新しいプロジェクトの扉

さて「Patreonをやる」と決めて、そこで「毎月1曲新しい曲を書いて、録る」と決めてしまって以降、自分の中で結構な勢いで創作の扉が開いてしまっています。

創作に携わる人なら知っていることだと思いますが、クリエイティビティっていうのは、井戸みたいなもので、そこに水を流せば流すほど、汲めば汲むほど、もっと出てくる。作れば作るほど、もっと作れるようになる、みたいなところがあります。

タネが有限で、ある程度の数を作ったら打ち止め、というものではなく、作れば作るほど、もっとどんどん出来てしまう、という方が実態に近いと思います。

もちろんそれは一般論であって、ある種のものにはやっぱりあらかじめ決まった「有限」のものがあると思います。思い入れや、個人的なストーリーを伴ったものは特にそうです。けれどもそこに線を引かなければ、基本的には「井戸」のように溢れ出てくるものだと思います。

自分にとって、Imari Tonesという長年やってきたバンドのひとつの「区切り」として”Nabeshima”を作り上げたこと。(リリース、発表はまだまだ先ですが)
それと、Patreonやろうって決めて(今月中には立ち上げると思います)、毎月なんでもいいから曲を発表しよう、と決めたことで、「線」が取っ払われて、どうにも止まんないくらいの勢いで自分の中から音楽が溢れ出てきた、という状態です。

 

基本的には僕は、高校生くらいの頃から、この自分の中から曲がどんどん溢れてくる、という現象に苛まれて、それで人生いろいろうまくやれずに苦労してきた、というのが実情です。
それを、もうちょっと商業的な方法とか、世間とコミュニケーションが取れる形で扱っていけば良かったんでしょうが、僕はそういう感じではなかった。

不思議なことですが、世間から見れば「超ニッチ」でありえない形であろう「日本発クリスチャンメタル」の形を取って、ようやく少し、「世間」に近づいた感じです。

 

で、先日「三味線プロジェクト」を思い付いて、それらの曲を一日で書いてしまったのは先日(ソーシャルメディアに)ポストした通りです。
けれども、これを実際にやるのは早くても来年。現実的にはもっと後かもしれません。
なので、肝心の三味線を手に入れるのは全然急がなくていい。手元に予算があるわけでもない。
こういうことを言うと、ちゃんと三味線をやっている人からは、ちゃんと習う、とか、三味線はそんなふうに弾くものではない、とか言われると思いますが、僕はちゃんと弾こうとしているわけではない。
あくまで邪道な方法で自分の創作に使用しようとしているだけです。
「ちゃんと」習うことが出来たら幸せですが、そういう機会はたぶん与えられないだろうと思う。

 

で、昨日、一昨日かな、書いてしまった曲があって。
それは、最近、ほとんど10年以上ぶりに「キーボードをMIDIケーブルでコンピュータにつなぐ」ということをやったんです。MIDIケーブル買ってきて。

そしたら、早速鍵盤で書いた曲がひとつ、ふたつ、出来た。

で、そのうちのひとつの曲に、これもPatreonで使おうかと思って歌詞を乗せたら、思いのほか出来がよかった。
なので、これは長年あたためていた「オシャレ系インディロック、アコースティック」のプロジェクトを、これをきっかけについに立ち上げるタイミングかな、と思った。

 

このプロジェクトも、何年もの間、あたためていますが、やっぱり今まで、実行する時間もなければ余裕もなかった。

ちょうど、僕が大ファンであるところのニューヨークの「プラマイ」に似た感じの作風。

これは、プラマイも近年ではやはり活動がスローになっているので、(とはいえ、昨年久しぶりにEPが出て、今年は『コロナ作品』としての臨時EPが発表されていましたが)、彼らの新しい音楽が聴けないのであれば、自分が「聴きたいと思っているもの」を自分で作っちゃえ、という発想ですね。

そもそも、この自分のバンドであるImari Tonesも、1999年以降、実質的な活動が止まってしまっている大ファンであるところのVan Halen(それ以降の活動もありますが、どれも散発的なものです)、その「続き」を聴きたいから、自分でやっちゃおう、と思って始めたものです。誰も納得しないと思うけど。苦笑。

 

で、この「オシャレ系インディロック」(?)のプロジェクトが、これまで出来なかった大きな理由のひとつが、シンガー。ヴォーカル。
つまり、これは理想的にはやはり女性ヴォーカルでいきたい。

今までも、数人の女性シンガーさんに声をかけたことが、なんとなくあったけれど、やっぱり実現には至っていない。
それは、やはりぴったりくる人材を見つけるのは難しい、ということに加え、僕自身もなかなか本気になれないところがあったからかもしれない。

 

