ワールドカップ見ちゃった。
大してサッカー好きでもないし、詳しくもないくせに、
日本代表の予想外の健闘をきっかけに、
なんだかいい歳して、
見てるといろんな国のお国柄とか文化とか、世界がちょっと垣間見えるような気がするのが面白くて、
ついつい見てしまった。
まああれですね、みんなそうだろうけれど、
日本戦の後、ベルギー代表にすっかり魅了されちゃったんだよね。
なので、先日も言ったように、僕はサッカーも詳しくないし、全然わからないが、
あくまで素人目線で、印象論で、精神的な部分を観戦する方向で。
で、決勝戦。
フランス対クロアチア。
普通に考えたら、フランスが有利なんだろうけれど、
準決勝のクロアチアのとんでもない突破力と、走りまくりの突進力と、
あとなんかよくわからんが溢れまくっている闘志を見てしまうと、
ひょっとして、ひょっとするかも、と思って楽しみにしていた。
で、決勝、始まって、見てたら、
すごい殺伐とした試合(笑)
なんか至近距離でお互いに居合い抜きをしてるような、
すごい隙のないプレッシャーをかけていく、息が詰まるような戦い。
うわー、すげー。
でも、殺伐とした、この殺し合いみたいな展開は何、って。
だから、すごい試合ではあったけれど、
楽しい試合では、やっぱりなかったんじゃないかな。
あまりに隙が無さ過ぎて、ファウル上等、戦意がルールの枠を越えていて、
むしろそこに審判が付いていけてない。
だから、審判の判定も、微妙な感じだったし、
え、それでいいの、みたいな。
ファウルとかPKとかハンドとか、色々あったけど、
やっぱりちょっと選手というよりは審判の方に問題があったように思う。
クロアチアの選手は気合いが入り過ぎて、空回りしてしまったのか、
あるいは運が無かったのか。
細かいところでミスが出てしまうのはプレイの精度が足りないと言う事なのか。
それはやはり試合日程による疲れなのか。
前半はまるで、自分で勝手に自滅して、自分で勝手に挽回するような。
けれども、それを差し引いても、
クロアチアの突進に、フランスは対応できていたし、だんだんその対応も上手く機能するようになったし、
そんでもって、判定やラッキーはあったにせよ、しっかりと得点を取れる実力はさすがとしか言いようがなく。
もともと、クロアチアの突進力がすごいから、
「矛盾」の故事みたいに、最強の矛と最強の盾がぶつかる試合かな、と思っていたけれど、
フランスは最強の盾を持っている上に、もう一方の手にはマシンガンも持っているようなとんでもないチームであったから。
最終的にはやはりフランスの強さが際立った。
フランスがリードしてからは状況がもたらす精神的な余裕から、明らかにフランスのペースになっていったし、よくわからんが「戦略」もやはりはまっていたようだ。
だが、そこであきらめず最後まで攻撃をし続けたクロアチアも凄かった。
凄かったが、後半になると、攻撃する、のではなく、攻撃させられる、というふうになってしまっていたが。クロアチアの突進力をもってしても、フランスが引いて守ると、攻めあぐねてしまっていた。
前半のいろいろなグダグダは残念ではあったが、
後半のフランスの見事なゴールと試合運びを見ると、最終的には決勝にふさわしい充実した試合になっていた。
が、それが楽しい試合であったかというと、そうではなく、
やっぱり結果としての勝利と殺し合いを前提とした殺伐としたサッカーであったので、
たとえ勝者ではあってもそれをもって「最高」のサッカーと言うにはやはり無理があるだろうと思う。
しかしフランスは、今回、攻撃も守備も両方をパーフェクトに兼ね備え、なおかつ戦略上もっとも優れていたチームだったのは事実だろう。
90分のゲームの中で試合に勝つ、という明確な目的の中、冷徹なまでにプランを遂行するサッカーだったような気がする。
で、こっからが精神論だけれど、
先日書いた記事の「追記」の中で、
ではフランスが「皇帝」「覇者」であるとするなら、
それに勝てるとすればそれは「王者」である、みたいなことを書いたが、
(王者、って、何だっけ、孟子か何かだっけ?)
