先に書いたのとかぶってるのもあるけれど、
FBにまとめてポストしたので、それをそのまま記録。
2、3週間ぶん書きためていたギターについてのひとりごとを嫌がらせのようにまとめてポスト。
Sono1
こちら
Bacchus Duke Standardは、不肖恥ずかしながら自分の小さな経験の範囲では、今まで弾いたり試したギターの中でいちばん「全方位に死角のないギター」だ。(自分が弾いたのは2014モデルと思われ。2010年くらいのも試したことあるが。)
ヴィンテージな音も出れば、モダンな音も出る。エモーショナルなプレイもできれば、テクニカルなプレイにも対応する。クリーンも良けりゃ、ハイゲインでも良い。オイルフィニッシュの塗装は素直な音で、素直過ぎてある意味素っ気ないが、ワックスを塗って使い込めば見た目にも音にも艶を出すことができるし(たぶん)、弾き手によってどうにでも育てられる。そしてあくまでクリアでモダンなピックアップの音は、コンピューターに直接プラグインして使うような現代的な使い方においても最大の効果を発揮するだろう。
この写真のFBにポストされたモデルは、YouTubeで人気のあるフランスの小娘のシグネーチャーモデルらしいが、フランスの小娘が弾いてもそれなりに良い音がするに決まっているし、あるいはベテランの大御所が弾いたとしたらやっぱり余計に良い音がするだろう。初心者にもやさしければ、ベテランにも応える。受け皿は広く、プレイヤビリティは良いのに、かといってちゃんと使おうとすると、スペック、その仕様が、使い方として非常に難しく、プレイヤーに謎を投げかける。要するにレスポールだからといって伝統的な使い方にとらわれなければ、もっとこのギターの本質が見えてくるのだと思う。要はこの楽器の中からいかに自分の音楽を紡ぎ出すか、それだけだ。
そもそも生産本数が少ないと思われるので店頭で見かけることは少なく、しかも資本主義の原則に反して、その質から考えて価格も非常に安い。はっきり言って他のブランドの値段の高いギターのように「高級な」音はしない。けれども、楽器としての本質がなんとういか、質実剛健だ。
はっきり言って、この価格でどうしてこんな楽器が作れるのかわからない。もっとも値段が高かっとしてもどうやったらこんな全方位対応のギターが作れるのかわからないが。世の中の資本主義のシステムが嘘を付いているか、このギターが嘘を付いているか、どっちかだ。あるいは俺がすごい勘違いをしているか、世の中がすごい勘違いをしているかのどちらかだ(笑) 仮に俺がすごい勘違いをしているのだとしても、このギターが良い楽器であることに変わりはない。
YouTubeなどを通じてたくさんの人の目に触れるにちがいない、このフランスの小娘(いや、小娘呼ばわりでスミマセン。上手いし、きれいな方です。)のモデルだけれど、またオイルフィニッシュを強調した仕上がりになってるなあ。たぶんちょっとヨーロッパの市場にBuzzを巻き起こすだろう。そして国内でさらに品薄に、とか、ええ。
Sono2
さて、Victoryのビデオも完成してアップし、
またギターについてのひとりごとですが。
前に書いたOrnettsってやつを見つけて、試してみた。
90年代後半から2000年代前半にかけて存在したと思われる日本のブランド、らしい。
で、Bacchusと同じように、低価格で、品質がよく、素直なものではないか、と予想していたのだけれど、
実際に一本試してみて、それはだいたい間違いではない感じ。
HamerのStudio (Sunburst Archtop)と同タイプのモデルだったけれど、
音は素直なキャラクターで好感が持てるし、
ボディ鳴りも優秀だし、優秀なセットネックに特有(と思われる)のきゅんきゅん具合もそれなりにある。
結果、優秀なギターなんだけれども、なんかどっかやっぱ安っぽい。
これはたぶん、作りとか工作は優秀なんだろうけれども、どこかでやはり、高いモデルに比べると、コスト的に削減してしまっているということなのだろうか。木材とかかねえ。
けれども自分の実感としては、70年代とかのいわゆるジャパンヴィンテージのレスポール系と比べると、やはり時代が進んでいるぶん、こっちの方が優秀じゃないかと思った。(ジャパンヴィンテージ系も、今までに3本くらい試しただけだけど)
