スルーネックはレトロな魔法の帚

 
 
 
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Something is apparently cooking behind the curtain. Yes this is a temporary style under the current condition, yet there is so much possibility. Anything is possible. We can tour the world. We never thought we could be this free. 臨時状況ということでフリースタイルを試している。こんなに可能性があると思わなかった。むしろこのスタイルでツアーやれるんじゃ。見た目重視ということで久しぶりにランディVを持ち出したら、なんかやたら鳴るんだけど、え、こんなに良かったっけ? スルーネックの音もたまにはいいじゃん。 #freestyle #anythingispossible #temporary #duo #rocknroll #heavymetal #metal #jackson #jacksonguitars #randyrhoads #madeinjapan #christianmetal #christianrock #christianmusic #gospel #gospelmusic #japaneserock #jrock #jmetal #japaneseband #indiemusic

Imari Tones(@imaritones)がシェアした投稿 –

 

最近わりと忙しくて、この日本語ブログにも記事が書けてなかったんで、ちょっと前のことになっちゃうんですが、
インスタとかにポストしたこれらの写真を見てもわかるとおりね、
今、ちょっと、「臨時の2人編成」で、いろいろ画策してまして。

これは、すでに公式に発表していると思うけれど
(とはいえ、気付いている人がどれだけいるかわからないが)
ドラマーのKojiさん(摩耶こうじ氏)が、肩の故障(註: 若い頃のケガの影響によるもの。昔、1200ccのでっかいバイクに乗っていたらしい)によって、演奏が出来ない状態になってしまっているので。

なので、今はうちは、ライヴバンドとしては「機能していない」状態なんだけれども、コロナウイルスの影響で、「世の中全体が止まっている」(or違う形になっている)ので、今は無理にバンドの形でライヴするよりも、違う形を探した方がいいんじゃないかと思い。

それは、”Nabeshima”が完成したタイミングだったこともあって、これから、また次のステージに向けて歩いていく必要があるから、神が与えた必然と考えて、前向きに考えることにした。

 

で、その一環、というわけではないんだけれど、ちょっとした「ギグ」の話が舞い込み、「うーん、あの曲を演奏したいから、2人編成を、臨時の形ってことで、試してみよう」ということになった。

で、ちょっとスタジオに入ってためしてみたんだけど、「あれ、結構いける」となり。

で、これも練習の進展はとてもゆっくりだけれど、この臨時編成で何が出来るだろう、って考えた時に、「あれ、結構やれることいっぱいある。ていうか、むしろこの形で届けられるメッセージ、いっぱいあるんじゃないか」って思って。

今では半分くらい、「なんかもう、この形でワールドツアー出来ちゃうんじゃないか」と思っている。(世界の状況が、そういうことを許すようになったら、の話だけれど)

 

で、その「ギグ」の話が、わりと「見た目重視」の事案だったこともあり、
ひさしぶりに、かなりひさしぶりに、ランディVを持ち出してみた。
メタルっぽい見た目を狙うんだったら、やっぱりこれが一番いいからね。

ランディV、これって英語圏での呼び方が違うから、どう表記していいかわからんけれど、Jackson Randy Rhoadsのことだ。僕が持ってるのは1990年製の日本製Jacksonの、22フレットの、フロイドローズの白いやつ。

僕は2014年くらいから、だんだんBacchus/Deviser派になっていったので、メタルっぽいギターは、その後だいたい手放しちゃったんだけれど、このギターだけは残していた。
それは、やっぱり「見た目」が貴重だから。あとは、自分の世代とか、今ではもう手に入らないもの、などの要素を重視したから。

 

で、ひっさしぶりに引っ張り出してきて、スタジオで鳴らしてみたんだけど、
「あれ、こんなに良かったっけ、このギター」って。

あれー、こんなに鳴ったっけ、みたいな。

こういうのって、セットアップとかネックの状態とか、いろんな要素が関わってるから、僕もよくわからないし、単純に言えないと思うんだけれど、

僕が記憶している限りでは、これは「メタルらしい鳴り方をするが、かといってそんなに鳴るギターではなかった」のだけれど、なんかひさしぶりに引っぱり出して弾いてみたら、「めちゃくちゃいい感じで鳴るじゃん」みたいな。

 

で、しばらくスタジオで弾いてみると、これが、いいんだわ、やっぱ。

僕はスルーネックはあんまり好みじゃない、っていつも言ってるし、今でもその意見は変わらないけれど、
その理由のひとつとして、「ぱこーんと来るアタックが野暮ったい」っていう理由があるんだけれど、今となってはむしろ、「それもレトロっぽくていいじゃん」みたいに感じてしまって。

