あの日から一年

 

これは数日前にソーシャルメディアに投稿したものですが、このウェブサイトにも、写真を少なくした上で投稿しておきたいと思います。

 

写真 – きれいではないけれどポストする。
昨年の6月11日、TakとMarieが火事のあったアパートの近くにて。
今年の6月9日、同じくTakとMarie、麻生キリスト教会にて。

 

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6月11日。
それは僕たちにとって感謝をしなければならない一日でした。

なぜなら僕たちは幸運であったから。おそらく、とても。

 

一年前、2023年6月11日。僕たちはもう少しで死ぬところでした。

けれども死ななかった。

 

その日の早朝、僕たちは誰かが叫ぶ声で目が覚めた。TakとMarieが住んでいた小さなアパートで火事があったのだ。建物に残っていた最後の人間は僕らだった。煙が入ってきて、僕たちは文字通り炎の中を走って逃げた。(映画のようだった)

 

避難した時、僕たちはすべてを失ったと思った。すべてのものは燃えてしまうだろうと思った。(僕はとっさに、次のアルバムの楽曲のデータが入ったラップトップと、携帯電話を持って逃げた。良い選択だった。)

それでも僕たちは、互いの命が助かった事に感謝していた。

 

けれども消防士さんたちや、近所の人々が消火活動をしてくれたお陰で、アパートの建物は半分しか焼けずに済んだ。僕たちの部屋は燃えはしなかった。単にプラスチックが溶けたり、バスルームがぐにゃぐにゃに溶けただけだった。(なかなかの光景だった) すべては真っ黒で、灰に覆われていた。(そして、とてもひどい匂いがした)

 

家財道具はほとんど失った。家具とか電化製品とか。衣類の8割も失った。(残りの2割は、汚れてひどい匂いでも無理やりに持ってきた。10年以上も着ているインディバンドのTシャツなども含めて)

けれども、幸いにして楽器(ギターやベース)は燃えてはいなかった。僕たちはそれを救い出すことを決意した。

それらの楽器は灰に覆われていた。けれども僕たちはそれを努力してきれいにした。それが健康に害があるだろうとわかっていたけれど、注意を払って丁寧に作業した。僕たちはそれらの楽器や機材を、教会の倉庫に置いておいた。窓を全部開けた上で、夏の間中、ずっと。夏が終わる頃には、匂いも随分消えて、僕らはその楽器をまた弾くことが出来るようになった。

 

僕らは住む家を失ったけれど、教会やクリスチャンの友人に助けを求めた。日本ではキリスト教の教会は小さいので、人が泊まれるような施設がある教会は多くはない。また、たとえあったとしても、外部の人間を受け入れてくれる所は少ない。けれども、幸運にも僕たちを受け入れてくれる教会が見つかった。牧師さんは、住むところが見つかるまで滞在していいと言ってくれた。

 

そのようにして僕たちは麻生キリスト教会に導かれた。そこには誰も居らず、矢部牧師は、その死につつある教会を甦らせるために、数ヶ月前にそこへ来たばかりだった。

 

それから、僕たちはその教会でたくさんの人々に出会った。奇跡が起きるのを何度も見た。その場所で教会コンサートを何度も行った。矢部牧師と、その仲間たちの努力により、今ではその教会はとても楽しい場所になり、色々な人々を歓迎している。僕たちは神様の手により、この教会で素晴らしい何かが、新しい何かが始まっていると信じている。

 

それは僕たちの人生を変えた。つまるところ、神様は僕たちに、この教会に奉仕し、また神様のためにもっと働くようにと言ったのだ。僕たちはそうする事にした。「ヘヴィメタル・チャーチ」のプロジェクトを始めて、それがこれから発展していくのを楽しみにしている。

 

一番大切な事。
僕たちは、皆さんからご支援いただいた事をとてもとても感謝している。
火事の後、ファンの皆さんや、友人の皆さんから、あたたかいご支援をいただいた。それはとても心が温まる経験だった。僕たちは本当に喜びで涙を流していた。僕たちはとても感謝している。何と言っていいのかわからない。ただ、ありがとう、としか言えない。感謝してもしきれない。
一番大変な時期にご支援をいただいたからこそ、僕たちは音楽を演奏し続けることが出来たのだ。

 

あの大変だった日から、一年が経った。
こうして、ここに僕たちがまだ生きていて、ロックしていることが信じられない。
次のアルバムである”Coming Back Alive”のレコーディングを終えて、それが完成したことが信じられない。”Coming Back Alive”というのは何年も前から考えていたタイトルだったけれど、今ではそれが新しい意味を持つようになった。

 

この投稿には、特に宣伝は含まれていない。もうすぐリリースするベストアルバムや、来月に予定しているツアーの事も含まれていない。

僕たちはただ単に、皆さんのご支援と応援に感謝したいのだ。
そして、神様に感謝したいのだ。

 

ありがとう。僕たちはここに生きています。それは大きな祝福です。

(Tak & Marie)

 

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