日曜日は、昼間から六本木にて、
第9回G-1 Grand Prixでした。
ギター速弾き選手権。
僕は主催チームAbove Da Worldの一人として、
いろいろ手伝ってきた。
そんで、スタッフバンドAbove Da World Sound Crewのメンバーとしてもギター弾いてきた。
あれだけ凄いギタリストがいる中でバンドでギター弾くのって半ば罰ゲームに近いけど。
イベントの感想というか所感から書こう。
主催がやん氏からKizzyさんに替わって、新体制での第一回ということで、
まずは軽くジャブというわけではないけれど、
六本木にて昼間の時間帯にての開催。
過去にも確か、第6回のG-1は昼間の時間帯で行ったことがあると思う。
G-1はギターの試合とバンド演奏の両方で構成されるイベントだけれど、
昼間の時間帯は、バンドを集めるのが難しく、
それもあって、演奏したバンドはAbove Da World Sound Crewのみだったけれど、
逆にイベントとしては、
ギター速弾きの試合に集中することができて、密度は良い意味で上がっていたと思う。
メタカジコンテストもなかったし、司会も幸屋さん一人だったけれど、
それもある意味無駄のないソリッドなイベントを演出する結果になっていた。
いちばんの成果は、
出場ギタリストが、過去と比較しても、
みんな個性的、魅力的で、演奏レベルもとても充実していたことだと思う。
そして試合内容が過去最高というくらいに充実していた。
G-1は、普通のライヴイベントとは雰囲気が違うこともあり、
本番で力をうまく出せないギタリストも多いけれど、
今回は、みんなかなり、本番で実力を発揮し、素晴らしい内容の試合を見せてくれた。
そして第6回で因縁の敗退で準優勝だったNeo Shredさんが、
(それを機にルール変更が行われたという因縁の判定があった)
見事にリヴェンジを果たし優勝した。
これ以上ないくらい見事なラストシーンだった。
今回、空間系エフェクターを禁止し、歪み系エフェクト、ブースター一個のみと限定したせいか、ギタリストたちのサウンドもストレートで非常に良くなっていたと思う。
また、特にサウンドに関しては、審査員の皆さんもいろいろ言っていたけれど、
僕としては、必ずしも審査員の方々に同意できない箇所もあった。
僕としては、「最高のサウンドだ」と思っているのに、
審査員の方は「そのサウンドはダメだ」と言ったり、
つくづく、プレイもだけれど、特にサウンドは、人それぞれの価値観なんだなあと、あらためて実感した。
eachギタリストさん所感
Neo Shredさん
本当に優勝おめでとうでした。
超速の貴公子、このキャッチでいいじゃん。
すごくシブい一匹狼の雰囲気のイイ男でした。
それだけで十分っていうくらい。
しかし、うまい具合に、キラーギターズ協賛の大会で、
キラー愛用者が優勝しちゃいました。
しかしなんという大人の男の色気。
なにげに(ちょこっと)年下とはとても思えません。
まあ、僕も含めて、今は幼い大人が多いからなんですが、
ギターどうこうよりも、めちゃくちゃいい男、で話が終わってしまう。
来月の世界大会がんばってください!
ShinyAさん
シャイニーA、じゃなくてシンヤって読むんだよね。
その名前がまずイカす。
チャーミングなキャラとヴィジュアル系のスタイルが素敵でした。
そしてとても気さくで人懐こい雰囲気を醸し出していたのが印象的。
今回は比較的かっちりしたメタル系のプレイだったけれど、それ以外にも、
ギタープレイには、まだまだポテンシャルがあるような気がしています。
計り知れない実力と才能を感じるアーティスト、ギタリストでした。
Kizzyさんとの試合前に二人で仲良くハモっていたのが微笑ましかった。
Kizzyさん
今回の大会のある意味最大の主役。だって主催を引き継いで、スポンサーまでつけて、ヤングギターまで呼んで、大会をネクストレベルに引き上げた。
その上で選手としても出場して、見事に3位入賞してしまった。
主催や、自分のバンドのCD制作なども重なり、とても準備や練習ができる状況ではなかったと思う。
それなのにこの見事な結果。
なんか、試合運びには、余裕が感じられた。本当の実力を今回はまだ出してないんじゃないかという気すらする。
むしろ、狙って3位になったんじゃないか、と思うくらい。
ピッキングの正確さは、誰よりも上だったと思う。
審査員のジョージさんは固いサウンドだ、と言ったけれど、
僕は芯があって素晴らしいサウンドだと思ったよ。
ゲインもあまり高くないのにあれだけ正確に弾けるのは驚異的。
主催者としては、最後にメッセージを語ったりと、熱いKizzyカラーを打ち出したのが何よりも素晴らしいと実は思う。
Seginorさん
