も説明してるんですけど、
たぶんわかってないんですね。彼らは。
実際に来たら驚くと思うんだけど。
なんというかアメリカ人でも、もうちょっとリベラルな人たちだったら、
もうちょっとオープンというか、感覚あるんでしょうけれど、
今回かかわっている人たちは、基本的に、典型的アメリカ人というか
アメリカが世界のすべてだと思ってるような人たちなので。
レンタカーを用意する必要がある、というと
アメリカの人たちは、
「なぜレンタカーを借りる必要があるんだ。教会の車を借りればいいじゃないか?」
と言います。
僕が見た中では、日本の多くの教会には、そもそも教会の建物自体もってないところが多いし、「教会の車」なんてものはありません。
「なんで教会で食事が出ないんだ」
とか、
「どうして寄付金がもらえないんだ」
とかね。
アメリカの人たちは
「カーウォッシュするとか、バザーするとか、寄付を募って、教会の地域のコミュニティに協力してもらえばできるだろう」
とか言いますが、
そもそも日本の社会というのは全般にコミュニケーションがそこまでないので
地域のコミュニティというものが最初から無いか、あまり機能していません。
カーウォッシュって何だよ、という感じです。
そのへんの板挟みに、ずっと苦労していて、
電話やメールで、アメリカの人たちと話していても
「なんでできないんだ」
いって言われるし。
また自分が実際にブッキングに動いて、
難しい日本の現実に直面して、
そのギャップに。
自分としては、
難しいのを承知で、
これに取り組んで、
そして、日本の難しい状況の中で、
試行錯誤しながら
なんとかベストな方法を見つけて、
計画をたてているのに、
アメリカの人たちは、
「なんでそんなにお金がかかるんだ」
とか、
「教会からの援助はないのか」
とか
で、クリスチャンだから、
こっちが「それは無理だ」
って言ってるのに
「神の助けと信仰があればできるだろう」
とか言い出すしね。
それは信仰とは違うだろ、って
言いたくなったけどね。
信仰があって信じてるからこそ
俺はこうやって
周囲に「絶対無理だ」
って言われても
今やってるんだよ
って言いたくなったけど
そんな感じで、
およそ無理な注文を
無理矢理に自分なりのやり方で
形にしようと試み
板挟みに合いながら
難しい現実に向き合って
自分一人の限界をひしひしと感じながら
計画したこのThe Extreme Tour Japan。
きっとバンドの人たちが来日したら、
さらにいろんなギャップや板挟みが
あるような気もしますが
それでも
やる価値があると信じています
だから神さんマジお願い
あなたに栄光と賛美を
このツアーで捧げることができるよう