2014年10月の日記

■…2014年10月10日 (Sat)…….Logic Pro Standard Compressor
ほらね、最近、Wavesのプラグインの宣伝がすごいわけよ。いっつもウェブ上の広告(ターゲット顧客層に入ってるんだろうね僕は)に出てきて、ついつい見ちゃうと、すごく安い!最近プラグインエフェクトってすごい安い!で、LogicProに乗り換えてはや3年?その安売りのおかげで8月にはNLSを格安でゲットし、バンドの作品作りに大活躍したわけですが、今月?今週?は、なんかヴィンテージのコンプのやつが安くて、お金もないのにそそられてしまう。なので、デモ版をダウンロードして試してみた。ここで言っておくと、プラグインエフェクトでも、コンプレッサーでも、フリーのやつでも結構いいのあるんです。それぞれに特徴があるし、それこそ、Wavesの出してるヴィンテージのモデリングのやつと比べても、わりと比較できるくらいのやつもありますね。で、それよりなにより、Logicに標準で搭載されてるコンプですよ。僕はLogicはバージョン9のままなので、バージョンXでは多少名前とか変わったみたいですが、Logicの標準のコンプレッサーは非常に優秀で、前から、あ、これすごく優秀だなあ、と思っていた。コンプの種類を選べるんですよ。オプティカルとか、VCAとか、FETとか。で、そのWavesのヴィンテージモデリングのコンプ3種類と、このLogicの標準のコンプと、3つのテストで比べてみたんですね。それは、ヴォーカルにかけた場合と、ドラム全体にかけた場合と、あとはドラムのオーバーヘッドだけでどれだけ使える音にできるか、っていうのを。そしたら、Wavesの1176の黒、青、それから2A(オプティカル)と3A(ソリッドステート、て何?)と、どれに関しても、Logic標準コンプで、ほぼ同じ音が作れた上に、3つのテストすべてで、Wavesに対してLogic標準コンプの勝ちでしたよ・・・まあ僕の判断基準なので他の人の意見は違うかもしれませんが、少なくとも僕の使い方においては・・・。ということで、前から薄々気付いていましたが、LogicProの標準搭載のコンプって、実は相当いいと思います。LogicProには不満もいっぱいありますが、このコンプについては、Logicに乗り換えてよかったと思う点のひとつでありました。

No(4297)

■…2014年10月16日 (Fri)…….Amplitube 3 vs Waves GTR3
さて作業ついでにどうでもいいギアトーク、ギタートークを書き連ね。
ついでにやけくそで書き連ね。

書きたいことはいろいろあるんですが。もうすぐ出る「ソルフェイ」のファーストアルバムのことであるとか。僕もベース一曲弾いて、ミックス手伝って、マスタリング担当したんで。これがすごく良い作品なんですよ。また追ってちゃんと書きます。

で、ギターのシュミレーターってありますね。
シュミレーターっていうか、パソコンの中でギターアンプなどをシミュレートするソフトっていうかアプリケーションっていうかプラグインみたいなの。
僕は2012年以来、Amplitubeを使っています。IK Multimediaの。
IK Multimediaはイタリアの会社だと思いますが、僕は初代のT-Racksをずいぶん昔に使って以来、結構すきなブランドです。
Ampitubeも、iPhone版とかギタリストの皆さんは持っていたりして、とてもポピュラーなアプリケーションになっていると思います。
実際Amplitubeは音もかなり良く、僕もイマリトーンズの作品では、”Heroes EP”にて実験的に使って、かなりの良い結果が出ましたし(でも今年作った作品”Revive The World”ではちゃんとスタジオでアンプ鳴らしてマイクで録りましたが)、ソルフェイのレコーディングに関しても、当初Native Instruments社のGuitar Rigを使っていたところに「Amplitubeの方がいいんじゃない」ってアドバイスしたくらいです。

そんなギターシュミレーションのソフトなんですが、
Amplitubeの他には、有名どころっていうと、
そのNative Instruments社のGuitar Rigっていうやつ。
そしてプラグインエフェクトの老舗Waves社が出しているGTR3っていうの。
そしてOverloudっていうところが出しているTH2っていうのがあるみたいですね。
今見るとこのOverloudっていうのもイタリアの会社のようです。

TH2っていうのも、ウェブ上の評判見ると、かなり評判良いようで、試してみたいなとは思うんですが、疲れたから、またの機会にね。

というのは、これから「熱きリョウとジーザスモード」の2nd EPの録音制作、ギター録音にやっと取り掛かるんで、その前に、ちょっと試しておこう、と。
というのは、最近、Wavesのプラグインを結構チェックしてたんで、デモ版を試せることを知っていて、じゃあこのWavesのGTR3も試してみよう、と。