けれどもやはりコスパとか考えると非常に優秀だし、音は素直なので、かなり好きだし、相当に良い楽器だと言ってしまって良い感じ。でもセクシーな楽器かと聞かれたら、正直ちょっとセクシーさが足りないような。
なんでしょうね。これで3本くらい弾いてみたHamer USAに共通していた音として、太いんだけれども、ミッドに良い香りはしまくりなんだけれども、鳴りまくりなんだけれども、意外と低音がタイトでないというか、低音がばがば、というか。
それとはまた違う方向性で、単純に低音の迫力に欠ける感じ。そこからさらにミッドレンジの色気も取ったら、Ornettsになる感じかな。でも素直で優秀なことに変わりはないんだけれども。
国産Bacchusのレスポールモデルには、そこのタイトな低音が、なぜだかあるんだよね。筋肉質で、タイトに締まる。これは、なんでだか知らん。まあ音とか官能に関してはおのおのが手と脳みそと下半身で考えてもらうしかない、んでしょうね。特に下半身。これ当然。
前にも書いたように、この前弾いてみたT’s Guitarsさんのセットネックモデルも非常に良かったんですが、
あれですね、友人に本気のギタリストが居たとして、セットネックのエレクトリックを本気で勧めるとしたら、
もしある程度、高級な音を出す必要があるのであればT’s、
素の音で勝負したり自分の音を追求したいのであればBacchus、
を勧めるでしょうね。
僕の実感ではこの、線路をへだてて同地域で作られてる2社の楽器は性能的には同じくらいにどちらも良いものだったので。(値段は、Bacchusの方が半額以下ですが)
でも、世の中において、
そもそも音楽というのは人前で鳴らすもので、
人との交流や関係の中にあるものなので、
ほとんどの場合は、ある程度高級な音を出す必要があると思います。
女性が人前に出る場合、ドレスアップして化粧をするのと同様に。
だから現実的にはプロ的に活躍するギタリストの人であればT’sの方がニーズがあるのかな。
でも、そういうの関係なしに自分の音を追求したい、という人にはBacchusの方が可能性が開かれていると思います。
自分は唯我独尊的に自分の道をわがままに追求するタイプなのでBacchusがぴったり来たのだと重い升。
とまあ、でもよく考えると、BacchusのDeviserさんにはMomoseという高級ブランドがあるので、
もし僕が「人前で高級な音を出す必要がある時」にはきっとMomoseを使うんでしょうけれど。
それでも値段は他の高級ブランドよりもずいぶん安かったりして。
Sono3
FBにすらアップしないと思われる
たんなる気分を紛らわすためのひとりごとなのだけれど、
エレクトリックギターというものは因果なもので
因果というか
なかなか空しい世界で
良いギターとか、良い楽器というものがあったとしても
また、楽器を作る制作家の人が
がんばって良いギターを作ったとしても
あまり報われない
世界のように思う。
たとえば良い楽器があれば良い音楽が作れるかというと
まったくもってそうではない
まあそんなことをいってしまえば
それはエレクトリックギターに限ったことではなく
どんな楽器であれ
クラシックの厳密なところはさすがに別かもしれないが
楽器の突き詰めた良し悪しなどというものは
実際のところ
作る音楽にどれだけ関係があるかといえば
けっこう関係がないかもしれない
そもそもロックンロールなどという音楽は
けっこうジャンクなギターや
ジャンクな楽器でも鳴らせてしまう
そもそもそういうところが
ロックンロールという音楽の魅力だったりする
ではなんのために
良い音楽とか
内容のある音楽とか
良い楽器とか
良い音とかを
追求するのか
無駄ではないのか
そもそもがエレクトリックギターというもの自体
Fenderギターに代表されるように
大量生産の工業製品のようにしてボルトで止めて作ったら
案外良い感じになってしまった、というしろものだ。
そしてあたりまえだけれどみんな言っているように
エレクトリックギターというものは電気で増幅して音を鳴らすものであるから
ギターの楽器としての部分だけでなく
アンプやエフェクターや、ピックアップや、
いろいろな要素が関係するので
楽器自体が必ずしも「良いギター」でなくても
それほど関係がなかったりするのもやっぱり事実だ。
クリスチャンの人は
お茶の水に行く機会が結構あると思うが
(「お茶の水クリスチャンセンター」という施設があるので)