Caparisonの立ち上がりの良いサウンドで、鬼のようなフルピッキングは、何度聞いても鳥肌モノでした。
一回戦も凄かったけれど、僕としては、Neo Shredさんとの二回戦が、とんでもない驚異的な攻防に思えました。
米持師匠は、フレーズが、と言っていたけれど、僕は全然そんなふうには思わなかった。
むしろオリジナリティにあふれた新鮮なリックを次々に繰り出していて、凄いと思った。
Koyakenさん
試合前に楽屋で、グラムロックのようなメイクを施している彼を見て度肝を抜かれた。
アニオタを自称していたけれど、アニオタを自称しつつもおもいっきりロックするんだというスピリットが本当にはじけていて、本当に魅了された。本当に輝いていた。
技術も素晴らしいけれど、それ以上にそのスピリットに感動した。
ぶっちゃけ、今回個人的にいちばん好きなギタリストかもしれない。
一緒に演奏したいと思うギタリストだった。
そして勢いのあるピッキングもすばらしかった。
サウンドも、芯のある音と、高音のきらめきを兼ね備えた素晴らしいものだった。
米持師匠はサウンドについて文句を言っていたけれど、僕は同意できなかった。
Force-9さん
まさに黒い弾丸。
個人的には前回の大会で見たときよりも、シブくてかっこよかった。
一回戦からセギノールさんとのぶちかましの試合になって、どうしようかと思った。
リハーサルでこの二人が弾いたとき、Sound Crewの関係者が、思わずみんなあまりの速さにあきれて笑ってしまったという、そんなレベルの高さ。
多大な貢献をしていただいていると思います。
まさに速弾き師。
カツ屋さん
今回最年少、そして見事にベストルッキングギタリスト賞を獲得。
所属バンドEaterの人気っぷりは、今回も女性ファンが(ギターイベントにもかかわらず)かけつけたことから伺える。文句なしのイケメンボーイ。
彼は若さのせいか、今回は本番で実力を決して全部出し切れていなかったかもしれない。
しかしリハーサルで彼のプレイを見たとき、関係者は皆背筋に寒気が走った。
19歳で、この驚異的な完成度のプレイ。
そのとき、皆、最年少王者の誕生を予感して戦慄したと思う。
若さ、それは紛れも無く、誰よりも勝る才能。
次回こそ、最年少王者記録を塗り替えてほしい。
Kousukeさん
とても気さくで、絵に描いたような、関西のロック兄ちゃん。
その親しみやすいパーソナリティに、まずノックアウト。
今回は、彼の魅力を伝えるには、時間が足りなかったかもしれない。
ぜひ、所属するBlack Steel Rainのライヴを見てみたい!
反省点、
て、これは、主催者側のメールに流すべきものだけれど。
昼間開催でバンドが確保できなかった
それによって、Above Da World Sound Crewが出演となったが、
それに伴い以下の問題が発生した。
オープニングに、キーボードをメインとしたインスト曲を演奏することになったが、
それを演奏することが決定したのが、本番の前日。
どういう形で、どういう演出として演奏するのか、詰めが甘かった。
結果、オープニング演奏後、適切な演出がなされず、イベントの流れとして間延びしてしまった。
また、Sound Crewの演奏において、ヴォーカリストが入れ替わり演奏する形式だったが、
ヴォーカリストの入れ替え時や、演奏時における、MCならびに、お客さんとのコミュニケーションが取れておらず、見ているお客さんは「?」のまま演奏が進行してしまっていた。
これは、MCをきちんと決めておくなり、なにか処置が必要だった。
打ち上げの際に案が出ていたように、
たとえば、BGM(DJ)担当が、音楽監督・舞台監督を兼ねるなりして、ステージ上の進行を管理・計画する立場の人が必要かもしれない。
Sound Crewのメンバーは、皆が熟練のミュージシャンというわけではなく、
たとえば、今回ベースを担当したうちの嫁さんは、とてもミュージシャンとしての素養があるわけでもなく、経験も不足している。
結果、本番前にチューニングができない、という事態が発生し、
(またアスペルガーゆえにその事を的確に周囲に伝えられず)
ベースのチューニングが大幅に狂ったまま演奏をしてしまった。
で、ベーアンの前に居た僕はとばっちりをくらってギターソロを半音下で弾いてしまった(笑)、ま、それは自分が悪いんだけど。
あやうくチューニングが狂ったままで決勝戦のバックを演奏するところだった。
僕がギターからベースに持ち替えた段階でさすがにチューニングがおかしいことに気付いた。
そして、スタッフがそれぞれの役割を持ちながら、Sound Crewの演奏もこなすというのは、
やはり幾分無理があるような気がした。
固定カメラがあったにせよ、移動カメラ担当の僕は、自分が伴奏を担当した決勝戦は撮影できていないし、最後のジャムセッションも撮影が間に合わなかった。ていうかリフ弾いてたし。