たとえばNative Instruments社のGuitar Rigもすごくポピュラーなアプリケーションで、でも僕は無料版を試してみた結果、Guitar RigよりもAmplitubeの方が実力が上である、と判断したんで、Guitar Rigは使ってないんですね。
でも、ウェブ上の評判や、YouTubeに上がってる動画見ると、Guitar Rigも、フルパッケージで購入してちゃんとセッティングすれば、Amplitubeに負けない実力があるようですね。わからんけど。

で、WavesのGTRについても、あのWavesの商品ということも含め、プロフェッショナルから評価の高いアプリケーションということで、これは試してみようと思ったわけです。

そもそも熱きリョウとジーザスモードは、シンプルかつストレートなジャパニーズヘヴィメタルバンド(ジャパメタ)なんで、ギター録音なんつっても、ギターの音決めが半分くらいなわけですよ。今日も半日くらいかけて、ギターの音、全部チェックして、Amplitubeの使う音のプリセットをいくつも作っていたんです。それが実際、ギター録音作業の半分ですね。

それは、そうですね。命かけてるImari Tonesの録音制作ならともかく、サイドプロジェクトである、ジーザスモードの録音くらいは、もう面倒なのでAmplitubeでやっちゃうということですね。それはつまり、スタジオ代もかからないということです。家でできるので。でもそれは逆に、家でいろいろなセッティングを試し、また手持ちのギターをいろいろ試せるので、良い面もあるわけです。また、ジーザスモードのようなシンプルなヘヴィメタルバンドにおいては、かえって、パソコンの中で音を作った方が、下手にスタジオでマイク立てて生々しい音で録るよりも、良い結果になることが多かったりするわけです。それを狙っています。

で、Waves GTR3。
期待してましたかなり。
でも結論から言うとAmplitubeの方が上ですね。

ジャンルにもよると思います。
でもたぶん、ヘヴィメタルとかがっつり歪ませる音楽やる人にとってはAmplitubeの方がずいぶん上だと思います。

Waves GTR、確かに音太いんですよ。アナログ的な生々しい感じがあります。
けれども、なんか使い勝手が悪い。
まず使えるアンプのモデルが少ない。
これは使えねー、っていうのが、結構ある。
でも、使えるモデルは、たまにあって、それはすごくいい。
Gibsonアンプの”Sweet”とか、クランチの”OverDrive”とか、ハイゲインの”Crush”とか。それらの「使える」モデルに関しては、かなり本当にギターの美味しい音色を、リアルに拾ってくれる。
で、実際、その「使えるモデル」に関しては、GTR3の廉価版のGTR Soloに含まれてる場合が多いので、Wavesもそのへんは自覚があるというか、じゃあ廉価版のSoloを買えばいいじゃん、みたいな。(注:しかしこれには、最後に落とし穴があったのです)

でもね、なんだろう、音、太い、ウォームなんだけれど、
リアル過ぎるっていうか、真面目にモデリングし過ぎてるのか、
真面目にリアルにし過ぎて、逆に使い勝手が悪くなってしまっているというのか、
そんな感じなのね。

比較すると、Amplitubeって音がすごくクリアできれいなのよ。
まあ、逆に言えば不自然でデジタルくさいのかもしれないけれど、
でもパソコンの中で完結させて作るシミュレーターとしては、むしろ本物のように生々しくするよりも、ある程度きれいな音にする方が、あるいは正解なのかな、って。

あとはね、Waves GTR3、なんか使い勝手の自由度が、いまいち低いんですよ。
良い感じのアンプのモデルにしても、アンプ自体は良いんだけれど、それとペダルを組み合わせようとすると、なんかダメだったり、音作りの自由度がいまいち低い。
だから、クランチとかクリーンで、どんぴしゃなアンプでどんぴしゃな音が欲しいんだったら、良いと思うんだけれど、もっとメタル的にいろんな歪みを作りたいぜ、って思ったときに、あまり対応できないような。

で、ここで感じるのがAmplitubeの自由度の高さ。
そして、AmplitubeはCustom Shopっていうシステムがあって、後から自由にシステムを追加、拡張できるのね。
そこで、たくさんの、サードパーティーっていうか、有名ブランドのアンプやペダルを、追加できる。
これは、やっぱり大きい。
それらを組み合わせて、パソコンの中に「自分の音」をデザインして作り上げていけるわけだから。

たとえば僕は2012年の段階から、Amplitubeの中に、ブースター用ペダルとしてT-RexのMollerを使っているのね。
これ、すごくよくって、あるいはこのMollerが無かったら、僕はAmplitubeを使わない、使えない、ってくらい僕にとっては重要なアイテム。
まあリアルというか現実の世界には、このMollerよりもさらに気に入っているブースターがあるんだけれど、でも現実世界でも、このT-Rex Moller、使ってみてもいいかな、って思うくらい。