ちょっととあるミーティングの用事があり、
また行ってきた。
そのついてに、またいろいろ楽器店に押し掛けて
嫌がらせのように
ギターやベースを試した。
前から試してみたいと思っていた
ふじげんさんのレスポールっぽいオリジナルシェイプ、
やっと試すことができた。
滅多に見かけないやつだったけれど、やっと。
アースシェイカーのシャラさんが使っているやつと
もちろん価格も内容も違うけれど
形は同じやつ。
結果は、
やっぱり、(メタルの人が考える)レスポールカスタムの
いちばんきれいに作られたやつ、
という感じだった。
まあでもこれでだいたいわかったね。
(自分の好みではないことが)
あとはHamerの90年代と思われるStudioも試すことが出来た。
レスポール系ということで、
もうちょっと筋肉質(?)な音を予想したんだけれど
思いのほか、なんというか、
手持ちのVector Korinaとよく似ていた。
もちろん同じHamer USAなので当然といえば当然なのだけれど
やっぱりこれがHamerの音なのだろうね。
もちろん、バカ鳴りなのだけれど、
なんだろう、このStudioに関していえば、
ちょっといわゆる「俺様はグレイトなアメリカンギターだぜイェイ」という感じの音が、ちょっと鼻について、うざったかった(笑)
なんだろう、音自体は太すぎるのに、意外と鼻につくやわな高音というか。
そんなに主張されても使いづらいよ、っていう。
ちょっと音がふくらみすぎる傾向があるのか。
(なるほどEddie Van HalenはHamerを使っていないわけだ)
手持ちのKorina Vectorは、コリーナのせいなのか、Vシェイプのせいなのか、
その[鼻につく]傾向は最小限に押さえられてる感じがするので、
案外とあの若干ボディの厚いVector KorinaはHamerとしては最適解だったのかもしれない。
それはたぶん、Hamerを象徴するモデルであるStandard (エクスプローラーモデル)もおんなじ感じなのだろう。
音太すぎるから、変形ギターとかフロイドローズのっけたメタルギターくらいでちょうどいい、くらいの傾向があったのかも、Hamerって(笑)
70年代のジャパンヴィンテージもまた試すことができたけれど
素直だし、
セットネックもしっかりしているものもあるみたいだけれど
やっぱりなんだか非力だなあ。
あとやっぱりちょっと貧相というか。
出音はすごく素直で扱いやすいんだけれどね。
結局のところ、
自分はもうすでにギタープレイヤーとしての最終回答とか結論を
エレクトリックギターに関しては
現時点でひとまず出してしまっているのだけれど、
たぶん自分がもうエレクトリックギターを
(なんかしょうがないニーズとか以外で)
入手、購入することは今後そうそうないだろう、
と思うのは
単純に、マーケットつうのか市場に、
まあいってみれば世の中に
手持ちの「最終回答」(いくつかある、笑)を越えるもの、並ぶものが、
そうそう見つからない、そもそもない、
と思われるからだ。
じゃあ予算を一千万円あげるから
手持ちの「最終回答たち」を越える楽器を
探してきてください、
と言ったら、
それは結構、難儀なミッションになると思う。
なんかだんだん、
たとえばじゃあ俺が本物の59年レスポールを手に入れたら
感動するのか、落胆するのか、
わからんけど、
案外こんなもんかと落胆しそうな気がしてきた。
もちろん本音は、未知の衝撃に感動してみたいものだけれどね。
なんでもそうだけれど、
それまでの自分の枠とか概念を破壊するような出会いや体験は
やっぱり快感だし喜びだよね。
ぜひ壊してほしいものだ。
いずれにせよ
僕は今までも長いこと
安い楽器で、
安〜い楽器で、
いろいろな音楽を作ってきたけれど、
それらはみんな間違いなく「自分に合った楽器」だった。
ことロックンロールや、
エレクトリックギターについていえば
高くて高級で品質が良いけれども、自分に合わない楽器
よりも
安くて品質もそれなりだけれど、自分に合っている楽器
の方が結果は上なのだと思う。
それくらい音楽とかロックンロールには
スタイルとかパーソナリティの要素が大きいということか。
で、まあ自分たちが作る音楽にしてもそうなのだけれど、
エレクトリックギターという楽器を作る立場の人についていってみれば
そしてこのエレクトリックギターをいうものの音を追求しようという人からしてみれば
