整髪料とラッカー塗装

 

 

これ、些細なトピックではあるんですが、ずっと書きたかったんですよね。

ギターの塗装についての話です。
ギターの塗装と、整髪料の関係について。

あんまりググっても出て来ない気がしています。
検索の仕方が悪いのかもしれないけれど。

そして、ギタリストの皆さんとこういう話をする機会が、あんまりない。

つまり、ラッカー塗装についてです。

 

ギターの塗装ってことについては、世の中では色々なことが言われていると思う。
昔ながらのラッカー塗装がいい、っていうギタリストは、たくさんいるのではないかと思います。

ラッカー塗装はヴィンテージっぽいし、値段も高い。
ポリ塗装?ポリエステル?ウレタン?
そういった一般的な塗装の方が、普通ですよね。

また塗装とギターの鳴りっていうトピックで言えば、オイルフィニッシュというものも興味深く見逃せません。

 

僕自身は、きれいな塗装で、塗装の膜が薄めに作られていれば、別にラッカーじゃなくても、ウレタン(?)の塗装でいいんじゃないかな、と思っている方です。

でも、ラッカー塗装もやっぱり魅力的ですよね。
そして、塗装によってギターの鳴り方が違うっていうのは確かに本当だと思います。

 

僕はいつも言っているように、2013年か2014年以降、Bacchusとか、ディバイザーさんとこの楽器のファンです。
そのBacchus等の楽器、手持ちのギター、ベースの中には、「トップラッカー」という塗装で仕上げられた楽器がいくつかあります。

これは、下地みたいな部分はウレタンだかポリウレタンだか、そういうやつだけど、いちばん表面の部分だけラッカーですよ、っていうものかと思います。

なんで表面だけラッカーなのかというと、それはたぶん見た目の問題ではなかろうかと思います。つまり、見た目的にラッカーの質感が良いから、表面だけでもラッカーにしました、ということでしょうか。
音の上では、ウレタン塗装とそれほど変わらないのかもしれません。

でも、見た目がきれいで楽器に愛着が持てるのであれば、それはとてもいいことのように僕は思います。

そんな感じで、「トップラッカー」仕上げのギター/ベースが、うちに、ひとつ、ふたつ、みっつくらいあるのです。(Marieのベースも含めて)

 

しかし、ある時、この「ラッカー塗装」について、ひとつの重大な問題に気が付きました。

それは、バンドのアー写撮影をしている時でした。
撮影が終わり、楽器を見ると、楽器の表面に指紋が付いていたのです。
そして、その指紋が取れなくなってしまった。

 

どういうことかというと、こういうことでした。
アー写撮影ということで、髪の毛を整えなきゃー、ということで整髪料をがっつり使用した。
手に整髪料が付いた状態で、ギターを触った。
その結果、整髪料に含まれる成分が、ギターのラッカー塗装と反応し、塗装が白濁して、指紋の痕が残ってしまった。

というわけです。

 

ラッカー塗装というのは、デリケートだと言われます。
気温の変化によって「ウェザーチェック」と呼ばれる細かいヒビが入ったりする、有名な現象があったり。
ギターをスタンドに立てかける時にも、ゴムと反応して塗装が曇ったり、場合によっては溶けてしまう、といったことが言われます。

しかし、整髪料によって塗装が反応し、痕が付いてしまう。
これはびっくりでした。

 

そうはいっても、しょせんはトップラッカーですから、痕がつくといっても、うっすらと付くだけで、気にしない人は気にしないレベルかもしれませんが。

しかし僕はかなり、気になったのです。
そして疑問に思いました。

みんな、整髪料、どうしてるんだろう、って。
ヴィンテージギターとかにこだわってる人は、この問題、どう対処してるんだろう、って。

たとえば、つまり、ロカビリー、とか、ロケンロー、とかやってる人って、
たぶん整髪料いっぱい付けるじゃないですか。
しかも、古いビンテージギターをこだわって使ってそうじゃないですか。

そういう人たちは、ロカビリーでリーゼントな人たちとか、どうしてるんだろう、って。

 

で、僕はその後、整髪料をいろいろと検証してみました。
しかし、個人的にちょこちょこ調べた程度ではありますが、ギターのあまり目立たない場所で検証してみた結果、やはりほとんどの種類の整髪料は、ラッカー塗装と反応してしまうようでした。エタノールなのか?どの成分が反応しているのかは、僕はわかりません。

そして色々試してみた結果、ラッカー塗装に反応しない整髪料としては、あまり余計な化学物質が入っていない植物性のポマードが、ほとんど唯一の選択肢だという結論に達しました。

 

ポマード。
昔からある、古い整髪料。
使いにくいですよね。
独特の匂いもあるし。
もっと世の中には便利な整髪料がたくさんある中で、わざわざポマードを使う人は多くはないと思います。
個人的には嫌いではないですが、かなりべとつくので、シャワー浴びて洗い流さないと、そのまま寝るのもちょっと嫌、みたいな感じしますね。

でも、よく考えてみると、ロカビリーでリーゼントな人たちは、ポマードを使ってそうな気がします。しかも、たぶんポマードにも色々こだわりがありそうです。
なので、デリケートなラッカー塗装でも問題ないのでしょうか。

ロカビリー、っていうと、勝手な想像だとギターはグレッチみたいなイメージありますが、グレッチのウェブサイトを見る限りでは、昔はいざ知らず、現代では大多数のモデルはウレタン塗装になっているようですね。やっぱりそういうことなのかな〜。

 

僕は、普段はぜんぜん見た目は気にしない人ですが、バンドで演奏する時は、おかしな髪質でおかしな髪型をやっていることもあり、整髪料は必要になってきます。

その時に使うギターが、ウレタン塗装のものであれば、別に整髪料に気を使う必要はありません。
でも、今日はこのギターで行きたい、というその楽器が、トップラッカーのやつだった場合、整髪料はポマード一択になります。だって、痕が付いちゃうから。

それはそれで不便だけど、その不便さも楽しんでやっている感じです。

そして、ライブで使いたいお気に入りのギターっていうのが、結構そのトップラッカー仕様のやつだったりするのです。

 

塗装。音。スタイル。利便性。
その兼ね合い。
不便さ。
こだわりと便利さは両立しないのが世の常なのか。

みなさん、どうしてますか???

 

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