[新宿MegaRockイベント成功感謝ありがとうございます!祝福!アンド!お詫び!ご迷惑をおかけしましたm(_ _)m]
さて、新宿MegaRockにて行った、Calling Recordsの3年目のイベントが終了した。
イベントは盛況と言って良かったと思う。
どのバンドも素晴らしい演奏をしたし、とても盛り上がった。
この「ロックイベントとしての質の高さ」は、Calling Recordsとしてはもっと追求し、キープしていきたいと思う。
僕たち伊万里音色(Imari Tones)は5バンド中の3番手として演奏した。
見に来てくれた方々、応援してくれた方々、共演や関係者の皆様、本当にありがとうございます。
所感を書くです。
今までずっとやってきた「英語詞のクリスチャンヘヴィメタル」を封印して、オシャレ系オルタナの日本語J-Rockを打ち出した今回のライヴは、なのでおそらく、テンションの低い、演奏もぐだぐだのステージに、おそらくなってしまうだろうな、ということは予想していた。
けれども、どうしても今、この内容でステージをやっておかないといけなかった。
今年は僕たちはライヴの本数もとても少ないし、昨晩演奏した曲の中でも、6曲中、4曲が「初めての曲」であり、1曲は「二度目」であり、あ、でも最後に急遽”Dying Prophet”を演奏したから、それだけは「おなじみ」だったけど。
だから、正直なところを言えば、ちゃんと「完奏」出来ただけでも上出来である。
いや、というか、「完奏」できなかった曲もひとつあった(苦笑)
だから、やっぱり「上出来」とは言えないライブだった。
「このメンバーで」「この内容で」「この日本語の楽曲」を演奏するライヴは、昨晩のこの一本だけ、最初で最後である。
だから昨晩のライブを見ていただいたお客様は、
「いつものぶっとびヘヴィメタルのステージが見れなくて不運」なのか、
「一回限りの貴重な内容の演奏が見れて幸運」なのか、
どっちとも言える。
だから、僕としても色々の複雑な思いや所感があるので、やっぱり書いて記録しておきたい。
うちのバンドは、今まで年月だけは長いことやってきてはいるものの、
世の中にあっては不思議な立ち位置であり、
FacebookやYouTubeの数字も、インディーバンドとしてはかなりあるし、たとえば海外に熱心なファンが多くて、アルバム制作のためのクラウドファンディングも100パーセント達成するくらいの支持は得ているけれども、
だけれども、東京とか日本でライヴをやっても、「ほどほどの集客しかないただのローカルバンド」に過ぎない。
そこの立ち位置とか、温度差が、うちの特徴であり、難しいところだと思う。
いつもの英語のヘヴィメタルではなくて、もっとわかりやすいはずの日本語の内容をやったら、余計にその「距離感」を痛感した、というのが昨晩の僕のいちばんの複雑な思いである。
だが、それでもやっぱりやるだけの価値はあったし、
そういった演奏の不完全さやぐだぐだを差し引いても、きちんと伝えるべきことを伝えたという手応えはある。
なので、きちんと目的を達成したということは言えると思う。
まず、ダメだった点を列記しておこう。
– 小さなことではあるが、ベースのはっしーが集合時間に遅れてきた。実際は集合時間を勘違いしていただけ、ということだったのだが、説明は難しいものの、これも「内部事情」ってやつだ。
– ドラムのジェイクに関しては、人間的に「いろいろある」やつであり、昨晩は明らかに「ダメな日」だった。演奏した6曲のうち、2曲でジェイクが曲の構成を間違えて、1曲はなんとか演奏したものの、もうひとつの1曲は、最後まで演奏できず、そこで曲が終わってしまった。
– とにかく昨日のジェイクのドラムはダメダメだった。ドラムが崩れると、ロックバンドは基本的に、どうしようもない。
– 自分のstruggleとしては、ギターアンプは一般的なJCM2000だったが、リハーサルの時と比べて本番の際のゲインの反応が著しく違い(チャンネル等のセッティングは同じだったはずだが、ゲインが突然高くなった。)、手元のボリュームのセッティングをかなり変えなければならず、その反応の違いでギタープレイにかなりミスが出た。このゲインの違いは、チャンネルセッティングは間違いなく同様であったので、雑居ビル環境のライブハウスには時折ある、本番の照明使用による「電圧の低下」が原因ではないかと今にして思う。
– そして演奏後というかライブ終演後、ジェイクが酔いつぶれてお店にも、皆さんにも、皆にご迷惑をおかけした。(本当にすみません)
というわけで、ダメダメフラグが立ちまくっている感じだ。
