異世界で聞いた曲をパクるのは犯罪か

 

制作報告、および近況報告。

 

今、僕らは「Nabeshima」アルバムの制作に、すでに入っている。

そして、ドラムトラックの録音は、すでに完了した。

実際の録りの部分は幸いにして、先日の台風(19号)が来る前に完了していた。今にして思えば、(本当は行きたかったスケートボードミニストリーのイベントにも行かずに)、頑張って台風の前に終わらせておいて本当に良かった。なぜなら今回の「ドラム録り」は非常にインテンスで、なおかつセンシティブなプロセスだったから。(とても難しい状況の中で録音作業をしなければならなかった、という意味)

台風前後のごたごたのせいで、録音したドラムトラックの編集作業は、そこからかなり遅れてしまったが、それもすでに完了し、これからベーストラックの録音に入るところだ。そのための楽器の調整や、機材の選定もあらかた済んでいる。

全国各地で広い範囲で大きな被害が出た中、直接に台風の被害を受けなかったのは幸いだったと思う。しかし、被害を受けた人々のことを思うと、しばしふさぎこみ何も出来なかったのが現実だ。様々な支援活動をされている方々もいると思うが、自分はとても無力で申し訳がない。

 

ともあれ、そのように”Nabeshima”アルバムの制作に突入している僕らのバンドであるが、そういった中にあって、なぜだか僕は最近、またソングライティングの扉が開いてしまい、心はすでに”Nabeshima”アルバムのそこから先へと向いている。

 

僕が「鍋島」アルバムの曲をだいたい書き終えたのは2015年の前半。そして、2016年の夏までには、本当にひとつ残らず書き終え、デモの形にしてしまったわけだ。

それからしばらく、僕は本当に曲が書けなかった。

自分の音楽人生の到達地点、と言えるこの「鍋島」の楽曲を書き終えて、本当に自分の中にあるものはすべて出し切った、もう書けない、という状態だった。

もちろん、創造性の泉というものは、スイッチを切るようにいきなり涸れたりはしないし、それから後も、僕は生活習慣のひとつとして、やはり曲を書いていたが、Imari Tonesの曲として、正統に使えるものはやはり書けなかった。

 

そういう状態で、2017年の春か、初夏くらいだったか、とあるきっかけで、本当にわざとらしいものでいいから、いかにもとってつけたような曲で構わないから、書いてみよう、と、とあるきっかけがあり、4、5曲、書いてデモの形にしてみた。

それは「切り売りプロジェクト」と当初呼んでいたが、そこから、だんだん曲数が増えて、構想が膨らみ、今では「Coming Back Alive プロジェクト」と呼んでいる。

だから、今の予定では、「鍋島」の次に作るのは、その”Coming Back Alive”プロジェクトだ。

 

それは、究極の到達地点でありある意味難解な「鍋島」とは違い、もっとわかりやすく、もっとストレートで、楽しい、理屈のいらないアルバムになるはずだ。
わざとらしいくらいにわかりやすいハードロック、ヘヴィメタルのアルバムになるはずだ。
(そのへんは、サイドプロジェクトとしてやっていた「Atsuki Ryo with Jesus Mode」の経験が生かされていると思う。)
(Coming Back Aliveというタイトルで行きたいのだが、PR上の理由で、もっとパロディっぽいタイトルになるかもしれない)

 

Coming Back Alive プロジェクトについて言えば、歌詞は半分書けている。逆に言えば、半分はまだこれから書かなくてはいけない。そして、歌メロはまだあんまり出来ていない。アレンジもこれからだ。

 

そして本当のことを言えば、さらにその次のアルバムの楽曲も、すでにだいたい書けてしまっている。それは”Nabeshima3″と呼んでいいくらいに、ある意味「鍋島」の続編とも言える和風クリスチャンメタルになるはずである。

これは、2018年には結構いろいろ曲が書けたので、それを以て、”Nabeshima”の向こう側に行くことが出来た、また曲を、少しずつではあっても書けるようになってきた、と感じている。(それでも、しょせんは人生の中ですでに「出涸らし」かもしれないが)

その「鍋島3」(なぜって今作っている「鍋島」はダブルアルバムだから、その次は3になるのだ)と言える和風メタルのアルバムについては、ギターパートの骨組みが出来ているだけで、歌詞も歌メロもまだ全然書いていない。

だから、それらの内容を作り、書いていくのは、まだまだ将来のことだ。

 

そして、更に言えば、そのまた次の作品のコンセプトも、あらかた決まっており、またそのための楽曲もすでに数曲、書けている。これに関しては現在のところ、ものすごくおおざっぱなタイトルで仮称British Projectと呼んでいる。

けれども、それらは、将来的に、様々な取材や、勉強や、リサーチをしないと書けない内容のものだ。
だから、それはまだ、その時が来たら考えればいい。

 