うちの嫁さんのラウンドガール、twitter更新、サウンドクルー、というのもいろいろ無理がたたっていた。
新体制での初回、それにいろいろと不確定要素が多すぎたため、
これらは仕方ない問題ではあったけれど、
次回にはもっとシビアに演出やステージ進行を詰めることができればと思う。
僕がどこまで関わるかはわかんないけどね。
しかし、記念すべき新体制への移行第一回としては、
十分すぎるくらいに結果を残した大会だったことは事実です。
お昼ということもあり、またバンドが居ないこともあり、集客の問題もあったけれど、
次回はばっちり狙いを定めて行う、夏のG-1、
ここでは、集客は心配していない。きっと成功するだろう。
そのための土台は、見事に築くことができたと思っている。
見事だ、Kizzyさん。
そしてやんくんをはじめとするAbove Da World関係者の皆さん。
G-1は、これから、大会として、
また、速弾きギタリストの帰るべき場所としてのギターコミュニティとして、
きっと発展していくだろうと思う。
その中心として、Kizzyさんは、しっかりとカラーと方向性を打ち出した。
方向性を打ち出せば、当然アンチも出るだろう。
しかし、それも必要なことだ。
G-1は、もともと、Above Da Worldそしてやん氏を中心とする、
かつての大学OBのコミュニティから始まった。
そして、それは、これから、Kizzyさんを中心とした、
真にギタリストの心の拠り所としてのコミュニティへと
生まれ変わろうとしているのかもしれない。
彼を中心として、G-1は、新しい指針を獲得し、
ギタリスト達の切磋琢磨の場として機能していくことができれば。
それがG-1の未来だ。
なんちゃって。
自分の演奏の反省と感想。
サウンドが良いとほめられた。
なんか聞いた話では、出場ギタリストさんたちから、サウンドがいいと言われていたらしい。本当かしらん。本当だったらとても嬉しい。
なぜ良いのか。
それは体質だ、
伊達にTone(音色)(TakahirO NakaminE)って名乗ってないよ、
なんて、言いたいところだけれど(笑)
セッティングとしては、出場選手の皆さんと同じように、オーヴァードライブ一台だけをブースターに使ってアンプに突っ込んだ。
使ったペダルはMarshallの骨董品Drive Masterだが、
ただ正直、この日のサウンドは、コピバン用というか、セッション用というか、
「きっとハードロック、メタル系の演奏だったらこういう音が好まれるだろうな」
と思って適当に選んだ音で、
自分の本当に好きな音、自分のバンドで使っている音ではないので、
ほめられてちょっと複雑なところがある。
音というのは価値観で、
たぶんそしたら、自分のバンドで使っている自分の本当の音だったら、
嫌い、ていう人も多いんだろうな、って思うから。
使ったギターは例の、14歳のときから弾いている骨董品のJackson Soloistだ。
たまにはと思ってひさしぶりに引っ張り出してきた。
こういう場でもないと使わないし。
スルーネックのしっかりした音だったからそれも幸いしたかもしれない。
ただ、やっぱし、24フレットは嫌いなんだ。
先述したように嫁さんがベースのチューニングを間違えていて、
かなり低かったため、
ベースのまん前に居た私としては、
Trooperのソロは、全部アドリブだったので、
ん?なにこれ、と迷って、途中から半音下で弾いちゃった。
大失態です。
ソロを決めておけば、あるいは、よかったんだろうけど。
でも、24フレットって、ほんと、そのへんわかんなくなるのよね、私。
22フレのギターだったら、たぶん迷わなかった。
なので、やっぱ22フレットの方が、やりやすいな、と改めて思った場でした。
速弾きについては、いつも言うんですが、
僕は、ギターを始めた14歳のときから、
速弾きギタリストになりたい、なんて、一度も思わなかった。
ただ、一人前のヘヴィメタルギタリストになりたかった。
その思いは、今でもあんまり変わりません。
ずいぶん他の音楽に、浮気もしたし、
あまりヘヴィメタルでないスタイルに、なってしまっているけどねー。
これからゆっくり精進します。
しかし米持師匠は打ち上げに来ないで帰ってしまわれた。
米持師匠は、この日の僕のサウンドをどう評価したか、ぜひ聞いておきたかったけれど。
一応、僕、米持師匠んとこで、2年半くらい、「修行」してたんだもんね。
もっとも、サウンドの価値観、合わない部分も、多かったんだけどね。
先日、米持師匠に、この前作った”God Rocks”聞かせたんだけどさ、
きっとそのときみたいに、こう言うんだろうな。
「うん、悪くはないよ。良くもないけどね。」