別にそんなにたいして良い楽器でなくても
良い音楽は作れてしまうし
そもそも世の中のニーズとして
そんなに良いギターとか、
必要とされてないし。
そもそも本当の意味で良いギターを作ったところで
世間はそれを理解しないし
それよりもブランドとか高級なんとかとか
そういう資本主義的な宣伝文句とか
そういうものに人々は集まるし
ていうかそもそもエレクトリックギターなんていうものは
適当に作られたボルトオンの楽器でも十分に機能するし。
そんな中で
なぜ、わざわざ、非常に非常に難しい、と僕にはどうしても思われる、
セットネックのギターで、本当に良いものを追求しようとするのか。
いろいろな意味で扱いが難しいギターだと思うのですよ。
レスポールって。
それは、やっぱり、
道、っていうことだけだと思うんだ。
ボルトオンでいいじゃん。
ストラトでいいじゃん。
コンポーネントでいいじゃん。
Jacksonでいいじゃん。
そっちのほうがよっぽど実用的じゃん。
でも、「本当に良い」レスポールを
追求しようとするのは、
やっぱなんか、そこに「道」を示したい、
っていう、
そこの部分、
そこの世界観だよね。
どんな楽器を使うか、っていうのは、
やっぱり世界観だと思うのだね。
Sono4
こちら
これって、「今までのPRSのギターじゃ楽器としても商売としても限界があるから形ちょっと変えて普通のGibsonギター作ろう」ってことでオーケー?
YouTubeのサンプルの音聴くと、確かにPRSの音なんだけれどもうちょっと「普通」になってるみたい。
楽器の設計自体は80年代前半のHamerにすごく近い (もっともコイルタップの変わりに当時のHamerはコイルを3つ並べたわけだが)。その意味では新しい要素はほとんどない。そしてアメリカ国内生産でなるべく安い製品を提供しようとするS2シリーズの売り方は90年代前半のHamerそのままだ。マーケットにおけるブランドの立ち位置もよく似ている(当時のHamerと今のPRSの状況として)。歴史は繰り返すというか繰り返す中で歴史が生まれるというか。
PRSとしてはちょっと「白旗を挙げた」みたいな製品だけれど、だからこそこれはヒット商品になるかもしれない。わからんけど。実際に、「PRSは僕向けじゃない」と思っていた僕でも、これなら使ってみてもいいかな、と感じるくらいだし。(まあ、つってもこのギター買うくらいだったらそれこそ90年代のHamer Specialとか探して買うけどね)
話は変わるけれどエレクトリックギターの形はどんどん生き物っぽくなっていく。80年代には直線的で鋭角的だったヘヴィメタル用ギターも、たとえばB.C.Richでも21世紀に入ると、形は複雑になり、また曲線の部分が増え、次第に動物みたいになっていった。他のメーカーでもそうだし、このPRSの新しいやつもなんだか鹿みたいだ。
でも生き物ということでいえば、人間の形をしたギターは既に存在していることを忘れてはいけない。そして聖書によれば人間は神の御姿に似せて作られた、と言われているのだから。
Sono5
また趣味的なギターに関するトークなんだけれども、
T’s Guitarsってブランドのやつを一本試してきた。楽器屋さんいつもすみません。
僕はもちろんDeviserさん(Bacchus、Momose等)のファンであるので、
作りの良い国産ギターってのはわりと「あり」だと思っているのだけれど、
(日本製だからクオリティ高いってのは神話に過ぎないと思うけれど)
T’s Guitarsってブランドも気になっていた次第。
作っているのは長野県塩尻市。クリスチャンの人には三浦綾子さんの小説でおなじみの地名。Deviserさんとことは、それこそ、「峠」をへだてて向こう側、という感じか。
以前、Sugi Guitarsさんとこの高いレスポール系を試したことがあったけれど、もちろん悪くなかったけれど、うん、なんというか、という感じ。
ただ間違いなく高級な音してたし、それなりに鳴ってはいたし、ライヴで対バンのしたバンドのギターさんがSugiのボルトオンのコリーナモデル弾いてるの見たことあるけど強力に鳴ってたし。いい楽器なのは間違いない。
ただセットネックのギターというのは、そんなに作るのが難しいのか。
本当の意味で「鳴る」セットネックのギターには、それこそ、自分の好きなBacchusの一部のモデル以外では、滅多にお目にかかったことはない、
