忍者と農業と修道院

なんかのきっかけで、たぶん漫画か小説か何かの影響だろう、「忍者」という言葉をぐぐってみた。

そこに書いてあったには、忍者というのは、平安時代に荘園というものがあったと思うが、その荘園の領主に対して反抗的な態度を取っていた「悪党」と呼ばれる人々、それらがひとつのルーツになっているらしい。

少なくとも、甲賀忍者だか、伊賀忍者だか、そのへんの解説にはそうやって書いてあったように思う。

 

それを見て、うーん、忍者、かっこいい、そう思った(笑)

悪党って呼び方もなんかかっこいいと思うんだけれども、
そうやって権力者に従わなかった人たちとか、それらの村とか地域が、
それでも独自に生きていくために、「忍術」みたいのを発展させていったのだろうと思うと、それはあまりにもかっこいいな、と思う。笑。

忍者っていうのは何も戦うだけじゃない。
情報収集とか諜報活動とか、その孤立した「悪党の村」が生き延びていくために、そこにはあらゆる技術であるとか活動があったに違いない。

その中にはもちろん農業ということもあっただろう。

 

侍っていうのは基本、大名とか将軍とかそういうのが居て、そこに仕えるための主従関係があると思うけれど、忍者っていうのは農民とか平民とかそういう被支配層から生まれてきた、と考えると、なんかもっとずっとかっこいいじゃん、と思える。
つまりそれは、インディペンデントに生きていくための集団であり、技術であり、哲学だからだ。

侍は天下を取ったり、領地を得たり、出世したり、とか、そういうのが目的だと思うけれど、忍者は別に天下を取ろうと思っていないんじゃないか。それは自分たちが自分たちらしく生きていくための技術なのだ。

 

 

日本の歴史の中で、そういうのが他にあったかもしれんし、なかったかもしれないが、西洋の歴史を見ていて、ちょっと立場が似ていると思ったものに「修道院」ってやつがある。

これも、ぐぐってみてWikipediaの記述とか見たら、そう思ったのだ。

つまり、初期のキリスト教徒の人たちが、なんでもそうだけど初期の人たちは純粋で熱かったと思うんだけれど、
そういった熱心な初期のキリスト教徒の人たちが、もっと神の教えに従って純粋に生活したい、ということで、砂漠とか荒野とかそういう場所に出ていって、孤独に、ないしは同じ志を持った人たちで集まって、独自に生活を始めた、と。

で、それはやっぱり自給自足になるわけだ。

農業を始めとして、いろんなことがみんな自給自足だったに違いない。

そのうち、荒野とか砂漠だけじゃなく、都市部にもそういった「修道院」みたいのが出来始める。

彼らは俗世間と距離を置いて生活しながらも、自給自足で独自にやっていくうちに、なんかいろいろと編み出していくわけだ。つまり発展していくわけだ。
技術的な発明とか発展とか、そういうやつを、起こしていく。

農業であれ、酒造であれ、技術であれ、なんかしらんけど修道院を起源として技術や科学が発展していったということは、ヨーロッパの歴史の中で多々あるらしい。

もっとも、修道院の人たちが忍者みたいに「戦う技術」まで磨いていたかどうかは知らないけれど。

 

 

修道院というものが出来た理由、そこで人々が独自の生活をしようと望んだ理由、それは信仰だった。

それはわかる。

彼らには守りたいものがあって、それは何かと言ったら信仰だったのだ。

キリスト教の人たちってこのへんすごく熱心で、ヨーロッパの歴史を見たら、宗教改革とかもそうだし、ピューリタンの人たちがアメリカに渡った理由とか、ぜんぶこれと同じじゃん。色々の事情はあったかもしれんけれども。

 

忍者にもきっと守りたいものがあったと思う。
それがなければ、荘園領主なり、権力者に従ってしまえばよかったのだから。
それは何だっただろうか。
誇りだろうか。正義だろうか。
そして彼ら忍者の価値観の中心にたとえばそれらの「信仰」が関係していたことはあっただろうか。

けれども、何かの精神的な支柱、何かの価値観がなければ、厳しい忍者の生活、それらの技術の鍛錬であるとか、結束を保つことは出来なかったんじゃないだろうか。

 

ひとつ思うのは、それら彼らの独立してインディペンデントに生きていく中で、農業というものはやはり重要だっただろう、ということ。

当たり前のことなんだけれども。

政治とか支配とかを考えると、その中で農業ということは、ものすごく大事なことだ。
孤立した者たちがインディペンデントに生きていくためには、やっぱりこの農業ってことをなんとかしなきゃいけない。