それから、同様にカスタムショップで見つけたアンプで気に入っているのが、Jet CityのJCA100。
これは、まあSoldanoの廉価版というか、ギタリストには既におなじみだと思うけれど、
使いやすいSoldanoというか。
でも音はすごくRawなので、僕の好みにはすごく合う。
これも実機を現実世界で使ったら、また少し意見が違うかもしれないけれど、パソコン内部でギターを弾く場合の音作りのツールとしてはとても便利。

そういうふうに、組み合わせの自由度が高いっていうのは、ギタリストにとってはすごく大きな魅力だと思う。

あとはジミヘンドリクスセットとか、Orangeアンプセットとか、ギタリストの欲求をくすぐるツボをちゃんと突いた商品をたくさん出しているのもすごい。
あとはやはり、ヘヴィメタルギタリストのニーズを分かっているというのは大きいんじゃないかな。
やっぱ大きいよ、ギタリストたちにとって、ハードロック、ヘヴィメタルっていうのは。

あとはね、ベースアンプのセットも試してみたいね。
Amplitubeのカスタムショップには、ベースアンプについても、いろいろ商品が揃ってる。
Ampegから始まって、Acoustic、Trace Elliot、Gallien Krueger、Fender、とか。
でも、これらって、見事なまでに、うちのはっしー先生が嫌いなブランドばかり。
(Acousticは、音は好きだけどハードロック向きじゃない、とのご意見)
Ampegはさすがにいけると思うんだけどね。新しいやつとかは俺も好きだし。

あとはね、ベースに関しては、Logic Pro9の標準ベースアンプシミュレーターが結構良いのよ。はっしー先生も納得してるし、俺も納得してる。まあ、ほとんど”Rock Stack”のプリセットしか使ってないけど。まあベースってライン録音することが昔から多いし、アンプ使えばいいってもんじゃないしね。

でもね、この前ソルフェイの録音のときに、同様にレコーディングを手伝ってたKくんいわく、「Logicのベーアンはよくない」って。で、よく見たら、僕はLogic Pro9をアップデートせずに使ってるけど、最新版のLogic Pro Xでは、ベーアンのシミュレーターが、ずいぶん変わってる。それが良くないのであれば、やはり俺はLogic Proはアップデートせずに使い続けるべきだということですね。

で、うちのはっしー先生が好きなベーアンといえば、Hartke。
俺もHartkeは好き。
で、そのHartkeのシミュレーションは無いのかといえば、そのWavesのGTRに含まれている。
しかも、試してみたら、かなり良いね。ちょっと低音もりもり出過ぎなくらい。
Hartkeのアンプは、廉価版のGTR soloに含まれているので、このHartkeのためだけに、GTR Soloを買ってもいいくらい。

と、思って、GTR soloを改めて見てみたんだけれど、
ここで衝撃の事実。
GTR3の中で、ハイゲインの中で僕がとても気に入った、”Crush”そして”Scorch”。
(Monsterも良かったけどね)
これ、廉価版GTR Soloに、入ってると思いきや、入ってるのは、それらの”PRSカスタムバージョン”??である”PRS Crush”そして”PRS Scorch”。

違うよ!
使えねー。
いらないよPRS!
やめてくれー

というわけで、まあ自分の中で”Waves GTR3 vs Amplitube 3″の決着はついたんですが、
廉価版のGTR Soloも、入手する動機が一気に失せた、ということで。
これらが”PRS版”のモデルじゃなければ、考えたんだけどなあ。

もうひとつついでに。
自分が昨年から愛用しております、いわくつき
HamerのVectorこと、コリーナ製のフライングVですが、

これ、1997年に作られた72本の限定モデルのうちの一本だと思っていたんですが、
さきほどインターネッツをさまよっておりましたが、
72本のうちの一本ではないことが判明!
衝撃の事実。
結構ショック。

ええそう、Hamer Fan Clubのフォーラムに書いてあったことです。

これはつまりどういうことかというと、
1997年に、Hamerはイリノイ州からコネチカット州に移転したんですが、
限定72本のコリーナVは、移転前に作られたものです。
けれども、その移転した後に、当時の日本の代理店である中尾貿易のために、
さらにコリーナVを1バッチほど、日本向けに作ったらしいんですね。
数はあまり多くなかったようですが。
おそらく20~30本くらいと想像。
その中の一本だったようです。
これはナットが黒いのと、限定ナンバーの番号の前に「中尾」ないしは「New Hartford”(あるいはNipponかも)を意味する”N”の文字が入っていることから判別できるようです。