(手持ちのHamer、そしてネットで見たHeritage、とか)
なんて書いても、僕のほんの小さな、ギターについて本気で考えるようになったここ2年くらいの、狭い経験の範囲なんですが。
その意味では、今日試したT’s Guitarさんのセットネックのやつは、まあArcってモデルらしいんだけれど、ずいぶん鳴っていた。
ボディ材はホンジュラスマホガニーいわゆる本マグロ、じゃなくてホンマホ、らしいので、ホンマホの「あの音」がする、「あの音」っていうのは、知らんけど、たぶん想像するに、古い録音とかFleetwood MacにおけるPeter Greenとかもそうだけれど、フルレンジで飽和してぱきーんと言っている「なんか凄みを感じる」あの音だ。
僕のBacchusはアフリカンマホガニーなので、そのあたりはちょっと違う。もう少しだけやわらかくて、ミッドに厚みのある音になる。ホンマホの「凄み」とはまた違うのだけれど、ぶっちゃけ守備範囲はこっちの方が広い気がする。どちらがいいとかは、言えない。ただ俺はヴィンテージというよりは、今の、そして「未来の」音を鳴らしたいから・・・。
ウェブで古いカタログ情報を見ると、10年くらい前まではバッカスさんでもホンジュラスマホガニーを使っていたようだ。今はたぶんMomoseの高いモデルでしか使っていないと思われる。ヤフオクとかで古いBacchusのDukeとか入手したらお得かもしれない。
けれどこのT’s GuitarsのArcはチェンバー加工されているようで、それで重さの面や鳴りの面でも、そのヴィンテージに近付けてあるのだろうと想像する。(昔と材が違うんでしょ、聞いた話では)
冒頭にSugi Guitarsのことを書いたけれど、なんかやっぱ印象としてこのT’sさんとこのArcも、Sugiさんとこのアーチトトップセットネックのやつと同じような傾向の印象を受ける。どちらも日本製のセットネックだから当然かもしれない。だが、正直、鳴りはこっち(T’s)の方がいい。俺が試したやつで、俺の印象ではそうだった。
高級っぽい音になるし、そして今っぽい実用的な音にはなる。
上から下までばっちり鳴っている。
プロが仕事の現場で使うにはこれ、って感じはめっちゃする。
だが。
この「だが」以降はうまく説明できないし言葉にできない。
でも、なんというか、「誰のために作っているのか」「何のために作っているのか」そのあたりになるんだと思う。
方向性というか、でなければ、楽器そのものが持つメッセージというのかな。
ボディ鳴りの点では初めて、DeviserさんというかBacchusの良いやつと同等の実力を持つギターに出会ったけれど、結論からいうと僕の中ではやはりBacchusの方が良いし、これは少なくとも僕向けではない。
そして、間違いなくT’sさんとこのギターは、今回試したこれは、間違いなく素晴らしいクオリティの楽器だった。
が、Deviserさんは、この半分以下、下手すると3ぶんの1以下、の価格で、これと同等、ないしはそれ以上、の仕事をしてしまう、というのも事実だ。
でも高級な音が欲しいのであればT’sやSugiさんの方が良いと思います。
(Sugiさんとの比較では、セットネック同士で比べた限りでは僕の中ではT’sさんの方が評価が上に来ました。)
Bacchusの楽器にはそういう演出はあまり無いと思われるので。
Dukeとか、どストレートだもんね。
Momoseになると少しはあるかもしらん。
そういう演出。
俺が以前からわりっとEpiphoneが嫌いじゃないのは同じ理由だと思う。
余計な演出が、基本ない。
安いゆえに。
だから実用性は高くなってしまう。
オリジナルな表現を求めてバンドやる人たちにとっては。
先日見た、Judas Priestのグレン・ティプトンが、
ギターぜんぜん弾けなくなってるにもかかわらず、
その演奏と、長年愛用しているHamerが彼を支える様子が、
感動的だったというお話は、
また後日。
若いうちは、良い楽器なんて必要ない。
でも、歳をとって弱ってきたら、
そこで初めて、良い楽器というものが必要になってくる。
んだと思うんだ。きっと。
Sono6
まとめ。
そういうわけで結構「出来の良いセットネック」愛好者になってしまったので、
気になるものがあればかたっぱしから試しているここ一年くらいです。
Hamer USAとか、