嫁さんに歌わせればいいじゃん、と、知人は言うかもしれませんが、知ってのとおり、というか、もし知らなければ、うちの「嫁さん」は「ものすごい音痴」です。

過去のImari Tonesの楽曲で、嫁さんの「声」を使用した曲はいくつかありますが、必死で編集、調整して、音程も修正した上で、やっとああいう感じ。リードシンガーとして使うのはとても無理だと思います。

音痴で音程が取れないうえに、声がひっくりかえるので、アタック部分が非常に不安定なのです。これは一般的なピッチ修正プラグインでどうこうなるものではないように思う。
音を伸ばすサステインの部分も、音程がフラットする、とかではなく、「揺れながらひっくり返る」ので、修正は難しい。音質、音程、ともに変動しまくっているという感じです。

さらに言えば、歌ったりする上での「演技力」がまったくありません。ない、というよりは、数値にすればマイナスになると思います。
そもそも態度が社会になじまない性格の持ち主であり、空気を読む、みたいなことを「積極的にしない」性格の人物でもあり、(社会的、表面的には、歳を重ねるにつれて丸くなりましたが、歌などの表現では本質が出てしまう)、具体的に言えば、「棒読み」ならまだしも、「すごくつまらなさそうな感じで読む」とか「嫌な感じで歌う」とか、そういう感じになることがほとんどです。「冷たい性格が丸出しになってしまう」という表現が適切かもしれません。

 

何年か前に、友人のクリスチャン系のバンドの人から、うちの嫁さんに「聖書の箇所を朗読してほしい」という依頼があった。つまり、曲の中で、日本語で聖書を読んでいる声を使用したい、ということですが、断るのも悪いので、しょうがないからやらせたのですが、やっぱりかなり「嫌な感じの棒読み」になってしまい、なんだか申し訳なかった。かわいい声で、とか、普通の女の子みたいに、とかには、絶対にならないので。

しかも、うちの嫁さん、ちょくちょく「えせ関西なまり」を心がける癖があるので、日本語のイントネーションも結構おかしいんですよね。それは彼女には「自分は関西にルーツを持つ人間だ」というこだわりがあるらしいのです。でも、そのイントネーションはかなり不自然。普段しゃべってる時は、他人はあまり気にならないかもしれませんが、こういう録音をやらせると、そこは問題になってきます。

(つまり、近くで接したことのある人はわかると思いますが、うちの嫁さんは「なんかおかしい」んですよ。そして、そんな嫁さんと結婚して仲良くやっている僕もきっと「なんかおかしい」んでしょう。物事は組み合わせ次第。出会えてよかったね、ちゃんちゃん。「勝手にやってろ」と言われそうですが、はい、勝手にやって二十五年がたちました。)

 

いかに嫁さんが「歌えない」か、ということを書きましたが、これはいつも、何度も繰り返して言っていることですが、僕は少年時代に「音楽の才能のある人とは絶対に結婚しない」と固く心に誓ったのであって、だからこれでいいのです。

その証拠に、彼女に出会ってもう悠に二十年以上、というか二十五年たちますが、結婚生活は、ありえないくらいに幸せです。僕にとってはどう考えても理想以上の理想の女性です。しかしそれと引き換えに、音楽や芸術の才能だけは無い、ということです。これは仕方の無いトレードオフであると言えます。(昨年から自分のバンドでベースを弾かせていますが、「記憶力」「リズム感」「体質およびサウンド」の三点が良かったのは僥倖でした。)

 

で、この「オシャレ系インディロック」のプロジェクトですが、やはり基本的には女性ヴォーカルを想定している。

けれども、これは色々難しい。
適した人材を見つけることの難しさがまずあります。
その上に、女性とのコミュニケーションはやはり難しい、ということが言えます。
これは言うまでもないでしょう。
ほとんどの場合には、これが現実的なネックになります。
(そして僕自身も「面倒なことには関わりたくない」と思っています)

歌詞は大半は英語になる。
あとは世の中の状況を考えると、リモートで作業を進める可能性が高いので、自前でヴォーカルトラックの録音が出来る必要がある。

英語で歌えて、自前で録音が出来て、僕の変則的な音楽性に対応できる人。
インディ系の「先鋭的な」センスを備えている人。
(しかも「インディ」だけではなく、おそらくは「メタル」的な表現も求められる)(うーん、たとえば有名なバンドでいえば、Flyleafのヴォーカル(初代)の人とか、そういう感じかな)
そのうえでコミュニケーションがちゃんと取れる人。

 

当初、もう何年も何年も前のことですが、僕がそもそもこのプロジェクトの曲を、なんとなく数曲書いてしまった時に、想定していた一人の女性アーティストさんが居た。それが誰なのかは、秘密なんですが、親しい友人なら知っているでしょう。(クリスチャン界隈の方ではありません、念のため)

