どうも。いつでもカルチャーと言語と音楽性の狭間に存在して、ニッチであっても橋渡しになれたらと思っている伊万里音色(Imari Tones)、Toneでございます。
vlogっていうのかビデオブログみたいのを昨年ちょっと始めてしまい、それも英語なんだけれど、その”The Road To Nabeshima”のエピソード4をやっとアップしました。
それは、昨年の9月にビデオは撮ってたんだけど、ずっと忙しくてアップ出来なかった。
内容は、昨年12月にリリースしたばかりの”Overture”アルバムに関するものです。
せっかくの日本語アルバムだから、日本の皆さんに聞いてもらいたいのだけれど。
どのようにアプローチしていいかわからない。
でも、ぜひ聴いてみて欲しいです。
日本語訳、置いておきます。
CDはBaseにてバンドから直接買っていただけます。
https://imaritones.base.shop/
大阪のSA Musicさんでも販売していただいていますので、通販にご利用ください。
https://www.metalpesado.com/mailorder/k_shop.cgi?order=&class=all&keyword=Imari%20tones&ff=0&pricesort=&idname=&pass=&a8=&id=58566&mode=detail
Bandcampでも販売している他、Spotify、Apple Music等のデジタルサービスでも配信されています。
以下、ビデオの内容です。
—
Road To Nabeshima vol.4
Our First Japanese Christian Album!
どうも、日本のクリスチャンメタルバンド、Imari TonesのTakです。
前のビデオでも言ったように、10年間一緒にバンドをやってきたベーシストのHassy、ドラマーのJakeは、2018年にバンドを脱退しました。
今日は僕たちがそのメンバーで最後に作ったアルバムのこと、あとは過去5年間にやっていたことについて話そうと思います。
前のビデオでお話したように、過去5年間は、僕たちはアメリカを訪れたり海外をツアーすることが出来ませんでした。それはバンドメンバーがそれをやりたくないと言ったからです。
その代わり、僕たちはアメリカやカナダなどからクリスチャンのバンドを日本に招き、一緒にツアーしました。それは「The Extreme Tour Japan」というものです。
それはもともとアメリカで始まったクリスチャンミュージックのツアーですが、僕たちはそれを日本でやったのです。
そうしたことを行ううちに、僕たちは日本のクリスチャンバンドたちと友だちになり、彼らと一緒に日本のクリスチャンロックに焦点を当てたレーベルを立ち上げました。それは「Calling Records」というものです。
また、日本で音楽活動を行う中で、僕たちは日本のミュージシャンとしての自分たちのアイデンティティを探し求めました。僕たちは日本の人たちにとってのクリスチャンミュージックはどうあるべきか、その答えを探し求めました。
そしてその結果として、日本のキリスト教の歴史をテーマにしたコンセプトアルバムである「Jesus Wind」を作りました。
しかし、それで終わりではありません。
その後、僕たちはそこからさらに探求を続け、「Nabeshima」と呼ばれる音楽を見つけました。
僕たちにとっては、それは究極の伊万里音色のサウンドと言えます。
それは、言ってしまえば、日本の伝統的な要素を持ったクリスチャンヘヴィメタルです。
僕たちはすでにそのプロジェクトの曲をすべて書き終えています。
それは24曲入りのダブルアルバムになる予定です。
私たち、つまりTone、Hassy、Jakeは、この「Nabeshima」についてどうするかを話し合いました。
けれども、残念ながら僕たちは、今のバンドの状況では、この「Nabeshima」を作り上げることが出来ないという結論に達しました。
理由のひとつは単純に音楽のスキルです。
「Nabeshima」は高度なスキルを要求する音楽です。
HassyとJakeは、現在のスキルでは、「Nabeshima」をプレイするのに十分ではないということに同意しました。
もうひとつの理由は、バンドで10年間も演奏活動を続けてきて、彼らは人生の状況の中で限界に達して、これ以上続けることが出来なかったからです。
バンド活動をすることは大変なことなので、これはご理解いただけるかと思います。
そんな訳で、僕たちは先に進むため、別々の道を選ぶことにしたのです。
この「伊万里音色」の音楽を、次のチャプターへと進めるためにそうしたのです。 彼らは、私(Tone)が次へと進むことが出来るように、バンドを脱退したのです。