そして、たとえば歴史の中を振り返っても、昔の人であれ今の人であれ、革命ということを考えている人は、みんなやっぱりこの「農業」ということにたどり着くみたいだ。

みんなたとえば、そういう人たちは、有機農業とか、そういうものにたどり着いているみたいなんだよね。

それは、たぶん今の時代でも変わってない。

社会を変える、っていうことは、農業を変える、っていうことに、結構近い部分があるみたいなんだよね。

 

そういえばこれも最近、やっぱり種苗法の改正について、いろいろなことが言われている。

巨大資本であるとか支配層が農業をコントロールするようになれば、そういった「独立自尊」で生きていくことも、インディペンデントに自治をしていくことも、出来なくなってしまうだろうか。

たぶん農業を統制するっていうことは、そういった革命的とか反権力みたいなものを押さえつけることだと思うね。

ただ、僕は日本酒のファンであるけれども、売れ線の安っぽい酒はいくらでもあるけれど、本当に個性や物語のある美味い酒は、そういった考え方では作れないと思うね。

使う米にせよ「造り」にせよ、やっぱそういった独立自尊というかインディペンデントな考え方の中から、豊かな個性とメッセージを持った酒が生まれると思う。

その豊かな文化を殺して欲しくはないね。

 

ただ、忍者、それから修道院、について、歴史の中でそういったものがあったことについて、面白いな、かっこいいな、と思ったのだけれど、

知ってのとおり、忍者なんてものはもう今の世の中には存在しない。
たぶん戦国時代の終わりとともに、忍者とかそういうのは役割を終えていたはずだ。

修道院はまだあるかもしれないけれど、宗教なんてものは現代の世の中ではずいぶんとっくに形骸化している。
神の教えに忠実に生きるにしても、修道院にこもるよりももっと何か別の方法があるし、現代ではそうだと思う。
あと修道院はだいたいカトリックだと思うし。
プロテスタントの人たちは現実の生活の中で普通に商売やってその中で信仰を守る、みたいなところから始まってるじゃない、たぶん。

どっちにしても、Wikipediaにすら書いてあると思うけれども、歴史が進むにつれて修道院とか宗教そのものも形骸化して、その本来の目的とか純粋さから離れていってしまったわけだ。
それでも自己改革みたいな運動が起こったのがキリスト教の凄いところだと思うけれど。

 

どっちにしても、そんなふうだから、
今から忍者になろう、とか、修道院を作ろう、とかやっても、あんまり意味はない。

 

でもこれは各地で教会をやっているキリスト教の牧師さんは、ばっちり当てはまることだから、参考にして、考えているのかもしれないな。「信仰をもとに集まっている集団」は今でも存在しているのだからね。
その熱さとか、結束の固さとか、そういうのは、それこそ初期のキリスト教の頃から、形骸化した部分も多々あれど、その熱さは少しも変わっていない部分も、やっぱりある。
それは、僕だって身を以てよく知っているし、自分で見てきたし、聞いてきた。

 

今、そういった「忍者」の村を作るとすれば、それはどのようになるだろうか。

農業ということもそうなんだけれども、文化、発信、そういったことは現代ではもちろん大事になってくる。

当然、音楽もそうだろうと思う。

 

国や権力は農業について規制が出来るかもしれない。
けれど音楽はどうだろうか。

(もちろん音楽も、規制も統制もされてるだろ、と言っていいが、その先のこと)

 

地酒とか、そういうのと同じで、
音楽も、独自に、インディペンデントに作り、鳴らし、

押し付けられた大量消費のためのプロパガンダではなくて、
信仰であれ何であれ、もっと大切なものを守るために、
音楽も「自給自足」しなければならない。

そのためにロックンロールの「道」が示されている。
少なくとも「ロックンロールの母」であるSister Rosetta Tharpeはスタート地点からすでにそれを示してくれていた。
信仰をロックで鳴らすということを。
そもそもロックは信仰だったということを。

 

肉体的な食い物ではなくて、音楽は精神的な食い物だ。
僕に言わせれば、こっちの方が何百倍も大切だ。

どちらにしても独立自尊で自給自足をしようとする忍者が現代にいたとすれば、
その学ぶべき「忍術」のカテゴリの中には、「音楽」も含まれていただろう、そうに違いない。

そしてたぶんこういうことは、
キリスト教のミニストリーの人たちは当然、考えていることだろう。
(キリスト教のミニストリーの中で、賛美、ワーシップ、それらの音楽が非常に重要な位置を占めていることについては、言うまでもない)

 

人が人として大切なものを守って、独立自尊で生きていくために、
やっぱり音楽や信仰、そうした目に見えない精神的なものこそ、
守っていかなくてはならない。

それに少しは寄与するために、頑張ってここまで歩いて、”Nabeshima”を作ったつもりだよ。

たぶんこれが僕なりの「忍者」の形かな。

ちゃんとリリースするまでがんばります。

 

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