つまり、モダンな尖ったメタルギターだぞ、っていう価値観で捉えるんじゃなくて、これもひとつのレトロの形だ、と。今となっては。
そう思ったら、いいじゃない、と思えてきた。
そう、ランディVっていうのは、レトロだったんだ、って。

 

思えば、僕はちょうど半年くらい前に、この日本語ブログに、「僕は今ではもう、Jackson/Charvelのギターはそれほど好きではない」といった趣旨の記事を書いたんだけれど。
なんか、「すみません、ひさしぶりにランディV弾いたら、やっぱり良いものは良いです」みたいに、あやまりたくなった。苦笑。

 

スルーネック構造のギターといえば、Jacksonに代表されるメタル系のギター(CaparisonとかSchecterとかあといろいろ)に多用されているけれど、その歴史は、たぶんもっと古いはず。古いB.C.Richとか、よくしらんけどアレンビックとか、友人が古いグレコを弾いていたのも見たことがある。

そういう、スルーネックならではの、レンジは広いが野暮ったい、独特の全体が鳴る、いなたい、ひらべったい鳴り。
それは、むしろレトロだったんだな、と。

 

で、これは僕の持論だが、Randy Rhoadsモデルっていうのは、ボディが非対称で小さいので、ネックの鳴りがそのまんま、というか、正しくないかもしらんがSGがボディが薄くて小さいから全体が鳴っちゃう、的なニュアンスに近い、スルーネックの良さがとても生きている鳴り方をするギターだと思う。

個人的には、Soloistを弾いた時よりも、Randy Vの方が、鳴り方が面白い、と感じるからね。

なので、このギターを売らなくてよかったなあ、と、僕は思ったのだった。

 

なんで、いきなりよくなったのか。
なんで、いきなり鳴るようになったのか、あるいは、鳴ると感じるようになったのか。

手に入れてから、いろいろ経緯がある。

某オークションで入手した際には、リアはダンカン59だったが、それも嫌いではなかったが、ある時パワー不足を感じ、2016年の段階で思い立って、Jacksonならではの、いちばんJacksonらしい音がするところのJ-80に載せ変えた。本来の形に戻した、というべきか。

また、やはり鳴りが若干、貧弱だったり、あるいはアーミングをそれほどしないことを鑑みて、ESPアーミングアジャスターでフロイドローズを固定した。基本的にはダウンオンリー。これで、ちょっと鳴りも良くなった。

それから、いつだったかリペア屋さんに持ち込んだ時に、配線も「いいやつ」に変えてもらったな。妙にハイファイになったと記憶している。これは確か、ボリュームポットのカーブが、クリーンな曲をやる時に合わなくて、その時に変えてもらったんだと記憶している。

あるいは、これは1990年製のギターだから、いよいよ30年が経過して、なんかしらんが「良い感じ」になったのかもしれない。根拠は不明。

 

こいつは不憫なギターでね。
やはり、「見た目重視」の役割で手に入れて、
写真撮影やビデオ撮影には何度も使ったけれど、レコーディングにはほとんど使っていない。

ライヴにはちょくちょく使っていたけれど、それでもどちらかといえば、自分の中では「サブ」の位置づけだった。

でも、これから、もっと使ってあげられるかもしれない。
こいつと一緒に、これからいよいよ、もっと旅が出来るかもしれない。
遠い日の約束は、いよいよ果たされるのかも、しれない。

 

やっぱ見た目がそれっぽい、っていうのは貴重だ。
で、もって、そこにはもちろん、世代とか、宿命みたいなものがある。

白いギターの宿命で、こいつも、それなりに黄ばんでしまっているんだけれど、年数を考えれば、stay whiteしている方だろう。ていうか、まあ、僕も歳をとったし、これからもっと歳をとっていくから、一緒にレトロ化して、黄ばんでくれる方がいいのだ。

これが古いFenderだったら、黄色くなった方がヴィンテージっぽくてかっこいい、というふうになるわけでしょう。80年代メタルのJacksonも、それと同様にレトロになる時代が、やってきたわけだ。

 

手持ちの楽器の中でも、今はこれがお気に入り、みたいなのは、サイクルがあると思うんだけれど、”Nabeshima”を完成させて、Bacchus/Deviserは十分に、ひととおり鳴らしたしね。(よく考えると“Nabeshima”では、ギター/アコギ/ベースは、Bacchus/STR/HeadwayといったDeviser系しか使っていない)

だから、たぶんしばらくは、こいつ(ランディV)を偏愛すると思います。

行くぜ世界。
待ってろ世界。

 

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