言ってしまえば「ダメなジェイクの日」ということで、結論になってしまうと思う。(きれいなジャイアン、みたいにして、良いジェイクの日も、たまにあるのだけれど。)
だが、彼を弁護するのであれば、彼は、あんな性格で、あんな人生で、あんな生活をしていても、それでもこのバンドのために10年近くもドラムを叩き続け、そのために「身を捧げて」きてくれたのである。
だから、彼が100パーセント、全力でやっている、ということは、俺もはっしーも、十分にわかっている。わかっているからこそ、「ダメだろ」なんて言えない。
そして、それでも、ドラムの演奏にせよ、人間的な面にせよ、それでも一緒に活動してくる中で、彼はいくつも成長してここまで来たのだ。
だから、10年間も「身を捧げて」きて、大変なバンドマン生活をしてきた彼の、健康状態や、人生の状態が、僕としても心配であり、だからこその、今後の決断ということももちろんそこにはある。(手遅れと言ってくれるな)
そして、だからこそ、「あんなやつ」だと思われたとしても、
もし俺たちのこのバンドが、クリスチャンロックバンドとして、日本の、そして世界の、クリスチャニティとか、信仰とか、そういったものに少しでも寄与できていたとするならば、間違いなく彼は「神のために身を捧げて働いた」のである。
だから、あんなやつだったとしても、俺は彼の上に、神の愛つーのか、恩寵があることを、信じている。
皆さんも、そう信じてやって欲しい。彼は、神の愛の内にある、ということを。神に愛された人間である、ということを。
昨日のジェイクの酔いつぶれた情けない姿にしても、それは俺たちのこのバンドのために、そして「神のために」身を粉にして捧げて働いてきた男の姿である、ということだと思う。ドラミングについては非難したいが(苦笑)、この部分については、俺は彼を非難できない。
そんなわけで、終演後も、ジェイクの介抱と、なんとか帰宅させるため、打ち上げにも参加できず、ろくに皆さん(残っていただいた方々や、Calling Recordsの仲間たち)とお話もできずに帰ってきたわけであるが。
本当に、皆さん、ありがとうございました。
ジェイクとはっしーの、クリスチャンバンドとしての信仰のあれこれについては、触れようとも思ったけれど、今回は省略する。また、この後、お話する機会がきっとあるだろうから。
さて、それでも良かった点を列挙しておこう。
– 確かに「ダメなジェイクの日」ではあったが、それでも慣れない複雑な楽曲を、一部の曲でミスしたものの、他の曲はちゃんと叩いたことについては、ジェイクを誉めてやっていい。むしろ「あの程度のケガで済んだ」ことに関して神に感謝していい。
– ジェイクがダメな日だったのに比して、はっしーに関しては良い日だったと言える。「優秀なはっしーの日」というか。彼はもともとわりとスタイリッシュな美意識のある人間なので、いつものメタルよりも、オシャレ系オルタナのステージに、自然に対応できていた。事前の予習にも熱意があったし、スタイリッシュな雰囲気を出して演奏していたと思う。
– 俺の自分のヴォーカルについては、90点をあげていいと思う。今回のステージの一番の目的が、日本語の歌詞によるメッセージをきちんと伝えるということだった。ライブハウスの音作りがヴォーカル中心でちゃんと聴こえるミックスだったこともあり、今回の曲目の「色っぽいヴォーカル」と「歌詞のメッセージ」が、ちゃんと伝わったのではないだろうか。これだけでも、やった価値はあった。技術的なことは、後述したい。
– 先述したように、リハと本番のギターアンプのゲインの反応がまったく違ったため、かなり演奏やサウンドの面でstruggle、苦戦したものの、そうはいってもギターサウンドはかなり良かった。これは、3年近く録音作業に使っているものの、ステージでは一度も使ったことのなかったBacchus Duke Standard (我が家での通称「ショコラ」)の性能とキレの良さを示すものであり、今回の音楽性にはばっちりだった。そしてやはり、こうも理想的なサウンドが出てしまうと、足下はShoalsでやはり間違いない、ということになる。
– ギターソロ、リードプレイについては、完璧ではないものの、きちんと実力を発揮したと思う。それは、速弾きテクニックのソロを正確に弾く、ということではなくて、不器用に声にならない叫びを伝える、という意味合いにおいて、である。そちらの方が重要だ、ということに、この歳でやっと気付きつつある。
– ぐだぐだのステージ進行ではあったが、その中でも、MCはキレていた(苦笑)
