スケートボーダーとしての今年の振り返りをしたい。
それは、スケートシーンのほんのはしっこにいい年して参加した、一人のへたっぴな野良スケーターとして。
XTJ2015 (The Extreme Tour Japan 2015)で、ひとつだけ心残りだったシーンは、名古屋の路上で、ギター持ったまんまでスケートボードに乗ろうとしたとき。
もう少し上手くやりたかった。
それはつまり、仕方のないことで、
まずは言い訳をすると、フライングVはスケートボードには向かない。
こう言ってる時点ですでに文章としておかしい気がするけれど、もう一度書いてみる。
フライングVはスケートボードには向かない(笑)
なぜなら、Vの羽の部分が、右足の太ももにあたってしまって、デッキを弾く右足が不自由になってしまうから。デッキを弾いた後に、右足を上げることができない。
じゃあ、手でギターを抱え上げた姿勢でオーリーとかやろうとすると、それはそれでまた不自然なことになる。
まあ、はっきりいって、スケートボードは繊細なスポーツだし、ステージ上で、演奏の合間に、ギター持ったまんまで、それをやるとか、そもそも無茶だ。
精神的に集中できるわけがない。
ギター持たずに、演奏とかせずに、ちゃんとウォーミングアップ済ませてやるんだったら、オーリーインポッシブルだろうがトレフリップだろうが決めてやるけど、やっぱそういう状況で、ただでさえばたばたした状況でステージの上でやるとかやっぱ無理だ(笑)
ロックバンドのステージにスケートボードを導入するなとは言わないけれど、やるんだったらやっぱり、演奏する人と、スケートボードする人は分けた方がいい(笑) 演奏する人は演奏に徹した方がいい(笑)
まあ、俺もやるならやるで、やってもいいけれども、
やるんであれば、ギター持ったままでスケートボードのパフォーマンスするっていうんであれば、ちゃんとワイヤレスにして(シールドささったままでやれるわけない)、それから、フライングVじゃない、右足が自由になるストラトタイプのギターを持って、それも、ぶっこわしても構わないそれ専用のギターに持ち替えて、その上で走り回ったらいい。
そこまでする機会は、あんまし無いから、実際(笑)
そんな必要も、実際、たぶん無いし。
それに、やるんだったら、普段からギター持ったまんまでトリック決める練習を、普段からしておくべきだ。
そして、そんなことは、自宅にスケートできるガレージでも無い限り、ちょっと無理だ(笑) 恥ずかしいし(笑) スケートパークでギター持って滑るわけにいかないし。
とりま、恐ろしいことに、自分がスケートボードを、いい年して始めてから、3年が経った。
ことわざにも、石の上にも三年、いや、板の上にも三年、と言うように、
三年やればちょっとはなんとかなるんじゃないかと思っていたが、
三年が経過してみて、どうだろう。
思ったよりも出来るようになった部分も、かなりあるが、
思ったよりも全然、進歩していない部分も、たくさんある。
それは、はっきり言って、こういうことには、環境ということが、大きいと思う。
どうしても、スケートボードをやれる環境、そして、生活環境も。
そうして環境というものに、大きく左右されてしまう。
人見知りで一人で居ることが好きな(嫁さんからは「おっどさん」と呼ばれている)性格も災いしている。
逆に言えば、自閉症気味に病的にこだわって出来るようになる部分の影響で、フラットトリックが妙に器用に出来るようになってしまった点。
そして、自分が動くことは劇的に苦手だが、板を動かしてコントロールすることは結構得意という、そういう自分の性質。
これは、テクニカル系のメタルギタリストだということも大いに影響しており、このまま続けていけば、どう転んでも自分はテクニカル系のスケーターになっていくと思われる。
スケートを始めて3年目となる2015年、自分のスケート的な成果といえば、最大の成果はやはり2月に楽曲”Born To Ride”のミュージックビデオを完成させたことだと思う。
つまり、スケートボードにインスパイアされて曲を書き、それだけでなく自分自身でスケートボードをそこから始め、そしてそのミュージックビデオのために自分でスケートボードをやって映像を作ってしまうという、そこまでのことが達成できたということで、よく頑張った、というよりは、よくやるわ(笑)という感じの成果である。
こちら
今にして見返すと、カメラの前でトリックを決めることを最重視するあまり、かなりゆっくりのとろとろのスピードで転がりながら技を決めているので、そのあたりはもうちょっとスピード感とか迫力が欲しいところだが、しかし、わずか2年数ヶ月の時点で、仮にもいい大人がたまのスケートでここまでやったのだから、仕方ないと言える。
それをさしおいてもあの撮影している時に、特筆すべきだったのは自分の集中力で、やっぱり意識の違いというのは大きいのか、「絶対に決めてやるぜ」と思って臨んだせいか、普段はなかなか決まらないような技まで、あの映像の中では決まっているのだ。
そのへんは、たとえスケーターとしては未熟で下手っぴだったとしても、自分の表現者としての集中力として自己評価しても良いポイントではある。要するに、必要な時、必要な場所でそれを決めることが出来るかどうかということだ。バンドマンとしては場数はそれなりに踏んでいるっていうこともある。
今年は、新たに習得したトリックは、これまでと比べて少なかった。