まだ現物を弾いたことのないHeritageとか、
Bacchusとか、
そういう感じの趣向ですが、
あとは国内のメーカー、ブランドでも、小規模なところも含めて、
評判の良いところは試してみたいものはいろいろある。
先日はだいなさん製のへるなんですのらめらめのやつも試してしまいましたが。
たとえばメジャーどころではPRSのシングルカットタイプもまだ試してない。
(Alter Bridgeのライヴでさんざん聴けたけども)
Hamerについてなんとなくわかったのは、
誰だったか、本だったかウェブサイトだったか、
Hamerについて
「ヴィンテージギブソンを基本にさらにステロイドを打った」
という表現を書いていた人がいたけれど、
いくつか試してみると、まさにそんな感じだなあ、と。
ただ先にも書いたけれど、
Hamer USAを3つくらい試してわかってきた弱点としては
低音が意外とタイトに鳴ってくれないこと、
あとは鳴りすぎるというか太すぎるゆえに、
音が無駄に膨らんでしまうところとか。
そのへんは「ステロイドを打った」副作用ともいうべきか。
でもその「ステロイドを打った豪腕ギター」が必要になるシチュエーションというのは、
実際にいろいろとあるだろうし、そのこともなんとなくわかるので、
それがトッププロの現場で重宝された理由も現実的に想像できる。
あとはその低音がタイトでないとか、
しょせんヴィンテージ系を基本とした音だったので、
80年代のヘヴィメタル時代に、いまいちメジャーになりきれなかったのも
あるいはそのあたりが理由かもしれない、という想像もする。
Heritageについてはこんな記事がありました。
こちら
いつか弾いてみたいものだが。
でもネットで動画を見ると、
僕の耳には、これって、BacchusやMomoseの当たりのやつと、
ほとんど同じ方向の音に聴こえるんだよね。
自分としては自分にとっての生涯の究極はもう見つけたつもりではありますが、
それを越えるものが存在するのであればぜひ出会ってみたい、
自分自身の中の概念を越えるものにぜひ触れてみたい、ということで、
そういう探求はぼちぼち続けたいと思っています。
もちろん、セットネックに限らず、
ボルトオンにはボルトオンの、
スルーネックにはスルーネックの、
用途があり使い方があり、
向き不向きがありますが、
自分は最終的にはギターに関しては、
「ちゃんとしたセットネック」に
自分のロマンを見つけてしまったようで。
でもベースはボルトオンの方がいいような気がしますが。
この、よくわからないエレクトリックギターという数奇な運命を持った楽器について、
いろいろお話につきあってくれる方がいれば、
いつかそんな人と飲みたいなと。
話は変わりますが、
この歳くらいになってやっとわかったこと。
ほとんどの人は、もっと若い頃とか小さい頃にわかるようなことだと思います。
自分は世間知らずなところが多少あり、
そういう基本的なことに気付かないまま生きていることが多い。
そして、そういう生きる上での「前提」というか「暗黙の了解」みたいなことは、誰も教えてくれない。
それは、世の中の99%くらいのものは、
「にせもの」であり、
世の中の営みの99%というのは、
その「にせもの」を、
いかに「ほんもの」に見せていくか、
というための努力であるということ。
これは、ギターに限らず、
また、バンドや音楽に限った話でもなく。
そう考えると、本当の「努力」というのは、
いったいどういうものなのか、
その定義と、意味を、
あらためて考えてみたいところですが。
けれども、
じゃあ自分は本物をやっているよ、
と自認している人であっても、
それらのアイディアや、起源とか、
インスピレーションは、
必ず先人たちから学び受け継いだものであるので、
では本当に「ほんもの」なんて言えるものがあるのか
ということですが、
そんなこといってしまえば
本当にほんもの、と言えるのは、
「自然」とか
「生命」とか
そして
「神」とか、
それだけになってしまう。
だから、それら神の恩寵の中で、
自分はそれらを模倣しているだけの
にせものに過ぎないのだと
そう知って謙虚にひらきなおることだけが
唯一「ほんもの」に近づく方法だと
そんなことは
たぶんみんな
常識ですね!
気分を悪くされたら申し訳ない!
怒らせるつもりじゃなかった。
ただ僕が、物事をわかってないだけの話です。