てっきり、僕はこれは、コネチカット移転前に、イリノイで作られた最後のギターのひとつかと思っておりましたので、軽くショック。
さらには、中古ギターなので、ひょっとしたらアメリカの歴戦のミュージシャンが使っていたかも、と想像する楽しみも無くなりました(泣) (まあ、日本の著名ミュージシャンが所有していた可能性もありますが)
けれども日本向けに少数作られたものであれば、それはそれで逆にレアかもしれません。

そして、ひとつ良いことを言えば、イリノイで作られた72本と違い、この”N”シリーズのVectorには、ボディーの真ん中に「スプライン」というのか、左右のボディをしっかり接着するための溝木が入っているそうです。これはVの又のところから確認できますね。
これは、限定72本を作った後に、Jol Dantzigが、オリジナルのGibsonフライングVを見て発見したディテールだそうです。なんでも、初期?の58年フライングVにはこの「スプライン」があったとか。

まあでもそんなディテールはどうでもいいです。
そして、これがその限定72本だろうが、その後に作られたものだろうが、どっちでもいいです。

今このときに、僕のそばに居てくれさえすれば。

今この瞬間に、そしてこれから、圧倒的に良い音でバリバリ鳴ってくれさえすれば!!

(まあ、今年やったImari Tonesの録音でもばっちり結果出してくれたしね。この曲、Unlimitって曲が、ぜんぶ、このHamerです。)

今回のジーザスモードの録音でもちょこっと使います。
そして、来月11月のライヴでもきっと使うでしょう。

うなれ、HamerフライングV!!

こちら

No(4298)

■…2014年10月20日 (Tue)…….kneel down and pray
僕は一応クリスチャンだが、俺がなんでスケートボードをやっているかというと、ひざまづいて祈ることができるからだと思う。跪いて祈る(kneel down and pray)なんて、実際にやる機会はあんまし無い。けれどもスケートボードをやる時、トリックに失敗し、地面に突っ伏して「俺はなんて無力なんだ。神よ助けてくれ。」とどうしてもそうなる。運転の荒いタクシードライバーが、偉い牧師よりもたくさんの人にお祈りをさせるのと同じようなオチではある。

I’m a Christian and I skateboard. and I recommend other Christian friends to skate, too. Because, when you skateboard, you ACTUALLY kneel down and pray. Or FALL down and pray, maybe. “Oh God help me! I’m so useless!” That’s what I do every time I skate…

No(4299)

■…2014年10月24日 (Sat)…….Jesus Mode 2nd EP こくち
“Atsuki Ryo with Jesus Mode”の2nd EPの制作が進んでいる。
ちなみにまったく私告知できてませんでしたが、Atsuki Ryo with Jesus Modeは、明後日、11月26日(日)に、西横浜El Puenteにてライヴをします。
ぜひ応援に来てください。

【The Extreme Missionary vol.3】
2014/10/26 (Sun) 西横浜El Puente(相鉄線 西横浜駅より徒歩1分)
open 18:00 start 18:30
MC ¥1000+drink
Bands: Atsuki Ryo with Jesus Mode/38CaliberDeadly/Volume-8/ソルフェイ

そんなわけでジーザスモードの2枚目のEPの制作が、やっと始まっています。
実のところもうギターもベースも録り終えているので、
あとはヴォーカルを乗せるだけですが、シンガーの熱きリョウの準備もあるので、おそらく完成は年が明けてから来年になるでしょう。
そして実際にジャケットとか作ってリリースするのはもっと先なので、発表は早くて来年の半ばだろうねえ。

思えばジーザスモードの始まりとなる熱きリョウとのコラボ音源を作ったのが2011年の夏。
それがいつのまにかバンドの形となり、その音源をファーストEPとして発表したのが2012年のことでした。
ジーザスモードは、ライヴも非常に好評で、この1st EPも皆さんに好評でしたが、「次の音源はまだなの?」と言われ続け、このたびようやく、制作に取り掛かることができました。

さて制作にあたって、まあプロデュースというかセルフプロデュースなんですが、作るのはだいたい俺なんで、意気込みを語りますと。

まあ1st EPはとてもうまくいったんですね。
奇跡的なタイミングで奇跡的な組み合わせでうまくいったと思うんです。

あれは2011年、熱きリョウが、「俺もクリスチャンメタルをやるぜ!」と宣言し、突然、なんかよくわからん曲を作ってきました。
で、俺は彼の意気込みに感じ入り、そのよくわからん曲にギターを載せたわけです。
それが、ジーザスモードの1st EPになっていくわけですが、