新たに決まったトリックは、ほとんどハードフリップくらいで、まあもちろんそれとて、いまだに完璧とは言い難いけれども、あとは、インワードヒールが少しずつ形になってきてはいるものの、着地にはまだまだ遠いし、あとは、なんといっても、一年以上取り組んでいまだにちゃんと決まらないベリアルヒール。まあ、これもかなりきれいに板は回るようにはなっているが。
あとは、これまでに(Born To Rideの撮影より前に)習得した技を、ブラッシュアップすることに終始して、新たな大技の獲得、ってところまではいかなかった。
まあそもそも、スケートボードというのは難しいものである。
ひとつの技が、形だけ出来るようになったといっても、その技を、よりきれいに、より完璧に決めるには、もっともっと時間がかかる。
それに、俺は別にスケートボードで天下取ろうって思ってるわけじゃない。ただ、いい年して遅まきながらスケートボード始めて、ダメ人間のライセンスを取りに行ってるだけのことである。楽しめれば、それでいいのだし、基本的なトリックがひととおり出来れば、十分すぎると思っている。
だから、技の習得は、これくらいにしておいて、後は、それらをちょっとずつ磨くことに終始して、まったく間違いではない。
あとは、フラット中心にやっているところから、少しずつ、レッジ、レール、ランプ、とか、ちょっとずつ広げていけたら、それでいい。
3年が経過して、ひとつの目標というか自分の中でのマイルストーンとしての”Born To Ride”のビデオ作成も達成し、まあ、2年前に作った例の「初心者スケートボード」の動画がいまだにアクセスを集めて45,000再生とか行ってしまっているのは死ぬ程恥ずかしいし、気になってはいるのだが(汗) かといってバンドのYouTubeチャンネルに人を集めてくれる意義を考えると、削除するわけにもいかない(汗)
そんなこんなで3年たって自分のスケートへの情熱というか、モチベーションは、下がっているかといえば、若干下がってはいるものの、それでもいまだに燃え続けているので、あとは惰性で続けていければいいかなと。
もう「これを習得しなきゃ」みたいなプレッシャーからは解放されてるし、エンジョイして続けていければそれで勝利、みたいな。
もちろんその「エンジョイ」の尺度は、案外とストイックだったりするかもしれないのだけれど。ダメ人間のライセンスを取りに行っているけれど、僕の場合は生真面目すぎるところがたたってダメ人間へと向かっている傾向があるのは否めないため。
だから、3年たって、技術的にはまだまだ下手っぴだったとしても、精神的には「初心者」の時期を脱し、それは、初期の情熱が去ったとしても、冷静に着実に続けていくことが重要な時期ということ。
ただ思うのは、そんな人見知りで孤独な自分の性格がたたって、フラット重視の自閉症系テクニカルなスタイルのスケーターになってしまっているものの、それも含めて、スケートというのはその人の内面やパーソナリティを反映していて、面白いなと思う。
だから、こんな自分だけれども、そんな自分を否定することなしに、じわじわと続けていければ、そのうち、そんな自分ならではの、面白いスタイルに行き着くんじゃないかと言う気がする。
もちろん、いい年して遅まきに始めたからには、目標は高くない。
続けるだけでも奇跡だ。
ダメ人間のライセンスを立派に取りに行くこと。
そして、やっぱ目標は、いくつになるまでこれを続けられるかということだ。
そこに、どんな死に方ってことも含め、
どんな大人、どんな中年、そしてそれ以降、になっていくのか、という果てしない目標があるのみだ。
それはつまり肉体もだが内面的な意味で若さを維持できるかということでもある。肉体は歳を取ってもいいが、元気さは維持していきたい。
近年、毎年、某回転寿しで30皿を基準に食べてみるということをやっている。
それはつまり、30皿以上食べるとコスト的に回転寿司ごときに3000円以上払うのが悔しいということもあるが、ひとまず30皿食べられれば胃腸は元気だという基準にしているのだ。今年は31皿プラスデザートを食べても比較的余裕が残っていた。昨年は30皿食べて若干苦しくなっていたので、まだまだ消化能力としても下降線を辿る必要は無いということだ。
音楽をやめても、スケートボードは続けようと思っている。
まずは無事に音楽をやめることが出来るかどうか、そこが問題なのだけれど(笑)
4年目となる来年のスケートの目標は、まだ立てないでおく。
でも、そうだな、レールともうちょっと仲良くなりたいかなぁ。
やれる場所がなあ、レール。
あとは、人のいるパークでもうちょっとやれるようになりたい。
少しずつでいいから。
これは、どっちかというと生活環境の問題か。
結局そこだよね。
何はともあれ、3年がたち、こうして、たとえばちょっと近所に買い物に行く際とか、ミニクルーザーに乗ってすいっと滑っていけるわけだ。それは、それだけで、なかなかに便利でもあるし、素敵なことであるのは否定しない。
あとは、自分は慎重で臆病な性格で、だからこそ大きなセクションとか大きな技にも、なかなか挑めないことがあるが、準備運動もきちんとしたりするし。
スケートボードにせよ、肉体的なスポーツとかは、肉体の安全装置を外していく作業でもある。安全装置がブレーキをかけているところを、少しずつ修練によって、安全装置を外すことによって、それまで出来なかった動作が可能になる。
僕の場合は、その安全装置と、かなりゆっくりと向き合っているのだと思う。
だからこそ、ここまでケガをすることなく3年続けてこれたということも、地味にある。
そこは、運もあると思うが、実際、結構、感謝したい。
これからもマイペースで構わない。
元気でやらせてもらってることに、ありがとうございます。