とはいえそのシンガーさんも、決して歌唱力や表現の実力があるというタイプではなかった。
そしてここへきて、今回書いた楽曲をあらためてみると、その想定していた表現の範囲を越えている。

どこへいくのかわからない、という状態になってしまった。
なので表現力は、たぶんすごく必要になる。

ていうか、どうやって歌ったらいいんだ、この曲。
どんな声の、どんなシンガーを連れてきたらしっくりくるのか、僕にも予想がつかない。

 

たとえばここへきて、今の時代、国境や場所の制約もないのだから、海外でシンガーを募集するという手もある。それもいいのかもしれない。
そういった中で、新たな展開が開けるのかもしれない。

ただ、現実を言うと、今の僕には「スピード」が必要で、何年もかけるようなやりとりはしたくない。さらに、音楽をお金にするのは難しいものですが、自分のバンドのために様々なものを犠牲にして今ここにいる現状で、このプロジェクトも、少ない数字であっても利益にしなければならない。

なので現実には、お金も時間もあまりかけられない現状がある。

 

で、ここ数年考えていたのが、自分で歌ってしまおうか、という暴挙。

つまり、僕はファルセットで女性的な声を出すことは出来る。
少なくとも音域はカバーできる。

世の中には、こういうスタイル、きれいなファルセットを使って、女性的な表現をする男性アーティストもたくさんいる。(多くはないけど、たまにいる)

自分のファルセットで、どこまでやれるか挑戦してみるのもいいのではないか、そんなふうに思ってしまっている自分がいる。

ヘヴィメタルバンドのシンガーとしては、僕は自分の声が「まったく男らしくない」ということを不利だと感じていた。
けれども、違う音楽性の中であれば、それは利点になるかもしれない。

 

しかし冷静に考えて、それはやっぱり「気持ち悪い」声になってしまう危険も小さくない。

僕は残念ながらゲイではないが、中性的なアーティストにはいつでも憧れてきた。
そういった性別を越えた表現に挑戦してみるのか。その勇気があるのか。

また、これは自分の悪いところだけれども、僕には「なんでも自分でやってしまう」という習性がある。
だからここまで来れた、ということも言えるけれど、それが足かせになっていた面もある。

その根底には、もちろん自分でコントロールしたい、というエゴの部分もある。
また、自分でコントロールしないと表現が成り立たないという側面もある。

自分でやれば、いちばん手っ取り早い。
しかし、望んでいた結果が得られるかどうかはわからない。

最悪、「気持ち悪い声」になってしまった場合であっても、色々とエフェクト処理することによって対処できるのではないか、とも思う。
それによってかえって新しい表現にたどり着くことが出来るかもしれない。

また、いかにも「それっぽい」女性シンガーさんに歌わせても、「それっぽい」ものしか出来ないだろうが、
自分の声で性別を越えた表現の境地を追及すれば、そういった「よくある、それっぽい」ものよりももっと先へ行けるかもしれない。

しかしそれはリスクを伴う挑戦でもある。

そのことに、「なんか楽しそうだから、挑戦してみよう」と思えるかどうか。

 

そういえば、最近、実家にいる妹とラインのやりとりが多い。
4歳にして「ギター」に興味を持ってしまっているらしい姪っ子の話はここではしないでおくけれども、
身内で音楽の才能がある人といえば、うちの妹は確かにそうだ。
というかうちの妹は、純粋に才能で言えば僕の倍はある。

けれど、いろいろな理由でやはり妹を起用するのは不可能だろう。
たぶんシンガーとしても、求めているタイプと違う。
おそらくコミュニケーションの面でも問題が生じやすい。兄妹ゲンカとかさ(笑)

 

そういったわけで、
書き記しておきたい、周囲の皆さんにお聞きしたいのは、
「新しいバンド、ユニット立ち上げるんで、なんかオシャレでかっこいいアーティスト名ないかな?」
という点と、
(自分で名前をつけると、とてもヘンな名前になってしまう。それは、メインでやっているバンドを見ればわかるだろう、苦笑)

非常にダメもとではあるが、
「このプロジェクトに適した女性シンガーさんは居ないだろうか」
という点である。

選択肢1、
知り合いをたどってみる、

選択肢2、
海外で探す、

選択肢3、
自分で歌う、

選択肢4、
普通にメンボサイトとかで募集する、

というのが考えられると思う。

僕のことだから、ほっとくと、そのうち選択肢3の「自分で歌う」をやってしまうと思う。
が、それもどうかのかなー、と思っているので、その逡巡を書き残しておきたかった。

 

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