なので彼らは責めないで下さい。私たちはお互いに理解し合った上でお別れしたのです。
けれども、たとえ「Nabeshima」を共に作れなかったとしても、私たちはもう一枚、一緒にアルバムを作ることにしたのです。 それが、この「Overture」と言われるアルバムです。
僕たちはこのアルバムを2017年の11月と12月に録音しました。
それはもう完成して、今、アートワークを作っています。
(このビデオは2018年の9月に録画されましたが、現在すでにアルバムはリリースされています。)
そしてそれは、全曲日本語のアルバムです。
皆さんもご存知かもしれませんが、僕たちはクリスチャンバンドになってからは、英語をメインで歌ってきました。
もちろん、曲によっては日本語バージョンも作りましたが、基本的には海外のオーディエンスに向けて、英語で歌ってきたのです。 それは、日本においてクリスチャンミュージックの市場がとても小さいこともありますが、その他の理由として、ヘヴィメタルの音楽には英語の方が合うという理由もありました。
けれども今回は、僕たちは全ての曲を日本語で歌うことにしたのです。 それは、今までとは違ったことをやりたかったから。
そして何より大切な理由として、これは現在のメンバーで作る最後のアルバムだからです。
少しばかり感情的な理由ではありますが、音楽により個人的なフィーリングを込めるために、母国語で作りたかったのです。
明確にしておきたいのですが、僕たちはクリスチャンバンドになる前には、日本語で歌っていました。
面白いことですが、それらの曲の中には、僕がクリスチャンになる前に書いた曲にも関わらず、クリスチャンソングのように聞こえるものもあります。
僕たちが英語で歌うことを始めたのは、2006、2007年に、二人の国際的に有名なプロデューサーとレコーディングを行った時でした。それは「Japanese Pop」というアルバムです。
その時の日本のプロデューサーTak Yonemochi氏は、私たちに英語で歌うように勧めました。「世界を狙っていけ」彼はそう言ったのです。なので私たちは英語で歌うようになりました。そしてその後、私たちはクリスチャンバンドになったのです。
なので、この「Overture」アルバムは、私たちにとって初めての「日本語で作ったクリスチャンアルバム」ということになります。
面白いことに、僕は英語で歌詞を書くと、いつもシンプルな内容を書いていました。それは英語は母国語ではないからです。その結果として、いつもストレートに神様、イエスキリストを賛美する内容になっていました。
けれども今回は母国語である日本語で書いたので、内容はもっと複雑になりました。
ストレートというわけではなく、皮肉も含む内容になりました。比喩も含まれています。キリスト教をめぐる状況について批判的な内容も含まれています。たとえば「ヘイ、お前は本当に神を信じているのか」といったような感じです。 いくつかの曲は典型的なクリスチャンソングのようには聞こえないかもしれません。
けれどもこのアルバムは、内容を通じて、「本当に信じるとはどういうことなのか」を問いかける内容になっています。
日本語で歌っていますので、海外のファンの皆さんが理解してくれるかわかりませんが、けれども、このアルバムが日本のクリスチャンミュージックの世界に良いインパクトを持つように願っています。
言葉の面だけでなく、音楽性の面でもこの「Overture」は今までとは違った内容です。 前作「Jesus Wind」で、僕たちは自分たちに出来る最高のヘヴィメタルアルバムを作り上げました。
なので今回はそれとは違ったことをやりたかったのです。
この「Overture」は、ヘヴィメタルのアルバムではありません。 これはよりオルタナティブな、多様な内容を持ったアルバムです。ヒップホップもあれば、アコースティックもあれば、ポエトリーリーディングもあります。
実際のところ、日本語で曲を書くと、僕のスタイルは違ったものになるのです。
日本語の曲を書こうとすると、僕はなぜだかヘヴィメタルにはならず、違ったものになるようです。 なので今回は、あまりヘヴィなアルバムではなく、J-RockやJ-Popの要素が大きくなっていると思います。
なので、オーディエンスの皆さんの反応がどうなるか予想できません。
今までの作品とはかなり違った内容だからです。
あるいはこれはリスキーな選択だったかもしれません。
けれどもそうであっても、僕たちは日本語でやりたかったのです。
これは僕とHassyとJakeの三人で作る最後のアルバムだから。
そして何よりも、日本の友人たちにメッセージを伝えたかったから。
それが僕たちがこのアルバムを作った理由だと思います。
楽しんでいただけたら幸いです。
どうもありがとう。
イエス・キリストのためにロックし続けよう。
皆さんに神の祝福がありますように。