Pro-lifeじゃない人なんていない

 

 

先月、アメリカで妊娠中絶(abortion)に関する判例が覆るという出来事があった。
それは社会的に大きな波紋を生んだ。

馬鹿みたいな話なんだけれど、
一応クリスチャンバンドという趣旨でやっている以上、
社会派のバンドやアーティストがみんな声を上げている時に、
何事もないかのように黙っているのは違う気がして。

ソーシャルメディアに一応、書いてみたんだよね。

もっとも、僕の尊敬するミュージシャンはみんなリベラル側だけど。(アーティストってだいたいそんな感じだよね。)

一応僕らはクリスチャンバンドであり、伝統的なキリスト教(とされる)価値観も、もちろん理解できるし、クリスチャンの人たちに向けてより良いメッセージを発することもしたいから、折衷っぽく、あたりさわりなく、書いてみた。
結局なんか日本人ぽい。笑。

翻訳調ですが勘弁してください。

これは僕が先月ソーシャルメディアに投稿したものだ。
なぜなら、世間でちょっとした出来事があったから。

この瞬間にも、僕は「うーん、これを本当にここに投稿すべきだろうか」と迷っている。でも僕らは別に1億人のリスナーがいるバンドじゃない。だから反発も最小限で済むだろう。

ウェブサイトを更新し、新しいEPや、Tシャツや、ツアーの計画を発表する前に、ちょっとだけ政治的なトークをしてみたい。実際にはそれほど政治的ではないけれど。

なぜなら人々が分断されているからだ。

僕がアメリカのキリスト教の世界で、好きでないところのひとつは、政治色が強過ぎるところだ。

僕は、イエス・キリストとその十字架による救済は、政治とは何の関係もないものだと信じている。

僕らみたいな日本のインディバンドが、こういう発言をするのはおかしいのはわかっている。別に僕らがこういった話題について言及する必要はない。

けれども世界の中で人々が傷付いていたりする時に、何事もなかったように黙っていることはできない。
一応、僕らはクリスチャンバンドだから。
笑われるかもしれないけれど。

こういった事柄は、両方の側から努力することが必要だ。

僕らは子供たちに、命の大切さを教えなければいけない。
愛の大切さを教えなければならない。
若い人たちに、愛の意味が理解できるような教育をしなければならない。

同時にまた、僕たちは、完璧な世界に住んでいるわけではないということも知る必要がある。
結局のところ、僕らはみんな(キリスト教で言うところの)「罪人」であり、間違いを犯す。
世界には、犯罪や、病気や、戦争や、その他の悪い出来事がある。

だから僕らは困っている人たちを助けなければいけない。危険な状態にある人々を助けなければならない。弱い立場にある人たちを助けなければいけない。

キリスト教で大切なのは「正しい」ことじゃない。大切なのは「悔い改め」と「許し」だ。僕はそう理解している。

 

僕は(アメリカの)人々が、”pro-life”とか”pro-choice”といった言葉を使うのがあまり好きではない。なぜなら殺したり、死んだりするのが好きな人はいない。人は何の理由もなく自殺したりしない。

そういう意味では僕は人はみんな”pro-life”だと信じている。けれども、時には選択の余地すらないこともある。

僕たちは完璧からは程遠い。けれども僕らは世界をより良くする努力をし続けなきゃいけない。

誰も人を殺す必要がないように。
そもそも中絶をする必要が最初からないように。

(そして究極的には、世界から戦争がなくなるように。)

それはとても実現が難しいことかもしれないけれど。

そしてそれが、僕がこの前、こういった投稿をインスタグラムにした理由だ。

 

 

 
 
 
 
 
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Imari Tones(@imaritones)がシェアした投稿

 

 

Toneの個人的な投稿。

日本のインディーミュージシャンに政治について話してほしい?
たぶん誰も望んでないだろう。だからこれは個人的な投稿だ。

日本では国政選挙が近づいている。
そして言うまでもなく、最近アメリカで起きた出来事。

なんだか「政治的な」コメントをしなくちゃいけないんじゃないかと思った。
(まいったな、僕たちはただの日本のインディーバンドなのに)

僕たちは日本のクリスチャンメタルバンドだ。
僕たちは典型的なメタルバンドとは違う。
そしてたぶん、典型的なクリスチャンバンドとも違うだろう。

僕らみたいなバンドにとって、政治的な事柄について話すのはリスクがある。
一般的に、パーティーで政治と宗教については話題にしちゃいけないって言われる。

(スポーツについて話すのも避けた方がいいかもしれない。日本の場合だとそれは野球だ。たくさんの人々がローカルチームを熱心に応援しているから。)