ぶっちゃけあれは手抜きして作ってるんです。
そんなに本気で作ったものじゃない。
というのは、熱きリョウが持ってきた、打ち込みのリズムトラック、その上に、とりあえずギターを乗っけてみて、彼がソロライヴで使えるバックトラックを作ってあげよう、という意図に過ぎなかったわけです。

なので、ドラムとベースは打ち込み。
本来ならばギターはアンプを鳴らして録るべきところ、「パソコンでアンプシュミレーター使えばいいよね」って、お手軽録音。
けれども、熱きリョウの作ってきた2分にも満たないパンクのようなヘヴィメタルの曲と、チープな打ち込み音源が、絶妙にマッチし、そこに、その年、Imari Tonesのアメリカツアーも絶好調に終わった直後、割と調子の良かった自分のギターが、ネットで拾ってきた名前もわからないフリーウェアのアンプシュミレーターの、ストレートな音色で弾き倒した結果、わりとばっちり決まった音源ができてしまったわけです。

何年も何年も前に、WindowsでCubaseを走らせていた時に、そのまた何年も前にネットで拾ってきたアンプシュミレーター。そのWindowsはもうぶっこわれまして、唯一たぶんディスプレイの壊れたWin2000のノートがまだ生きていると思うので、それを立ち上げて、なんかのディスプレイにつなげて、みれば、どのアンプシュミレーターだったのか判明するかもしれませんが、
でも今にしてよく思い出すと、あれはSimulAnalogのシュミレーターだったかもしれません。GUIすらもない昔のバージョン。でもJCM900のシュミにTubeScreamerのシュミをつっこんで弾いたのは覚えています。
だとすればSimulAnalogのシュミレーターは非常に優秀なのかもしれません。

ともかくも好評な”熱きリョウとジーザスモード”。
自分にしてみたら、こういう普通にストレートなヘヴィメタルを演奏するのは、本来の自分の好みとは言えませんが、けれども、そうはいってもやはりストレートなヘヴィメタルは嫌いではないし、
やたらややこしい音楽性で、またどうしても海外向けになってしまうImari Tonesと違って、ストレートでわかりやすい音楽性で、身近な皆さんに喜んでもらえるジーザスモードは、自分にとっても良い経験で、また良いリフレッシュというか。
そして、一人のギタリストとして、素直にストレートなヘヴィメタルを弾くことで、Imari Tonesとは少し違ったストレートなギタープレイを皆さんに見せることができる、という面でも、自分にとっては良いアウトプットです。

まあ、ずっとやってると飽きるんだけどね。
だから、やすみやすみやると、良い気分転換になります。

あとは、もうジーザスモードをバンドとして初めて、早いものでそろそろ3年?になるので、最近では、バンドらしくなってきたし、あとはこのバンドは、熱きリョウもなんだけれど、ドラマーのYan氏と一緒にやれるのも意義があるし、あとはうちの嫁さんがベースを弾いている。その身内で気軽な感じが、気楽でいい。

で、うちの嫁さんも最近は少しはベーシストっぽい自覚が出て来たというか、
そして、そもそもやはりクリスチャンメタル、Stryperというつながりから始まった企画ということもあり、気が付けばこのジーザスモード、運営の実権を握っているのはうちの嫁さんという状態になっております。
つまり、うちの嫁さんがイエスといえばイエスで、うちの嫁さんがノーと言ったらダメということですね。

で、そのジーザスモードの1st EP、そんな打ち込みトラックで作った、あくまで「バックトラック」としての用途で簡易で作ったものなので、作品として納得は行っていない、というか、好評であったとしても、それは手放しで喜べるものではない。
つまりそれは、料理屋さんで、お惣菜とかレトルトを使って出したら受けちゃったということに他ならないので。同じことをまたやるわけにはいかないのです。

で、sophomoreというのか、2枚目のジンクス。
バンドらしくなり、楽曲の幅も、ライヴパフォーマンスも成長したジーザスモード。
とはいえ、今回もまた、ドラムは打ち込みなのですよ。
これは、やはり、生ドラムを録音するということが、非常に難しいということでもあります。
そして、そこはやはり、ちょっと本気を出すといっても、サイドプロジェクトの気軽さ。
そして、ベースはちゃんと弾きますが、けれども、それを弾くのは、ジーザスモードのベーシストであるうちの嫁さん、ではなく、僕が弾くんです。やっぱり。
理由はわかりますよね。

なので結局、僕が、基本的に作ったトラックの上で、熱きリョウが歌う、ということになるんですが。
でもきっと良い結果が出るはず。

1st EPと同じものは出来ないと思いますが、そこからさらに一歩進んで、より本格的に、幅も広がったものが出来るでしょう。

で、ギターはやはり面倒なのでパソコンにつないで録るんですが、
ぶっこわれたWinに入っていたSimulAnalogは使えないので、今はもう僕はMacの人になっておりますので、Macに入っているAmplitubeを使うんです。