すさまじい気迫で突進するクロアチアは、
その気迫と闘志が「王者」足りうるかどうか、楽しみにしていたが、
やはり猪武者、ではないものの、勇ましい荒武者、で終わってしまった感がある。
もっとも、それも美しかったし、感動的であったが。
ベルギーは、3位決定戦の内容も素晴らしいものだったから、
ヨーロッパの微妙な位置にあって「変わり者」であり続けるその存在は、
ひょっとしてもう少し成長する時間が与えられていれば、「王者」へと変貌する可能性もあったかもしれない。
イングランドは、サッカー発祥の国ということで、
精神的にやはり何か背負っていて、プレイスタイルも正統的な印象を受けたので、
ある意味「王者」に近い部分があった。
だが、お国柄なのか、なんかやっぱし社会的に背負っているものが重いように思われ、
ああ、若いチームなのに可哀相だな、って。
ただ、自分もバンドやってる身としては、
ロックの歴史の中でブリティッシュロックがいかに世界を支配してきたか、ということを考えると、
その背負っている「お国柄」っていうやつは、決して軽視できず、
東洋の似たような島国に生きるアジア人の一人としては、
かなーり複雑な思いとともに、彼らの姿を見ていた。
つまり、それは「支配する側」の精神性だということ。
だからあんな傲慢で偉そうなロックを、どまんなかから鳴らせるんだよなあ。
それにつけかえ日本のロックは・・・(以下省略)
でも、自分は90年代世代だから、そのへんで言えば良い時期のBlurとか聴いてみるとね、やっぱりそのブリティッシュロックの優位性というものを、感じるけどね、ひしひしと。
そのへんは、フランスにももちろん同じようなことは言えるんだけれど。
海を隔てたライバル関係みたいのを思ってしまうよね。両国の。
でも、やっぱベルギーの方が現状だと自由な感じで楽しいサッカーだったなあ。
そして、そんなベルギー相手に良い戦いをした日本も、あともうちょいのところまで来てるんだろうね。
あとは、政治がしっかりすればなあ。(遠い目)
でも、あのベスト16でベルギーと日本が演じた「美しいサッカー」は、ひとつの答というか、大事な何かを世界に示したんじゃないかなあ。
余談としては、ではサッカーが戦争だとするのであれば、
そしてそれがお国柄を反映するものだとすれば、
アメリカはサッカーはそれほど盛んではないが、
アメリカでフットボールと言えばそれはいわゆる「アメフト」を指す、
というのは、
アメリカは戦争ですら自分たちの独自のルールでやりたがる、ということではないかと。笑。
そんで、他の国のことはお構いなし、みたいな。笑。
あとは考えちゃったな。
優勝した国がワールドカップ抱えて歓喜している栄光の様子を見て。
果たして、こんなふうな「栄光」が、どのようなものだろう、って。
僕にとって、興味のあるものだろうか、とか。
本音を言えば、わりとどうでもいい、というか。
では、自分にとって興味のある「栄光」とは何だろう、とか。
あとは、ワールドカップというのは国ごとに戦う大会だけれど、
国、という単位、主体ではなく、
クラブチームもなんだろうけれども、
本来、もっと本来の意味で戦うべき「主体」は何だろう、って。
ともに「王道」を育むべき「仲間」は誰なのだろう、って。
もうひとつは、ではフランスがこのような形で今回は優勝し、
現状で世界のサッカーのレベルは非常にこのようなハイレベルで切迫した、僅差の戦いで、だからこそ戦略が重要な時代になっているようだけれど。
では、今後のサッカーの未来を考えるに、ゲームの意義や、ルールの枠も、きっと意味合いが変わってきて、それこそ今回の大会でも感じたように、試合の勝敗以上に、そこに何を表現するのか、その試合やパフォーマンス、戦いの中で、何を表現し、何を描き出すのか。
そっちの方が、重要になってくるんじゃないか、って。
そういう意味では、今回のベルギーは間違いなく勝者だったわけだ。
クロアチアも間違いなく大きなものを手に入れた。
そして日本も結構悪くなかったわけで。
で、あれですよ。
現状、今回は「皇帝」みたいな「帝王」みたいな冷徹な試合運びをするフランスがやっぱりワールドカップでは優勝したみたいですが、
目指すのであればさらにその上の「王者」を目指そう、という話です。
もっとも、そんなのは理想であって、
実際にそんなものが、存在するのか、わからないけどね。
結局、イングランドも、ベルギーも、クロアチアも、ブラジルですらも、
「王者」には、なり得なかったのだから、少なくとも今回は。
でも、存在しないかもしれない、現実にはありえないかもしれない、
それくらいの理想だからこそ、「王道」と言うのであって。
ではそんな「王道」と言えるサッカーが、どんなものなのか、それは僕は専門外なのでぜんぜんわからない。
けれど、他の分野なら、もうちょっとわかることもあるかもしれない。
音楽とか。
だから皆さんそれぞれの分野で「王道」を築いてください。
ってね。笑。
私は、出来るかどうかわかりませんが、自分の音楽人生の最終目標である「鍋島」を鳴らすことで、その答に向かっていきたいと思います。
日本人として、ブリティッシュロックや、世界の様々なロックに、対抗できる、何かをね。
王道によって統べる。
国を建て上げる、
って言ってるのは、冗談じゃないんだけどなあ、笑。
建て上げたいね、俺の王道。