– たとえ演奏はぐだぐだであったとしても、ヴィジュアル的には美しく決まった(当社比) ここは、実は一番のポイントだった。色気があれば、多少演奏ミスったって、そんなの関係ないだろ、と言えるだろうか(苦笑)
– オシャレ系日本語オルタナという方向性も相まって、色気を以て愛を伝える、という表現の新境地は、しっかりと打ち出すことが出来た。新たな境地に確かに踏み出した、と思う(笑)
振り返れば、昨晩はどのバンドもとても良い演奏をした。
Calling Recordsの活動においても、[Atsuki Ryo with Jesus Mode]が現在は活動停止していることや、石川ヨナの関西移住に伴うイベントからの離脱など、色々あるのだけれど、
今回こうして、肝心のライブイベントという場において、皆が質の高い演奏でそれぞれのロックをきちんと叩き付けたことは、とても大きなことだと俺は思う。
その中では俺たちはある意味いちばん不器用な演奏だったかもしれないが、これは敢えて言う必要もないくらいだが、いつもとまったく違うチャレンジングな内容の演奏に取り組んだ意味で、皆さんに一歩先んじた自負はあるし、また多少「どぎつい」ものであっても、色気のある表現を行ったという意味で、そっちの領域ではきちんと、誰にも負けなかった手応えはある(笑)
ある意味僕たちと同じように「地の理」に恵まれなかったかもしれないのは大先輩のB.D.Badgeさんたちであり、
それは普段もっと距離の近い現場で本領を発揮するB.D.Badgeさんの音楽表現において、日本のいわゆる普通のライブハウスの環境、しかもクリスチャン中心の「大人しい」観客層を相手にして、本来のノリや魅力が発揮しきれなかった感はあったと思う。つまり本来のB.D.Badgeはもっとぶっとんでいるからだ。
しかし、寿朗さんおよびB.D.Badgeさんに関しても、うちと同様に、「勝ちに行く演奏」ではなく、「捧げる演奏」をすることが時々ある。僕は過去にもB.D.badgeさんのそういう演奏を何度か目撃している。
つまり、「勝ちに行く」のではなくて、敢えて勝ちは譲っても「神に捧げる」演奏をすることがある。昨晩のB.D.badgeさんはそういう演奏だったと思う。
それはクリスチャンバンドとしてはある意味当然、必要な行為であり、また一般のロックバンドにおいても俺はそういったことは必要だと思う。(たとえば優れたバンドほど、キャリアの中で、一般受けや売り上げを犠牲にしても、もっと大事なメッセージを伝えるための作品を作ることがある。)
そんでもってそこのところのアティチュードに霊的な部分で共感するとともに、俺はそういった演奏もすることのできるB.D.badgeおよび寿朗さんを凄いと思う。
Soul of Faith、ソルフェイについては、この一年でベストメンバーになり、ロックバンドとして本当に「あるべき理想的な姿」になった。
昨晩もトリとして本当に堂々とした演奏でイベントの最高潮を作り、オオハラさんもイベントの中心で本当にたのもしかった。
オオハラさんのヴォーカルが非常に完成されてきたのはもちろん、両脇を固めるBad Boysな二人の、ヴィジュアル面や、サンダーバードとEpiphoneのセミホロウの組み合わせもサウンド的にばっちりはまった感がある。
このソルフェイというバンドも、僕も個人的にも贔屓であり、関わりも浅くないバンドであるから、このソルフェイを今後、いかに活躍させて盛り上げていくか、ということについても考えなければいけない。このままどんどん伸びていくべきバンドだ、ということである。
理想的には1st以上に完成度の高いアルバムをこのメンバーで作ることが出来たら、ソルフェイはこの先10年は続いていくと思っているのだが。
Xieさんについては、これもB.D.badgeとは違った意味で大先輩な人たちであるが、今回はギターのNori氏が居ない3人体制のライブだったが、ある意味でこれまで拝見した中でいちばん感銘を受けた演奏だった。ギター不在でstrip downされてシンプルになった分、またMachiさんのソロ演奏で拝見する時に比しても、余計に楽曲の骨組みがきちんと見えて、そこに込められた玄人好みの演出や仕掛けが、しっかりと伝わってきたからだ。新たな必殺曲である「永山の爺さん」も、CDで聴くよりも、ライブの方がもっと伝わってきた、という感じで特筆すべき演奏だった。