で、今回、ギターに関して、決めていたことがふたつ。
まずひとつめは、JacksonのRandy Rhoads、いわゆるランディVを使うぞ、ということ。
僕は1990年製の日本製JacksonのRandy Vを所有していますが、
このギター、とても良いギターなんですが、わりと写真撮影用で(笑)、実際の演奏では、これまでそれほど、たまにしか使ってこなかった。
けれども、今年はずいぶん出番が多いんですね。
それは、フロイドローズにアーミングアジャスターを付けたから。
Imari Tonesでも昨年くらいからドロップDの曲をやるようになって、アーミングアジャスターとD-Tunaの付いたこのギターの出番が多くなった。それからアーミングアジャスターを付けることによって、このギターはギターとして完成したというか、音が非常に良くなったんですね。ほとんどヴィンテージ一歩手前の鳴り方をするようになった。

で、僕は本当はスルーネックのギターは好きじゃないんです。
もっとも僕が少年時代に使っていた最初のギターはJackson Soloistのスルーネックでしたが。
でも、今やっている自分の音楽性にとって、スルーネックの独特の音は、必ずしも合わない。けれども、録音では合わないと思うけれど、スルーネックはライヴでは、非常に使いやすい音が出るので、とても良いわけです。
でも、今回はひさしぶりに、スルーネックのギターをレコーディングに使ってみよう、と。
音の良くなったランディV、しかも、ジーザスモードはストレートなヘヴィメタルなので、Jacksonの音はきっと合うはずです。

そう思って、このジーザスモードのEP2では、ランディVを使う、と決めていました。

もうひとつは、これは結果論なんですが、Soldanoのアンプを使うこと。Amplitube上の話ですけどね。
Soldanoと言えば、80年代の終わり?とか、90年代の初頭に一世を風靡した、ハードロックのハイゲインな、パワフルで密度の高い音のするあのアンプ。
もちろん、本物のSoldanoなんて、高くて買えませんが、
Amplitube上に、Soldanoのシュミレーターがあるんですね。

で、僕は2012年にImari TonesでHeroesEPを制作したときにも、Amplitubeを使ったんですが、そのときには、Soldanoは使わなかった。合わなかったんですね。音が太すぎて。ひょっとしたら”Heroes”の左右どっちかで使ったかもしれませんが。で、こんな太すぎる音、どこで使うんだろう、と思っていたんですが、今回、ジーザスモードの曲で試してみたら、なんか合うんですね。

ていうか、決めていたんです。
Light In The Nightという、ジーザスモードのライヴでも好評な曲がありまして、これは実は自分が高校1年生の時に書いたストレートなメタルの曲を、いまさら持ち出してきたものなんですが(笑)
この曲が、なんだかFirehouseっぽいんですね。
で、Firehouseといえば、セカンドアルバムで、ばりばりにSoldanoの音だったよな、ということで、
Firehouseを意識したサウンドにするために、この曲はSoldanoを使ってみよう(Amplitube上で)と決めていたんです。

けれども、ギタートラックの録音が完了してみれば、5曲中4曲で、Soldanoのサウンドが採用される結果となりました。(まだわからんけどね、完成するまでは。でも、たぶんこれで決定。)
残りの1曲も、JetCityという、これもSoldano系の音なので、基本的にはJackson RandyVとSoldanoで作ったアルバム(EP)、という感じになります。

その他、HamerのKorina Vectorも使いましたし(バッキング2曲、ソロ2曲)、またBurning Fireという曲の速弾きのソロは、やはりそういった速弾きに適したギターということで、日本製Chavel Dinkyを使いました。

サウンドコンセプトはそんな感じで、往年のヘヴィメタルの文脈を押さえた、ジーザスモードらしいものになりました。

で、サウンド上のもうひとつのトピックは、ベースですね。
ひとつめのファクターは、俺。
知ってのとおり、ていうか知らないかもしれませんが、僕は今年の2月頃、急に、「よし、ベース弾こう」と思い立ち、今まではデモ制作とか、ワーシップとかお手伝いとか、必要に迫られて弾くだけだったベースを、ちゃんと練習しようと決意し、そして町田が誇るクリスチャンロックバンド、ソルフェイにベーシストとして加入するという暴挙に出ました。まあ、ソルフェイはYuta氏ががんばっていますので、僕はベーシストとしては出番が少なくなってしまいましたが、アルバムでも1曲弾いたし、普段からちょっとずつベースは練習しているんです。スリーフィンガーでの指弾き、そしてレイキングなどを駆使した速弾きも、最近ではかなりこなせるようになってきました。そんな自分が、ジーザスモードの2nd EPのベースを本気で弾きましたよ、ということで、自分のベースも、こうして役に立つ場面があるわけです。