今は、まず何よりも、この目の前に取り組んでいる、自分の音楽人生の究極到達地点であるところの”Nabeshima”を、とにもかくにも完成させなければ。

2016年夏にデモの形にしてから、すでに3年が経過し、ここまで、長かったし、大変だったし、なんとかこれでもベストを尽くし、最速の道を選んできたつもりだ。それが最良だったかどうかはわからないが、神さんに示されたようにやってきたつもりだ。

その「鍋島」の録音に、今、ついに取り組んでいるのだけれども、本当に大変なプロセスであり、ここまでも本当に大変なプロセスだった。

アルバム一枚、というのか、作品をひとつ作る、ということは、
どんな場合であっても、どんなアーティストのどんな作品であっても、それはいつだって大変なことだけれども、
だけれど、間違いなく自分の中で、この”Nabeshima”の制作は、人生の中でもっとも大変だった制作として、記憶されるだろう。

そのへんは、人にも誉めてもらいたいが、現実にはその過程も見ていただけるわけではないし、ウェブ上のコミュニケーションさえ取れずに人知れず制作しているし、きっと誰も気にしないし、けれども神さんは見てくれているだろう。それだけでいい。

そして、結果として完成した音を、世界のどこかにいる誰かに、感じ取ってもらえたらそれでいい。

そう思ってやっている。

 

やっているんだけれども、3年以上もこれらの楽曲にずっと向き合い、(曲によってはもっと何年も前に書いたものもあるが)、ずっと向き合っていると、さすがに飽きてくる。というか、別のところに目を向けたくなる。

だからこそ、まだまだこの先に作るところの”Coming Back Alive”や、「鍋島3(仮称)」の楽曲のことが気にかかる。

 

ここからが本題なのだけれど、
先日、夢を見た。

夢を見ることは別に珍しくない。

そして、夢の中で曲を書いた。

実のところ、夢の中で曲を書くことも、そんなに珍しいことではない。
過去にも、そうやって夢の中で書いた曲がいくつもある。
これは、ソングライターや、芸術家だったら、みんな大なり小なり経験があることではないかと思う。

だが本当のことを言うと、夢の中で曲を書く場合、それは僕の場合、純粋に書いている、という感じではない。

どちらかというと、パクってくる、という感じだ。
夢の中で聴いた曲。それが、どこの世界で鳴っているのか、どこの宇宙とか、どこの次元で鳴っている曲なのか、それはわからないが、
目が覚めた瞬間に、うわ、いい曲じゃん、これ、パクっちゃお、使っちゃおう、と思って、薄れいく記憶を必死でつなぎとめて、楽器を手にとり、必死で記録するのである。

なぜって、夢の中で聴いた曲をパクったところで、それを訴えたり、犯罪だと言う人は、きっとあまりいないだろうからだ。(もちろん、「どこかで聴いたような」というやつはまた別の話である)

 

僕は、先日、夢を見た。

それは、夢にはよくあることだが、ちょっと切ない内容の夢で、なぜだか僕は夢の中で人を殺してしまったのだった。

そして、その夢の中で、音楽を聴いた。

それは、今は亡きbloodthirsty butchersの吉村秀樹氏の曲であり、
つまり、夢の中で僕はブッチャーズの新譜を聴いたのだ。

それはもちろん、現実にはあり得ないブッチャーズの新譜である。
夢の中だけのことである。

その曲が、夢の中で鳴り響いた時点で、僕は飛び起きるように目が覚め、そして当然ながら、次の瞬間に考えたことは、はやくこの曲をメモしなければ、記録しなければ、ということだった。

夢に見た記憶は、一秒単位で消えていってしまうからだ。

もちろん、夢の世界から、まるまるきちんと、曲を持って来ることは難しい。

どこの世界で鳴っていたものにせよ、それは断片的にしか現実には持ち帰れない。

だから、今回も僕は、ほんの断片的な印象しか持って帰れなかった。

でも僕には、それで十分だった。

 

僕はその曲に、どうしても自分の手や、自分のギターを通る段階で、自分のフィルターを通ってしまうから、自分なりのメタルや、グランジの要素が入ってしまうけれども、最大限、ブッチャーズ的な要素をキープし。

そして、僕には夢の中で吉村氏が「俺たちのメサイア」と叫んでいるように聞こえたから。(僕にはそう聞こえた、それだけのことだ。ただ、吉村氏は最後のアルバムでもハレルヤ、と歌っていたのだから、まったくおかしいとも、言えまい。)

だから僕はその曲に「。。。」というタイトルを付け(やっぱりまだ秘密です)、
そして、吉村氏のように、とてもストレートで、日本語の文法や語法や歌詞としてのセオリーをまるで無視するように、ありのままのメッセージを書きなぐった歌詞を付けた。