でも僕らはクリスチャンバンドだから、そもそも最初からこのルールを破ってしまっている。
僕らはロックンロールパーティーにおいて信仰を語ることをためらわない。
だから、政治について語ることにも、それほどためらいはない。

けれども出来ればそれはしたくない。
なぜなら政治は何も解決しないということを、僕は人生の中で学んだからだ。

人間というものは権力を愛する。
人々が権力に夢中になるのは、それがあればすべてを変えられると思っているからだ。
でもそれは真実じゃない。
権力、力といったものでは、何も変わらない。
皆さんが探し求めている答えは、政治の中にはない。

ジーザスと、彼の十字架は、政治権力とは何の関係もない。

(もっとも僕は心の奥では、人々はいつか民主主義の名の下にひとつになることを信じているけれど。)

この世界は完璧じゃない。
僕たちは完璧な世界に住んでいるわけじゃない。

だけれど、それでも僕らは世界をより良い場所にしなきゃいけない。
この世界を完璧な世界に近付ける努力をしなくちゃいけないんだ。

一方では、僕たちは世界をよくする努力をしなきゃいけない。
犯罪というものがない、人々が間違いを犯さない、子供たちに愛の意味を教え、命の大切さを教え、戦争もなければ中絶もない世の中を。
(戦争による殺人も、中絶による殺人と同じく、それは殺人には違いない。)

もう一方では、僕たちは完璧な法律を作らないといけない。
すべての人を平等に扱い、ひとつひとつのケースを愛をもって扱うような、そして医学的な理由など、本当に必要な場合にだけ中絶を可能とするような法律を。

けれどもこの世界は完璧じゃない。
僕たちは完璧じゃない。
僕たちはただの「罪人」だ。
みんなわかってるはずだ。

僕らは間違いを犯す。
この世界にはまだ戦争というものがある。
同じ理由で、この世界にはまだ中絶というものがある。
(たとえ、そのどちらも望んでいなかったとしても)

だから、そこには苦しむ人々がいる。
困った状況に置かれる人々がいる。
特に、弱い立場の人々はそうだ。
社会的に、肉体的に、経済的に、弱い立場にある人々は、そういった状況に置かれることが多いだろう。

僕たちはそれらの人々を助けなきゃいけない。
それは政治的な立ち位置とは、まったく関係のないことだ。

完璧な法律を作ることは不可能だ。
なぜなら、人間の政治、人間の政府には限界があるからだ。

完璧な世界を作り上げるまでには、僕たちにはまだまだ長い時間が必要だ。
なぜなら、本当の意味で神の法に従うことなど、誰にも出来はしないから。
(君は出来るか? 僕には出来ない。だから僕にはジーザスが必要なんだ。)

けれども、僕たちは前に進んでいるのだと、そう信じている。
人類全体として、僕たちは前に進んでいる。お互いに理解し合い、世界をより良い場所にするために。

人々は、「おれたちとあいつら」とか、「勝つか負けるか」とか、「正しい、間違っている」とかいうふうに考えがちだ。
けれども僕に言わせれば、それはみんな幻想だ。
「おれたち」も「やつら」もない。
僕らはみんなおんなじだ。
僕らはみんな、ただの罪人だ。
正しいも間違ってるもない。
なぜなら僕らはみんな間違っているからだ。
聖書だってそう言っているはずだ。(ローマ書3章10節)

だからジーザスに救いを求めよう。
困っている人々を助けよう。
僕たちは人を裁くためにここにいるわけじゃない。
僕たちは互いを愛するためにここにいるんだ。

ご支援をどうもありがとう。
僕たちはあなたたちの、イエス・キリストへの情熱をとても愛しています。
だから、さあ、互いに愛し合いましょう。

(また機会があれば、僕はこのことについてもっと話してもいいかもしれません。でも、ソーシャルメディアではやめておきましょう。)

僕は日本のキリスト教徒であり、典型的な保守層とも、典型的なリベラル層とも違うかもしれない。

もっと話すことも出来るけど、きっと右も左も気分を害してしまうだろう。(日本の政治はまったく違うものだから)

少なくとも、自分はこのトピックについて、2つの個人的なストーリーをシェアすることができる。
ひとつは、「自分だったら」という話、もうひとつは「僕らのリードシンガー」についての話だ。
でも、また別の機会にしよう。

今回は僕は単に、より良い社会、より良い国、より良い世界を作るために、皆で一致して協力しなければいけない、っていうことを言いたかっただけだ。

 

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