ふたつめのファクターは、うちの嫁さんの「黒猫ベース」。
これはBacchusのフィリピン製Global SeriesのTFモデルなんですが、ご存知の人はご存知かもしれませんが、Bacchusは日本製はものすごくクオリティ高いんですが、フィリピン製もかなりクオリティ高いんです。で、買値が3万円を切っていたこのベース、「黒猫ベース」と呼ぶのは、うちにある黒猫のぬいぐるみに似ているからです。体が黒くて、顔の部分が白いんですが、黒いボディに白いピックガードのこのベースに、妙に似ているんですね。
で、このフィリピン製廉価版Bacchus、僕は、その値段にもかかわらず、ものすごいクオリティに驚いておりました。嫁さんが最初に使っていたIbanezのベース、これも2万円ちょっとだったと思いますが、Ibanezの廉価版のベースのクオリティもすごいものがありますが、このフィリピン製Bacchusは、さらに輪をかけてすごいですね。
購入した当初は、ちょっと軽めの音かなと思っていたのですが、嫁さんが愛用して弾き込んだ結果、だんだんバランスの良い音になってきました。
その結果、うわ、なにこれ、やばくない、これ、というサウンドになってきました。
もうこれは、笑うしかないです。どんな高級ベースを持ってきたらこれに勝てるんだ、という感じです。特に、この手のジャンルではね。
で、ジーザスモードのベーシストはうちの嫁さんなので、録音も、この黒猫ベースを使ってね、ということだったのですが、これは非常に強力な秘密兵器になりました。

みっつめのファクター、前に日記に書いたWavesのGTRですね。廉価版のGTR Solo。Amplitubeにくらべて、使いにくいんですが、音は太い。で、廉価版のGTR SoloにはHartkeのベースアンプのシュミレーターが付いてくる。で、そのGTR Solo、某海外のショップで、タダ同然の値段で売られているのを見つけたので、迷わず導入。まあハイゲインのモデルにはそれほど期待しないので、使いたかったのはSkylarkギターアンプと、Hartkeベースアンプだけです。(まあ、前に使えない、と書いたPRS Crush、PRS Scorchなども、きちんとキャビとマイクを選んであげたら、かなり使える音になりましけれども)
と、その導入した結果のHartkeのベースアンプの音が、非常に太い。そして重い。
Bacchus Globalの黒猫ベースと、このWaves GTRのHartkeアンプによって、えげつなくヘヴィなベースサウンドを作ることができました。これは、自分でも予想しなかったことです。

さて、そんな感じで、サウンドメイキングは順調に進んでいるジーザスモードの2nd EP。
楽曲に関しては、1st EPは全曲、熱きリョウの書いた曲を僕がギターアレンジした楽曲だったのに対して、この2nd EPは、5曲中、2曲が熱きリョウ、3曲が僕の書いた曲になります。本来、理想としては、曲作りは半々の割合でいきたいところですが、2枚目なので変化をつけるということで、それもいいでしょう。3枚目の作品では、また熱きリョウの楽曲をよりたくさん収録したいところです。1分半のヘヴィメタルなんて、俺書けないからね(笑)

1st EPのような良い意味でのチープさ、ファストさは再現できないかもしれませんが、
より本格的に、よりハードに、よりロックして、深みも幅も増した作品になるでしょう。

そして、そこからまた、3作目をつくるべく、新たに踏み出していくのが楽しみでなりません。

どうかご期待ください。

No(4300)

■…2014年10月25日 (Sun)…….Sould of Faith ソルフェイ ファーストアルバム
さて11月3日(月祝)、イマリトーンズは大久保水族館にてライヴします!(さらっと告知)
しかし同じ日、ソルフェイも町田Nutty’sにてレコ発ライヴをするのです!
めっちゃかぶってます。かぶりまくりです。

さて告知はそれだけでこれからはソルフェイについての文章です。
ソルフェイは東京は町田が誇るクリスチャンロックバンドです。
けっこう新しいバンドで、結成されてからたぶんまだ2年経過してないと思います。
リーダーのオオハラ氏は香川県出身です。

今年もいろんなことがありましたが、そしてまだまだ残り2ヶ月でいろんなことを予定していますが、
今年得た財産のひとつとして、このオオハラシンイチという男に出会えたことを挙げることができると思います。

僕は今年の春、急にベースが弾きたくなり、そこへこのソルフェイがベーシストを募集していたところ、ノリで加入してしまいました。いや、決して軽いノリではなかったんですが。