三木くんの演奏も、ベースレスの構成だったけれど、そのぶんやはりstrip downされて楽曲の魅力、三木くんの声とメロディの魅力がしっかり伝わってきた。特に三木くんはお子さんが生まれ、私生活も大変に忙しいと思うけれども、なぜだかパパになってからの三木くんは3割増で「いい男」になっており(きっとパパというのはかっこいいものなのだろう)、また新曲のバラードも素晴らしかったことから、今はお子さんのことが中心で音楽活動には最低限しか時間を割けない、というようなこともおっしゃっていたが、そのように私生活、また人生そのものが充実していくのに連れて、きっと音楽や楽曲も同じように祝福され充実していくに違いないと俺は確信している。
そして何より一番良かったのが、演奏の中ではもちろんだけれども、それぞれのステージで、MCの中でも、どのバンドもみんな「愛」について語っていたことだった。
これって、別に打合せしたわけでも、何をどうプランしたわけでもないんだけれど、気がついたら、みんながそれぞれに、自然に、自分の言葉で、「愛」ってものについて語っている。
それって普通だったら気恥ずかしい、とか、嘘くさい、とか、宗教くさい、とか、なるもんなんだけれど(笑)
そうならずに、バンドマンたちの不器用でむさくるしい熱気と汗の匂いの中で、それが自然に流れていって、しかもそれが流れ続ける。
これって、実はちょっと凄いことかもしれず、それこそが昨日のイベントの、一番の収穫だったと俺は思っている。
そして、別に打合せも計画もしなかったのに、自然に普通にそうなっていたのだとしたら、このCalling Recordsっていう集まりも、色々と運営上のあれこれはあるかもしれないが、
確かにこいつらは、みんな不器用で照れ屋であっても、やはりそれぞれに、自分の中ではきちんと、愛であるとか、神であるとか、キリストであるとか、そしてロックってものに、きちんと向き合っているやつらの集まりなのだと。そのことの証明なのかもしれない。
いまどき、キリスト教の教会に行っても、額面とか看板はともかく、「愛」なんてものの話が聴けない(自己啓発とかビジネスサクセスはあるかも)、とか、肝心の「キリスト」がどこにもいない(教会という組織、政治派閥しかない)、と思えることが多い世の中にあって、ひょっとするとこれは貴重なことかもしれない。
と、まあ、きれいにまとまったところ、すまないが、匂い、と言えば。
俺たちがステージに上がって演奏を始めようとした時に、ステージ周辺に、すげえ臭い匂いがたちこめていて、非常に迷惑だった(苦笑)
なんか、下水とか配管の匂いじゃないか、と、皆は言っていたが、とにかくすげえ臭かった。
はっきり言って迷惑だった。前列の観客の皆さんが、ステージからちょっと遠ざかってしまったのは、あの匂いのせいなんじゃなかろうか。
ひょっとして、あれもジェイクのせいだったんじゃなかろうか、と、ちらっと俺は思った。
けれども、下水のせいだということにしておこう。
それでも、ステージはかっこよくやり遂げた、はずだ。
感謝。
サンキュージーザス。
新宿MegaRockというハコ。(立地の制限はあるが結論としてやはり良いハコだったと思う。場所柄音量や低音の出方に制限はあるが、マスターの腕前はやはり素晴らしい。)
歌唱の技術的な面。(日本語で歌うと良いね、って何人かに言ってもらえたが、実はそれは、言葉でも、キーでもなくて、技術面の進歩なんです。)
日本語で歌ってみたら逆に距離を感じた話。(だからずっと英語でやってたんだけど)
信仰という面においてのうちのメンバーの話。(これは折を見て。長いから。)
などは、また別途書くか、あるいは面倒であれば自分の中にだけキープしておきたいと思う。
ダメダメだった、みたいに書いても、実際にビデオを見ると結構良い演奏をしており、
その中でも”Overture”は曲の前のMCも含めて出来がよくハイライトだったと思うので(笑)、そのくらいはまた別途動画をアップできると思います。
“Discarded World”も、間奏までは完璧だったんだけれどなあ。間奏の後のブレイクで、ジェイクがブレイク後に曲に戻れずにそのまま終わっちゃう、っていう(涙)
あとは1曲目の”The Wave”で、演奏入るカウントのところで、ジェイクがすでに変なテンションで「フーッ!」って声を上げており、その時点で、「今日のジェイクはおかしいな」ってことが、ビデオ見るとわかると思う(笑) そんで、イントロからいきなりフレーズも構成も全然違う、っていう。だからジェイクは、演奏後に酔いつぶれただけじゃなく、演奏始める1曲目の時点で、すでにかなりおかしかった(苦笑)
時々あることなので心配ありません。
が、やはり祈ってやってください。
彼の健康や、人生や、信仰や、生活や、いろいろについて。