その時に見た夢も印象的だったから、人を殺してしまった内容も歌詞に盛り込んだ。

結果として、エモーションがだだ漏れに、ずぶ濡れで、そしてわざとらしいくらいにメッセージ性の強い曲になった。

その曲のタイトルはまだ公表できない。

けれども、やっぱり「血」が関係する。

うまくいけば、Coming Back Alive (仮称)アルバムに入れることが出来るはずだ。

つまり、かいつまんで言えば、僕は夢の中で吉村秀樹氏の新曲を聴き(僕が勝手にそう思っただけだが)、それをパクったのだ。

(そういえば、だが、「鍋島」アルバムにも、ブッチャーズ吉村氏に捧げた曲が、1曲、入っているよ。それは、タイトルを見ればわかるものだ。そしてその内容は、Hidekiよ、お前はなぜ逝ってしまったのだ、というものだ。)

 

ちなみに、歌詞の言葉っていうことで言えば、”Overture”は全曲日本語でやって、そして”Nabeshima”は日本語と英語が半分ずつだけれども、やはりこれからは、また基本的に英語で作っていこうと思っている。

これも難しいトピックなのだけれども、もう日本語はいいかな、って思うから。
ライヴで演るための日本語の曲は、もう十分にそろったし、結果として、日本人向けであれ、海外向けであれ、英語の方が効果的に伝わる、ということが、あらためてわかってしまったしね。

だから、Coming Back Aliveプロジェクトも、英語のアルバムになるけれど、この曲だけは日本語でやることになる。今までも、クリスチャンっぽいメッセージのワーシップぽい曲とかは、過去の英語のアルバムでも、最後に1曲だけ日本語の曲を入れてきたので、それと同じような感じ。

 

出来ることであれば、この「夢の中で聴いたブッチャーズの曲」、非常に強いメッセージ性があるので、今すぐにでも、バンドでライヴ演奏したい。

 

ただ、今のImari Tonesの新しいラインナップは、新曲の仕込みが、非常に遅くてね。とても時間が、かかるんだ。

だから、あの曲もやりたい、この曲もやらなければ、って思うけれども、それが出来るようになるまでに、とても時間がかかってしまう。

今のところ、最初に新メンバーの「オーディション用」として考えていた、過去の定番曲のいくつかしか演れていない。

 

そのへんがジレンマでもあり、悩みでもあるのだけれど、でも次第に状況は良くなっていくだろう。

覚えるのは遅いが、そのぶん、演奏のクオリティは今まででも一番高いものになっているしね。それは確信を持って言える。

 

今、このメッセージを伝えたい、この曲を人前で演奏したい、そういう思いがあっても、目の前でやるべき制作や、様々な事情があって、それがすぐに叶わないのはつらい。

 

思ってみれば、贅沢でもあり、多くを求め過ぎている、音楽的な欲求が欲張り過ぎているのかもしれないが、
思ってみれば、僕の音楽人生には、「作品を制作したい、楽曲を書きたい」という欲求と、「ライヴ演奏したい、生でメッセージを伝えたい、旅に出たい、世に向き合いたい」という欲求が、常に葛藤し、矛盾し、そのふたつの葛藤に悩まされてきた。

つまりは、XTC並みに引きこもりたい欲求もありつつ、Grateful Dead並みにライヴに身を捧げたいという欲求もあるわけだ。大袈裟な言い方だが。

どちらも実現できれば一番幸せなのだけれども、どちらかを選べと言われれば、ほんの少しだけ優先するのは「作品を作り上げる」欲求の方であり、またたぶん、自分はその「創作」についての基準が、質は知らんが、量の面から言っても、かなり旺盛だ。

そしてまた、ここ数年のバンドを巡る状況も、「ライブ活動が自由にやれない」状況だったから、否応なく制作に向き合う他なかった。

それでも作品を作ることは出来たのだから、幸せと言われればその通りだ。

けれども、”Nabeshima”を作り上げたら、正真正銘、神様に与えられたところの音楽的な宿題は、本当にやり遂げたことになるのだから、

(たとえその先に、2枚、3枚ぶんの楽曲が、すでに書けているとしても)

だから”Nabeshima”を作り上げたら、もう次の制作は、ずっと後になるだろうから、本当にしばらく旅に出て、ライヴ演奏をたくさん行い、死ぬことも恐れずに、攻めの姿勢で活動をして、世の中に向き合っていきたいものだ。

 

本当は、この「鍋島」を作る前に、またバンドを再出発させるにあたって、旅に出る選択肢が一度あった。

だが、うちの嫁さんの意向とか、オレンジ色の相模猫とか、バンドの次の運命を、神さんに示された、今、この横浜の地で、作れと、そう示されて、今、ここに作っている。

そのことは、過去にも記した通りだ。

 

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