実際には、同時期にYuta氏がソルフェイに加入したので、ベースは交代制というか二人体制になっていて、Yuta氏が非常にがんばっていることもあって、最近は僕は補欠気味になっていますが、けれども夏にはベースでなくドラムを叩いたりと、スーパーサブ的な便利屋的ポジションでこのソルフェイに参加させてもらっています。

そしてそのソルフェイが、11月3日、ついにファーストアルバムをリリースします!
これは大きなことです。
俺はこのソルフェイのアルバムにて、1曲ベースを弾き、ミックスを半分くらい手伝い、そしてマスタリングを全面的に担当しました。
なのでこれは自分にとっても大切な作品です。

そして俺が名義だけ持っているレーベルKitchen Knife Recordsとしても、
このアルバムの海外への販売を、やろうと思っています。
(ていうか放置状態のレーベルをレーベル的な活動としてちゃんとやろうという次第)

なのでソルフェイとオオハラ氏について熱く語らせてください!

バンド活動していく中で、いろんなバンド、ミュージシャンと知り合い、友達になったり、共演したり、していきますが、
オオハラシンイチとソルフェイは、ある意味、これまで出会った日本のインディーズバンドの中でも、すごく共感できるバンドというか、立ち位置として、僕がそして僕らがやってきたところと、近いのです。

そして、その音楽はとても素晴らしい。
俺は、いつも言っているように「ソルフェイちょっといいな」と思ったからソルフェイに参加してベース弾こうと思ったわけじゃないんです。「ソルフェイずいぶん相当いいぞポテンシャルも相当あるぞこれは俺は力を貸さねばならぬ」と思ったから手伝うと決めたんですね。

その音楽は、なんというのだろうか、基本的には聞きやすいJ-Popの範疇にあり、ストレートなJ-Rockの文脈の中にある。パンクの影響もあり、フォークの影響も色濃く、基本的には2000年代以降の日本のギターロックの流れの中にいるけれど、80年代までの日本のロックが持っていたストレートさを受け継いでいる。そして他でもなく現代を生きる若者たちの飾らぬ今の姿でもある。

そして意外なことに、僕が日本の歴代のロックバンドでもっとも好きなバンドであるbloodthirsty butchersに、どこか感覚的に近いものを持っています。音楽的に似てる、とかじゃなくて、見た目が似てる、でもなく、根底に流れているものがなんか似てる。
それはたぶん、オオハラ氏の自身も気付いていないパーソナリティの根底から来るものだと思っています。

ちょっと会って話せばわかることだと思いますが、
オオハラ氏は、素晴らしい人間ですが、根底のぶぶんは間違いなく不器用な人間です。
彼はアルバムを作り始めた当初、「きちんと今の先端の流行している下北沢系のギターロックバンドのような売れるアルバムを作りたい」的なことを言っていたと思います。
けれども、実際にはそんなところを、(予想どおり)越えて、
70年代の日本のフォークや、80年代の日本のパンク、90年代の日本のオルタナティヴから連なる、日本のロックの歴史全体をきちんと踏まえ、その流れをくみ、受け継ぐことができるような、そんなスケールの大きなアルバムを作ってきました。

そしてそれを、「ゴスペル」、「クリスチャンロック」の文脈とメッセージの中で見事に作り上げたことに、僕は本当に拍手と、祝福、おめでとうという言葉を送りたいと思っている!!

「ソルフェイ」は、決して上手いバンドではない。
それは、オオハラのリードヴォーカルにしても、ウッディのリードギターにしても、テクニック的には抜きん出たものは一切ない。
けれども、そのロックバンドとしての佇まいは、間違いなく本物の魅力がある。本物のロックバンドだけが鳴らせるメッセージがある。

そしてその決して技術的に優れたわけではないアンサンブルの中で、今回のアルバムの中でベースのYutaが非常に大きな役割を果たしている。彼のハードロックに根ざした荒々しいプレイと太い音、ストレートに暴れるベースが、アンサンブルに必要なプラスアルファを見事に添えて、今回のソルフェイのバンドサウンドは完成した。

(俺がベースを弾いた曲も、見事にブリティッシュロックの伝統を意識したサウンドになっておるぞ!)

今回ミックスを手伝っている時にも、またマスタリングの音処理の過程においても、俺はそのソルフェイのメッセージと、ロック本来の魅力にあふれた彼らの魅力を最大限生かすように努めた。

もちろん今回、締め切りもあったのでかなり駆け足の作業ではあったが、ベストを尽くすことができたと思う。

このアルバムに関わることができてよかった。
これは日本のロックの新しい地平かもしれない。

みんなもぜひ聴いてくれ!

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